初めての転職

初めての転職の進め方、そのすべて【プロ直伝】

悩めるビジネスパーソン
27歳、メーカーで人事をやっています。今回、初めての転職に踏み切ろうとしています。
とはいえ、今まで情報収集も全くしていなかったので、いったい何から始めればいいかも分かっていません。
最初とはいえ転職は人生に関わる一大事なので失敗したくなく、重要な点を全て教えて頂ければと思います。

 

今回のテーマは「初めての転職の進め方」である。

相談者も述べている通り、転職は人生に関わる重要なイベントであるので、最初とはいえ重要な点は全て把握しておくに越したことはない。

 

「そういうお前は誰なんだ?」という方(このサイトに訪れるのが初めてという方)もいると思うので、筆者について補足しておく。

筆者は以下の経歴を持ち、この問いにはプロとして答えられると自負している。

 

  1. 3度の転職を経て、31歳で東証一部上場企業の執行役員(年収1800万)
  2. 従業員数10万人以上、売上10兆円規模の日系最大手企業にて人事課長(および経験者採用の面接官)
  3. 付き合った転職エージェント数も3桁に達する

 

手前味噌で恐縮だが、実際にSONYの人事課長だった、実際にBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)のケース面接を突破した、実際に一部上場企業の人事執行役員だった、こういう人間が本音で書いている記事はあまり見たことがない。

是非参考にしてほしい。

 

転職の目的を定める

この記事を見てくださっているということは、転職をしたいということだと思う。

ただ、転職の目的は定まっているだろうか?

 

  • 年収アップしたい
  • とにかく逃げたい
  • ワークライフバランスを改善したい
  • 人間関係が嫌だ
  • 職種/業種変更したい

 

この中のどれでもいいし、これら以外の理由でもいいのだが、確固たる理由は必要である。

確固たる理由を定めておかないとブレてしまい、自分が何のために転職したいのか自分でも分からなくなってくる。

 

筆者は実際に、「なんとなく周りが転職する年齢になったので転職活動を始め、内定をもらい転職したものの、後悔している」という方を見たことがある。

完全に本末転倒というか、目的を見失ってしまっている。こうはならないようにしよう。

 

齋藤
ちなみに、面接官をした中で最も「ダメすぎて印象に残っている志望者」は、転職理由を「3年経ったし、なんとなく」と説明していました。
なお、転職理由以外も全て微妙でした。「目的がない」のは面接での印象も最悪です。
慶應大卒で某大手通信会社勤務の方でしたが、書類選考を通してしまった自分を恥じました。

 

転職以外の手段はないのか?

目的を明確化したところで、もう一つだけ確認しておきたい。

 

その「目的」は、転職でしか叶えられないものだろうか?

例えば先ほど挙げた転職理由の例で言えば、

 

  • 年収アップしたい ⇒出世ではダメなのか?転職の方が生涯年収が最大化する計算か?
  • とにかく逃げたい ⇒異動ではダメなのか?会社全体に起因する理由なのか?
  • ワークライフバランスを改善したい ⇒異動ではダメなのか?会社全体が残業体質か?
  • 人間関係が嫌だ ⇒異動するか、嫌な相手の異動を待つことは出来ないのか?
  • 職種/業種変更したい ⇒異動ではダメなのか?上司や人事に相談してみたか?

 

ということである。

 

もちろん、会社や状況、自分の気持ちによっては「転職一択」ということもある。

そうはいっても、転職はリターンも大きいがリスクも大きい、いわば「最後の手段」と言えるため、もう一度だけ確認してみてほしい。

 

齋藤
特に「異動」は上司や人事に願い出てみて損はありません。
異動を試みて、ダメだったら「やっぱりダメだったか」と転職すればいいのです。
もともと転職を視野に入れているのですから、「異動希望なんて出して睨まれたら…」などと気にする必要もありません。

 

いつ頃転職するか決める。ただし

目的を定め、「転職」という手段を採ると決めたら、いつ頃(いつまでに)転職をするのか考えておこう。

転職活動には(特に仕事をしながらであれば)大きなエネルギーが必要なので、あらかじめ期間を定めておくとラクである。

 

とはいえ、いつ転職するかに限らず、非常に重要なポイントが一つある。

それは、今すぐに転職サイトや転職エージェント、転職SNS(Linkedin)に登録しておくことだ。

 

 

もう済んでいればOKだが、もし済んでいなければ今日中にやった方がいい。

理由は上記ツイートの通りだが、少し補足しておこう。

 

転職活動にかかる期間は、「良い求人」や「良い転職エージェント」に出会ってから、1~2か月が目安である。

ただし、この「良い求人」「良い転職エージェント」にはすぐには出会えず、時間がかかる。

 

だから、転職が頭によぎった時点で、良い求人や良い転職エージェントを探してストックし始める(溜め始める)と非常に有利なのだ。

他の記事でも紹介しているが、これを筆者は「ダラダラ転職」と名付け、強くおすすめしている。

転職がめんどくさいという方へ。ダラダラ転職のススメ。

 

さて、話を戻すと、あなたが「来月の1日には別の会社に出勤したい」と思っても、今「良い求人」や「良い転職エージェント」のストックがゼロなのであれば難しい。

 

どこでもいいから転職する、ということであればもちろん可能だが、「今パッと出て来る求人の中でマシなものに転職」ということになってしまう。

転職は重要なライフイベントなので、そのやり方はお勧めできない。

 

今すぐに求人やエージェントをストックし始めた(=サイトやSNSに登録した)として、最短で2か月。

そのリードタイムをある程度考えながら、「いつまでに転職したいか」を定めておこう。

 

転職エージェントとの付き合い方

さて、次は転職活動の相棒、「転職エージェント」との付き合い方についてである。

前提として、転職エージェントは以下の役割を持っている。

 

  1. あなたの話をしっかりと聞き、ぴったりの仕事を探し、提案するカウンセラーであり、リサーチャーであり、プレゼンターである
  2. あなたの転職活動における書類選考対策や面接戦術を指導する教官(メンター)である
  3. 転職における様々な「めんどくさいこと(日程調整や要望の伝達、本音の引き出し等)」を調整してくれるコーディネーターである
  4. あなたに代わって給与交渉をする代理人(交渉人、ネゴシエーター)である
  5. 多くの人が時々自信を失いがちな転職活動において、あなたを励まして成功に導く伴走者であり、モチベーターである

 

上記の全文を読む必要はない。

眺めただけで、転職エージェントが非常に重要な役割を担っていることが分かっていただけたと思う。

 

ただし、重要な役割であるのにもかかわらず、「相性が合わない」「あまり求人を持っていない」「反応が遅い」などの悩みも付きまといがちなのが転職エージェントである。

転職エージェントは、絶対に「あなたと相性が良く」「有能な」方を選ぼう。それだけで転職の難易度が下がる。

 

相性が良く有能なエージェントの選び方について、以下のポイントで絞り込むと良いエージェントに巡り合える。

 

  1. 早い段階で(できれば最初に)興味の湧く求人を出してくるか
  2. 面談(電話面談)の前にあなたの職務経歴書を読んでいるか
  3. 自分のキャリアをプラスに評価してくれているか
  4. コミュニケーションスタイル(電話・メール等)が合っているか
  5. 転職ありきで求人をおすすめして来ないか

 

上記を念頭に置きながらたくさんのエージェントと付き合い、ダメなエージェントを切っていく。

非情なようだが、相手も成果報酬で高給をとる「プロ」なので遠慮する必要は全くない。

 

齋藤
とはいえ、たくさんのエージェントと付き合うのには時間がかかります。
私はコロナ禍以前から、全てのエージェントとの面談を「電話面談」にすることで時間を節約していました。
電話面談でも相手との相性や優秀さは分かるので、それで十分です。おすすめ。

 

次に、以下のようなプロセスでエージェントをストックしていこう。

 

  1. 「ダラダラ転職活動」により、自分に合う転職エージェントのストックを増やす
  2. ダメな転職エージェントが良い求人を持っていた場合、エージェントを変えてほしいと言う
  3. 大手サイトへの登録により、様々なエージェントから連絡をもらう体制づくりをする
  4. 高確率で連絡をくれる中堅サイト・エージェントにいくつか登録してみる

 

上記のプロセスで集めた有能なエージェントに添削してもらうことにより、あなたの職務経歴書のレベルも上がる。

転職エージェントについてさらに詳しく知りたければ、エージェントに特化して説明した以下の記事を参考にしてほしい。

 

転職エージェントと合わない!その理由と対策をプロが解説

 

転職先としてどこを受けるべきか

さて、転職先としてどこを受けるべきか。

これは本来「あなたの自由」であり、「好きにしてください」の領域である。

 

しかしながら、今後、あなたがビジネスパーソン(要は雇われ人)としてキャリアを築いていく予定であれば、人事のプロとして、またビジネスパーソンとしていくつかアドバイスはある。

 

  1. 社格を上げる/年収を上げる
  2. 今の会社では取れない仕事(経験)を取りに行く
  3. 現職との組み合わせでシナジーを生むキャリアにする

 

上記はキャリアプランニングの基本であるが、基本というものは基本的に重要である。

それぞれ、簡単に補足しておこう。

 

【1】社格を上げる/年収を上げる

まず社格だが、以下の記事でも書いた通り、社格(その会社の、業界内でのランク付けのこと。分かり易く言えば「内定したら行きたい順」)は重要だ。

【職務経歴書・履歴書】日系最大手の面接官が見ているたった4つのポイント

 

もう一度転職をしたくなった際、職歴の中で最も重要視されるのが、過去の在籍企業(=社歴)、そして何よりそれらの「社格」である。

 

齋藤
それが良いかどうかは別として、「人事から見た実態はそうなっている」という話です。

 

年収も、あなたのキャリア価値を表す(と、人事も思いがちである)ため、基本的には上げる方向で考えたい。

少なくとも、この後に説明する②や③が満たされない転職では、年収か社格のどちらかは上げるべきである。

 

【2】今の会社では取れない仕事(経験)を取りに行く

言うまでもないが、日本でいう転職は実は「転社」であり、会社を移るということである。

 

わざわざ会社を移るリスクをとるのだから、「(様々な事情から)今の会社ではできない経験」を取りに行く方向で考えたい。

例を挙げると、以下のようなものである。

 

  • 今の会社では基本的に異動はないが、今やっている経理ではなく人事をやってみたい
  • 今の会社では定期ローテーションがあるのだが、今やっている「経営企画」を極めたいので、ずっと経営企画畑でいられる会社に移りたい
  • 将来的にコンサルタントとして独立したいので、事業会社からコンサルティングファームに移って経験を積みたい
  • 現部署ではエースが独占しており自分には数年回ってこないであろう業務の募集があったので、取りに行きたい

 

「今の会社では経験できず、かつどうしても経験したいこと」をさせてくれる企業であれば、積極的に転職を検討してよいだろう。

 

【3】現職との組み合わせでシナジーを生むキャリアにする

現職との組み合わせでシナジーを生むキャリアになるかどうか、も転職先を決める重要なポイントである。

職種を大きく変えたい方には当てはまらないが、できれば「どうなりたくてそういう転職をしたのかが分かり易い」方が、自分の市場価値や今後の転職にはプラスである、ということだ。

 

  • 事業会社の経営企画部→M&Aコンサル:実務も分かるM&Aのプロとしてのキャリア
  • 研修会社→事業会社の人材開発部:育成のプロとしてのキャリア
  • 転職エージェント→事業会社の採用部:採用(リクルーティング)のプロとしてのキャリア

 

もちろん、ここまで分かり易いキャリアを作る必要はない(筆者自身もそうなってはいない)が、可能であればキャリアに一つの「筋」を通しておくとメリットがある。

 

転職先について、基本的なアドバイスは以上である。

 

なお、ネガティブな理由での転職(逃げの転職)人間関係を理由にした転職、または短期離職なのであれば、転職先として受けるべきところは別に絞り込んである。

それぞれ以下の記事に詳しく書いてあるので、必要に応じて参考にしてほしい。

 

逃げの転職はアリなのか?ネガティブ理由での転職攻略法を人事面接官が解説

 

人間関係に疲れて転職する際に必要な全知識【人事面接官が教える】

 

【後悔】転職してすぐ転職する方法|人事が教える短期離職挽回法

 

齋藤

特に、もしあなたが「大企業から中小企業に転職」するつもりなのであれば、以下の記事だけは読んでおいてください。
この記事で、あなたのキャリアが救われるかもしれません。

 

大企業から中小企業への転職で戸惑いがちなことと成功のポイント

 

人事面接官が教える、書類選考と面接選考の攻略法

最後に書類選考と面接選考であるが、これらは重要なトピックであるため、それぞれ別の記事にまとめてある。

SONYの人事課長や一部上場企業の人事執行役員としての経験から、こちらも本音で書いているので、是非参考にしてほしい。

 

書類選考はこちら。

転職活動で書類選考が通らない理由は?人事面接官が本音で回答

 

面接選考はこちら。

面接官はどこを見ている?実際の面接員向けトレーニングから考える

 

面接選考について、若干補足しておこう。

 

面接官は、多くの場合「再現性のある行動事実」を見ている。

それを見ることで、「うちの会社に入っても活躍してくれるだろうか?または、元の会社でしか活躍しない人だろうか?」ということを見極めようとする。

 

そして、再現性のある行動事実を見るには、フレームワークがある。

最も有名なものは、STARフレームワーク(Situation / Task / Action / Result)だろう。

 

「自分が最も実績を挙げた業務(できれば2つ)」についてSTARフレームワークに沿ってまとめておくと、目に見えて面接通過率が上がる。

 

 

【まとめ】 初めての転職の進め方

初めての転職は何かと不安だと思う。

しかし、この記事に書いてある内容を知っているあなたは、既に普通の「初めて転職する人」より圧倒的に有利な位置に立っている。

 

筆者を、そして何よりリスクを取ってキャリアを切り拓くと決めた自分を信じて頑張ってほしい。

最初の一歩は、転職サイトへの登録による良い求人と良いエージェントのストックからだ。これが転職活動のスタートである。

 

プロのおすすめ転職サイト。この3つだけで転職成功率を2倍に

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