逃げの転職

逃げの転職はアリなのか?ネガティブ理由での転職攻略法を人事面接官が解説

悩めるビジネスパーソン
正直、今「逃げの転職」を考えています。
広告代理店から経営コンサルに転職して5か月が経ったところなのですが、新しい仕事になじめていません。
マネージャーの詰めもきつく、過敏性腸症候群(IBS)で毎日トイレに籠っている状態です。
ぶっちゃけ、「逃げの転職」は人事の人からするとアリなんですかね?後ろ向きの転職を成功させる秘訣などあれば伺いたいです。

 

今回のテーマは「逃げの転職(ネガティブな理由での転職)」である。

 

結論から言えば「アリ」だが、それを真っ正直に人事面接官に伝えていいわけではない。

成功させるためのコツや注意点が比較的色々とあるテーマと言える。

 

自身の3度の転職経験、そして大企業の面接官をしていた経験から、誰もが頭によぎったことがあるであろう「逃げの転職」について書いていきたい。

 

逃げの転職はアリ。ネガティブな転職理由のほうが多い

結論を言えば、逃げの転職はアリである。

 

筆者の3回の転職のうち、2回は前向き、1度は中立(ポジティブでもネガティブでもない)であったが、これはかなりポジティブな方だと思う。

実際には、本音の転職理由はネガティブ(後ろ向き)な場合のほうが多い。

 

ただ、根拠なく「アリですよ」と言われても納得できないだろう。

逃げの転職がアリな理由は以下の4つである。

 

  1. 人間は環境に左右される生き物だから
  2. 精神を病んだら終わりだから
  3. 逃げたいような状況では、あなたも会社もお互い損だから
  4. 短期離職は挽回可能だから

 

それぞれ簡潔に解説する。

 

【1】人間は環境に左右される生き物だから

以下のツイートにも書いたが、よく言われる「今頑張れないやつはずっと頑張れない」は残される人間の願望でしかない。

実際には、人間は「環境に左右される生き物」であり、今の環境があなたに合っていないだけの可能性も十分にある。

逃げたくなるような環境からは逃げて、新しい環境で活躍するのが正しい。

 

【2】精神を病んだら終わりだから

筆者のメインキャリアは人事だ。

そして人事(特にHRBP)は、メンタルを病んだ社員との面談も仕事のうちである。

 

さらに、筆者は労務にいたこともある。

そこで、鬱の方や統合失調症の方、双極性障害の方の対応も自分でやった、もしくは同僚がやっていた。

 

そんな中で強く感じたのは、「人間、病んだら元には戻らない」である。

「病んだら終わり」というのは言い過ぎたが、一度精神を患った場合、完全復帰に相当な時間がかかるのは事実である。

 

精神を病む前に逃げることは、人間として正しいだけではなく、ビジネスパーソンとしても正しいのだ。

 

齋藤

精神が崩壊寸前なのであれば、今すぐ逃げ出しましょう。
その場合、時間のかかる「転職」ではなく今すぐ「退職」すべきだと思います。

 

【3】逃げたいような状況では、あなたも会社もお互い損だから

逃げの転職をしたいような状況であれば、あなたのパフォーマンスも下がってきているだろう。

仮に今はそうでなくても、中長期的にはそうなってきてしまうはずだ。

 

そうなると、「あなたが逃げたいような状況」というのは、あなたにとってはもちろん、会社にとっても良くない。

もし罪悪感があるのであれば、「お互いのために逃げだす」という考え方もアリである。

 

【4】短期離職は挽回可能だから

逃げ出したいが在籍期間が短すぎて難しい、という方も多いだろう。

しかしながら、短期離職は挽回が可能である。

 

これが挽回不可能であれば「転職をあと数か月~1年は我慢してください」と言わざるを得ないのだが、そんなことはない。

転職してすぐ転職する「短期離職」の挽回戦術については、以下の記事に書いたので参考にしてほしい。

【後悔】転職してすぐ転職する方法|人事が教える短期離職挽回法

 

逃げの転職をする前の確認事項

以前、以下の記事にて、社内異動で後悔した場合には4つの手段がある、と書いた。

希望した社内異動で後悔!パターン別の対処法を人事部長が解説

 

  1. 改善する
  2. 我慢する
  3. 異動する
  4. 転職する

 

今回の場合も同じである。

「逃げの転職」も悪くないのだが、例えば「逃げの部署異動」は出来ないのだろうか、という確認が必要である。

 

上記の①~③(=転職以外)があり得そうだと思った方は、少しだけ上に挙げた記事を見てみてほしい。

 

ただ、「もう試したよ」「もう無理」という方も多いだろうから、多くは言わない。

念のため、改善できる点がある可能性、我慢している間に時が解決する可能性、異動で解決できる可能性も、一瞬考えてみてほしい。

 

転職はリスクも大きいので、本来的には「最後の手段」であるからだ。

 

齋藤
「諸事情から転職一択」となる方も多いのですが、念のため記載しました。

 

逃げの転職(ネガティブな理由での転職)の具体的プロセス

ここまで「逃げの転職はアリ」「転職の前に改善や我慢、異動で解決できないかチェックしよう」と述べてきた。

ここからは実際の「逃げの転職」の方法論に移ろう。プロセスは以下の3つである。

 

  1. 逃げたいと思った瞬間にダラダラ転職を開始する
  2. 転職エージェントを試金石にする
  3. 面接官相手には「逃げ」「ネガティブ」を隠す

 

【1】逃げたいと思った瞬間にダラダラ転職を開始する

筆者が強くお勧めしているのが、「ダラダラ転職」である。

転職がめんどくさいという方へ。ダラダラ転職のススメ。

 

筆者が作った言葉なのできちんとした定義はないのだが、ダラダラ転職とは、以下のような転職手法である。

「常時」かつ非常に「ゆるく」転職活動を行うこと。
大手転職サイトに登録はしているものの、企業や転職エージェントからの連絡はめんどくさいので9割は無視する。
本当に興味が持てる求人・スカウトが来た時にだけ連絡を取る。
しかもその連絡も、即時ではなく気が向いたときにまとめて返信する。
興味を持った企業も、面接選考がめんどくさくなったらキャンセルする、等。

 

簡単に言えば「とりあえず大手転職サイトに登録して放置し、良い求人や良いエージェントをストックしておくこと」であると思ってよい。

 

多くの人は、「逃げたいと言う気持ち」と「仕事をしながらの転職活動が大変だという気持ち」の板挟みになってしまい、追い込まれるまで転職活動を開始しない。

その結果、本当に追い詰められてしまう人を筆者は見てきた。

 

しかし、この「ダラダラ転職」であれば、「逃げたい」と思った日に誰もがすぐに始められる

「逃げたい」を超えて本当に追い込まれる時までに、「良い求人」「良い転職エージェント」が集まってくるというメリットも大きい。

 

筆者自身、3回の転職のうち2回はこのダラダラ転職によるものである。

自身のことで恐縮だが、22歳の新卒時に250万円だった年収が3回の転職を経て31歳で1,800万円までいったので、「求人の質」も追求できると言える。

 

逃げたいのであれば、その第一歩として「ダラダラ転職から始める」ことを、強くお勧めしたい。

 

【2】転職エージェントを試金石にする

逃げの転職では、転職エージェントを試金石として使わせてもらうことをお勧めする。

 

これは人事のプロとして断言するが、次項で話す「面接官」に対しては、「逃げ」「ネガティブ」な転職理由を隠す必要がある。

転職エージェントを、そのための準備に使わせてもらうのである。

 

転職エージェントは敵ではないので、「ネガティブな理由を完全に隠す」必要はない。

ただし、「完全にネガティブ」な志望者には厳しいのが転職エージェントという人種である。

 

齋藤
完全にネガティブな志望者は、転職面接で落とされる可能性が高く、エージェントのお金にならないからです。

 

そんな彼らに対し、「ある程度のネガティブな本音」と「前向きに取り繕った理由」のブレンドを説明してみよう。

 

これで転職エージェントを納得させられるのであれば、その前向きな理由は面接官にも伝わる可能性が高い。

逆に、転職エージェントからネガティブな反応をもらってしまうのであれば、もう少し理由を練り込む必要があるということだ。

 

ただし、あなたに説教をしてくる等、あまりに相性の悪い転職エージェントを納得させる必要はない。

転職エージェントは当たり外れが大きいし、転職活動において非常に重要な役割を果たすので、合わないなら躊躇なく変えよう。

 

転職エージェントと合わない!その理由と対策をプロが解説

 

【3】面接官相手には「逃げ」「ネガティブ」を隠す

「面接官だって人間。皆が皆、前向きな理由で転職しているなんて思ってないって。素の自分で行け」

という内容のツイートを見たことがあるが、これは本当でもあり、嘘でもある。

 

まず、面接官が「皆が皆、前向きな理由で転職しているなんて思ってない」のは本当である。

プロとして断言するが、だからといって「逃げの理由」をさらけ出して素の自分で行ってはいけない

 

齋藤
逃げの理由をさらけ出しても、「絶対に落とされる」とまでは言いません。
志望先に比して、あなたの学歴や職歴、実績が素晴らしければ「正直な人だ」と受け取られて採用されるかもしれません。
ただし、本来の実力に応じたレベルと同等の企業か、それ以上の企業では通過が難しいでしょう。

 

なぜならば、「実際に前向きな理由でその会社を受けている競合(他の候補者)がいるから」である。

 

 

「どんなブラック企業でもいいから転職で逃げたい」のならともかく、多くの人は「出来るだけ良い企業に転職で逃げたい」はずだ。

「良い企業」には多くの転職希望者がおり、その人たちの多くは「ある程度の学歴」や「職歴」、「実績」、そして「本当に前向きな転職理由」を持っている。

 

そんな中、「ネガティブな転職理由」を持っているのは大きなディスアドバンテージである。

面接官相手には「逃げの転職理由」「ネガティブな転職理由」を隠す、が王道である。

 

まとめ

逃げの転職はアリだ。

ただし、踏み切る前には改善や我慢、異動といった別の手段で解決できないか、念のため確認してほしい。

 

既に記載した通り、実際のプロセスとしては以下のようになる。

 

  1. 逃げたいと思った瞬間にダラダラ転職を開始する
  2. 転職エージェントを試金石にする
  3. 面接官相手には「逃げ」「ネガティブ」を隠す

 

この記事を読んでくださった時点で「逃げたい」気持ちがゼロではないと思うので、まずは今すぐ、ダラダラ転職を始めることをお勧めしたい。

 

転職がめんどくさいという方へ。ダラダラ転職のススメ。

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