転職 内定後

転職で内定後の入社までの流れと注意点を人事プロが解説

悩めるビジネスウーマン
転職活動で、ついに一つ内定をいただきました。
初めての転職ですので、内定後の入社までの流れが気になっています。
転職における内定後の入社までの流れと注意点
を教えていただけますでしょうか。

 

今回のテーマは「転職における内定後の入社までの流れと注意点」である。

結論から申し上げると「転職活動で内定した後には、入社日を決定し、雇用契約を結び、退職交渉し、入社日を迎える必要がある。これらの流れや注意点について、それぞれ解説していく」という内容の記事になっている。

 

初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。

筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。

  • 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
  • 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
  • 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
  • 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験

 

この記事を読むことで、転職において内定を得た後の入社までの流れと注意点が分かり、転職先での入社日を滞りなく迎えることが出来るようになるだろう。

 

転職活動で内定後、入社までの流れ

早速であるが、転職活動で内定した後の入社までの流れについて解説していく。

入社までのプロセスは、大きく分けて以下の通りである。

  1. 入社日を決定する
  2. 内定を受諾し、雇用契約を結ぶ
  3. 退職交渉をする
  4. 入社日を迎える

 

上記のプロセスについて、それぞれ解説していく。

 

入社日を決定する

内定後、まず行うことは入社日の決定である。

実際には次項で解説する内定受諾の方が先の場合もあるが、本来は入社日を含めて契約条件であるため、受諾前に入社日を決定しておいた方がいい

 

齋藤
実際には「いつから働けるか?」という質問の形で、面接の中で十分に話し合われていることも多いです。
面接の中では地雷質問になり得るほど重要な質問が、この入社日になります。

>>【地雷】転職面接で入社を希望する時期を聞かれたらどうすべき?人事プロが回答

 

入社日に関しては、基本的には一度決めたら変えられないと思っておいたほうが良い。(会社によっては変更に応じてくれる可能性もある)

入社日を決めてから退職交渉に移ることになる場合がほとんどであるため、必ず「ここまでには辞められる」という日にちを提示しておこう。

 

齋藤
内定した日にちにもよりますが、一般的には、内定した1~3ヶ月後の1日(ついたち)を入社日に設定することが多いです。

 

内定を受諾し、雇用契約を結ぶ

内定後のプロセスで最も重要なのが、この項目である。

内定通知(合格通知)は相手からの提案にすぎない。それをあなたが受諾することで雇用契約が結ばれるのである。

 

契約を結ぶプロセスは、会社によって異なる。

最も一般的なプロセスは、内定を出した証としてオファーレター(呼称と位置づけは会社によって異なる。後述)が発行され、それにサインをして返送することで、実質的な雇用契約が結ばれるパターンである。

 

齋藤
オファーレターは主に外資系での呼び方です。
会社によって、雇用契約書、内定通知書、労働条件通知書等と、呼称と位置づけが異なりますが、意味と効力はほぼ同じです。

 

いずれにせよ、入社日や労働条件が書かれており、あなたのサイン欄がある紙が渡されたのであれば、ここで言う「オファーレター」だと思ってよい。

これを受け取り、サインすることが必要である。

 

連絡が来ない場合は?

合格したはずなのに、内定のオファー連絡が来ない場合には注意すべきである。

内定オファーを受諾してから退職交渉をする、という順番は絶対に破ってはいけない。この点は、本記事で最も注意すべき点である。

 

内定者に書面を出したがらない会社もあるが、遅くとも退職交渉前には必ずもらっておこう。

連絡が来ない場合、転職エージェント経由であれば転職エージェントに連絡、直接応募であれば会社に連絡し、メールでも良いので「文字に残す形」で内定および年収等の条件について通知してもらおう。

 

齋藤
どんなに言っても書面を出してくれない場合、筆者であればその会社は危険と判断し、入社しません。
現代において、内定時に何らかの書面を出すことは、内定者の心理的安全のためにも必須のプロセスです。
何の書面もないまま退職をしてしまうと、万が一内定を反故にされた場合にブランク期間(空白期間)が空くことにも繋がりかねません。

>>転職のブランク期間はヤバい?その真偽と対処法5つを人事プロが教える

 

退職交渉をする

内定受諾まで済ませてしまえば、もはや注意すべきプロセスは全て終わったと言ってよい。

後は、現在の会社の上司に対して退職の旨を伝えて退職交渉をし、退職届(退職願・辞表)を提出すればよいだけである。

 

退職交渉において最低限知っておいてもらいたいことは、会社を辞める権利は100%あなたにあるということである。

法的には、2週間前に通告すればどんな会社も確実に辞められることになっている。

 

齋藤
ある期日まで辞めさせない、引き継がないと辞めさせない、後任が来るまで辞めさせない、こういったことは全て違法です。

 

よって、最終的には退職交渉を2週間で終わらせることも出来る。

ただし、後々まで考えるならば、ひどい会社でない限りは円満退社をしておく事がおすすめである。

>>円満退社とみなされる理由と伝え方を人事プロが徹底解説

 

通常、退職日の何日前に申し出なければいけないかは就業規則に規定がある。

この指定には法的拘束力はないが、2週間から1ヶ月程度であればかなり常識的な設定であるため、基本的にはそれに従うのがよいだろう。

 

既に内定受諾済みだと思うので念のための記載になるが、内定先に何かしらの不安がある際には、退職交渉はギリギリまで行わないことが重要である。

>>退職届(退職願・辞表)はいつ出す?ギリギリに出すべき理由を人事プロが解説

 

入社日を迎える

最終プロセスとして、新しい会社での入社日を迎えることとなる。

 

入社日に何をするか(どういったスケジュールなのか)は、基本的には転職先の人事から事前に連絡があるはずである。

この連絡がない場合には、転職エージェント経由または直接企業に確認すべきである。

 

齋藤
一般的には、「X月X日午前X時にXXに集合」または(オンライン入社の場合)「このURLのオンラインミーティングに入って待機」等と案内があるはずです。
万が一案内がなければ、自分から確認するようにしましょう。

 

入社日初日は、入社式とオリエンテーションだけで終わる場合も多い。

会社にもよるが、通常、入社日以降は入社後研修か現場配属となり、新しい会社の社員として勤務することとなる。

 

内定後の注意点

最後に、転職において内定した後の注意点について記載しておく。

 

まず、既にオファーレター(または雇用契約書、内定通知書、労働条件通知書等)を受け取り、内定を承諾しているのであれば、重大な注意点は存在しない

絶対にやっておかなければならないことは、既に流れの中で記載した退職交渉および退職届の提出のみである。

 

齋藤
オファーレター等にサインし内定を受諾することは、雇用契約を結んだことと同等の法的効力を持ちます。
今の会社をクビになるレベルの事件を起こさない限りは、契約の解除や撤回はされないということです。

 

ただし、選考の中で重大な経歴詐称等を行っていた場合は別である。面接においては、不利なものを含めて全ての真実を明らかにする必要はないが、嘘をついてもいけない。

>>休職中の転職活動に必要な全知識|伝えるべき?バレる?バレた時の対処法は?

 

その他、注意点ではないが、アドバイスが2つある。

一つは円満退社した方が良いという点、もう一つは退職前に年次有給休暇は可能な限り使ってしまった方が良いという点である。

 

まず前者について。既に述べた通り、円満退社にはメリットが多いため、可能な限り前職と揉めずに辞めるのが良い

  1. 転職先での退職理由としても活用できる
  2. 退職までに感じる心的負担が減る
  3. 前職の人脈(人的ネットワーク)を維持できる
  4. 今後の転職活動においてリファレンスチェックを受けやすくなる

>>円満退社とみなされる理由と伝え方を人事プロが徹底解説

 

また、円満退社とのバランスもあるが、年次有給休暇は可能な限り使ってから辞めよう。

以下の記事に書いた通り、入社後に成功するためにはスタートダッシュが必要であり、そのためにリフレッシュ出来るのは今だけなのである。

>>転職を成功させるには、転職した後がカギ。転職直後にとるべき「6つの行動」

 

まとめ

転職で内定した後に忘れてはいけないのは、書面で内定通知(オファーレター等)をもらうことと、前職を退職しておくことである。

絶対に忘れてはいけないのは、この2つだけである。

 

前職に社員証や保険証を返したり、新しい会社に様々な書類を提出したりする必要はあるが、これは別途案内が来るはずであるし、期限が過ぎてもなんとかなることが多い。

心配性や完璧主義に陥ることなく、次のスタートダッシュに備えて、リフレッシュしておくことがおすすめである。

 

転職サイトや転職エージェントは無数にあるが、それらを紹介するランキングやおすすめサイトの信憑性は低く、どのサイトに登録すべきか悩む方は多い。

迷ったら、年代でも性別でもなく、シンプルに年収で決めるのがおすすめである。

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