転職 入社 時期

【地雷】転職面接で入社を希望する時期を聞かれたらどうすべき?人事プロが回答

悩めるビジネスパーソン
現在、転職活動中です。第一志望の会社で2次面接に合格し、次は最終面接と言われています。ただし、1点気掛かりなことがあります。
それは、2次面接で「希望の入社時期」について詳しく質問されたことです。
現職での上司に何と言われるか分からないこともあり、私が即答できずに言葉を濁してしまったため、「この点は次の面接でも確認させてください」と言われました。
ここで質問なのですが、私はどう回答するべきだったのでしょうか?また、最終面接ではどのように答えればよいでしょうか?
入社希望時期が合否に影響する可能性があるのか等も気になっており、このトピックについて全体的にご教示いただけるとありがたいです。

 

今回は「転職における入社時期」がテーマである。

 

入社時期は、転職する際に「現職(今の会社)」と「転職先」の利害が真っ向から対立するテーマである。

通常、現職側は「出来るだけいてほしい。引継ぎも完璧に」と望み、転職先側は「出来るだけ早く来て欲しい。早く慣れた方があなたにとっても良いだろう」と思っている。

 

私自身、4度の転職で毎回この問題に対処してきているほか、逆に会社側のマネージャー(面接官)として何度も面接で「時期が合わず落とした」経験もある。

今回は、マネージャー(Hiring Managerおよび面接官)としての経験、人事としての経験、そして転職経験から、この問題について包括的な回答をしていきたい。

 

【結論】入社時期の質問は地雷(ディール・ブレーカー)である

まず、結論から言おう。

 

「時期が合わない」というのは(合否に影響どころか)合否に直結することもある地雷(ディール・ブレーカー:取引決裂の原因となる問題)である。

しかも、相手がどんな入社時期を期待しているのかは、転職志望者(あなた)側からは分からない。

 

この記事では、どんなに優秀な人でも踏む可能性のあるこの問題の対策を書いた。

さらに、以下の疑問についても記載しているので、ぜひ参考にしてほしい。

 

通常はどうすべきか、現職は最短でどの程度で辞められるか、合否に影響する理由、先方の希望と時期が合わない場合どう対処すればよいか、時期の交渉を上手く進めるにはどうするか。

 

齋藤
この記事を読めば、「転職面接で入社を希望する時期を聞かれたらどうすべきか」という疑問が完全に解決することをお約束します。
この問題は、知らない場合には一定の確率で「自動的に不合格」になるディールブレーカーなので、是非知っておいていただければと思います。

 

【前提①】通常は内定から1~3か月程度

まず前提として、一般的な業界の常識からお伝えしよう。

人材紹介会社であるワークポートの調査によると、「内定から入社まで、最長でどのくらいの期間待てますか?」という質問に、半数以上の採用担当者が「2~3ヵ月」と答えている。

 

  • 1週間程度もしくはそれ以内・・・19%
  • 1ヶ月程度・・・10%
  • 2~3ヶ月程度・・・55%
  • 半年程度・・・15%
  • 1年程度・・・1%

(ワークポート調査をもとに筆者作成)

 

筆者自身の(人事マネージャーとしての)経験でも、上記と同じように「出来れば1か月程度で来て欲しいが、現職もあるので2~3か月ならば待てる」ということがほとんどであった。

 

齋藤
蛇足ですが、上記で「1週間程度もしくはそれ以内」となっているのは、アルバイトや派遣の話か、もしくは相当なブラック企業による回答だと思います。

 

もし、上記がどの会社にも、どの転職希望者にも「常識」であり「決まり事」であれば、この記事はここで終わりである。

しかしながら、実際にはそうではない。会社にも個人にも事情というものがある。

 

場合によっては、ホワイト企業であっても「転職志望者から『入社まで3か月かかる』と言われた瞬間に落とす(3か月は待てない)」というケースもある。

逆に、「1~3ヶ月では入社出来ないのだが…」もしくは「1~3か月で入社は可能だが、本音では入社時期を遅らせてやりたいことがある」と考えている転職志望者の方もいるだろう。

 

本記事では、前提としての基本をおさえた上で、上記のような様々な状況、そしてそういった状況における交渉戦術について考えていく。

 

【前提②】会社は「就業規則に関わらず」2週間で辞められる

もう一つだけ、前提としての基本をご紹介しておく。

それは、「今の会社は最短2週間で辞められる」ということだ。

 

就業規則では「退職の1ヶ月前までに退職届を出さなければならない」などとある場合が多いが、実際にはこれは紳士協定、つまり「会社から社員へのお願い」に過ぎない。

 

民法627条に「雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」とあり、会社は2週間以上前に退職届を出すように強制することは出来ないのである。

厚生労働省のパンフレットもあるので、必要に応じて確認してほしい。

 

もちろん、前職に迷惑をかけないように、可能であれば退職の1~2か月前に申し出ておく方が良い。

しかしながら、ここで覚えておいてほしいのは、現在の職場(転職前の職場)に、あなたに無理を言って引き留める権利は全くないということである。

 

齋藤
今はブラック企業以外で無理な引き留めをされることは減ってきています。
とはいえ、「あなたには、退職届を出して2週間で辞める権利がある」ということは覚えておいて損はないでしょう。

 

【答え方】希望する入社時期は正直に言うべきか?合否に影響するか?

まず、「希望する入社時期は正直に言うべきか?合否に影響するか?」について記載していく。

 

基本的には、正直に言ってよい質問なのだが…

前にも少し述べたが、基本的には、希望時期を正直に言えばよい。

採用側(転職先)が「1~2か月で来てくれればいい」と思っており、あなた自身も「1~2か月先なら入社可能」だと思っているのであれば、双方困らない。

 

とはいえ、次に述べる通り、正直に言ってよいのかどうかの見極めは、かなり難しい。

「基本」と書いておきながら恐縮だが、正直に、無邪気に伝えて良いケースはかなり稀だろう。

 

実は、正直に言わないほうが良い場合がほとんど。急募求人や、中小企業・外資系企業では合否に直結

基本的には希望時期を正直に言えばよい、と書いた。

しかしながら、以下の場合には何を伝えるか、少し考えたほうが良い。

 

  1. 急募の求人である場合
  2. 転職先が中小企業・外資系企業である場合

 

急募の求人で時期が重要なのは当然だと思うので、中小企業や外資系企業について補足しておこう。

 

中小企業や外資系企業では、社員一人の重要性が高い。

中小企業では人事や経理は数人しかいないし、外資系企業ではHead Count(人員数)の管理が厳格で一人ひとりの責任が重い。

 

よって、中小企業や外資系企業では、前任者の退職に伴い、急ぎの採用を行っている場合(≒急募の場合)が多いのである。

 

齋藤
ここで、ひとつ大きな問題があります。

 

ここでの大きな問題とは、上記の①(急募の求人)も②(中小企業や外資系企業の求人)も珍しくない例であるということだ。

しかも、特に①の事情があるのかどうかは転職志望者(あなた)には分からないことが多いことも厄介である。

 

言うまでもないが、①または②の場合、転職先企業にとって時期は最重要項目である。

つまり、時期が合わない(遅い)だけで不合格となる。合否に影響する、というよりは合否に直結するのである。

 

【対処法】入社時期の交渉戦術【即不合格になるな】

さて、ここから本題である「入社時期について、どう交渉するか」について記載していくことにしよう。

先ほど述べた「急募や中小企業、外資系企業の場合」と「それ以外」に分けて解説していく。

 

【交渉戦術】急募、もしくは中小企業の場合

求人票や面接官から得た情報で、急募であることが分かっている場合。

もしくは、中小企業や外資系企業での求人の場合。

 

こういった場合には、1~2次面接で直接、またはエージェントを通じて相手が期待する入社時期を確認するのが良い。

 

その結果、相手が急いでいることが分かり、それが自分が転職できる時期とずれていたらどうするか。

その場合の手段は以下の3つである。

 

  1. 会社側にポジションを埋める期限を聞き、そこを焦点として交渉する
  2. 特殊な契約が出来ないか提案する
  3. エージェントに交渉してもらう

 

①(会社側にポジションを埋める期限を聞き、そこを焦点として交渉する)はある意味で正攻法だ。

相手の要求を聞き、譲れる部分は譲り、場合によっては相手にも譲ってもらう。まさに交渉である。

 

齋藤

この場合、自分の価値がどの程度あるのか(あなたのような人を採用するのがどの程度難しいか)によって交渉の成否が影響されることは、言うまでもありません。

 

ここで、交渉が失敗しても、損はしないことに留意してほしい。

交渉していなかったら、面接官の心の中で「素晴らしい人だが、○月入社では今回は無理だな。不採用」と落とされていたのだ。交渉することにプラスはあってもマイナスはない。

 

②(特殊な契約が出来ないか提案する)は実際に持ち掛けられたことがあるのだが、会社側希望(例えば2021年10月)と転職志望者の希望(例えば2021年12月)のズレを、正社員以外で埋めるという手である。

例えば、週2日働く契約社員、アルバイト、善意の参加(要はボランティア)等の形態で転職先の業務に参加する。

 

転職志望者にとって嬉しくはないかもしれないが、実際には「少しでも早くオンボーディング(戦力化)が出来るなら入社まで出来ずとも良い」という企業も多い。

コロナ禍で、こういった柔軟な雇用形態・オンボーディングをする会社も増えてきたため、提案の価値があると思う。

 

③(エージェントに交渉してもらう)は、上記の①および②をエージェントに代行、またはサポートしてもらうということだ。

優秀な転職エージェントがいれば、「あなたのような人を見つけるのがどれほど難しいか」という視点で会社を説得してくれる。

 

齋藤
そもそも、優秀な転職エージェントがついていれば、重要な入社時期の交渉を最後の最後でやる羽目になることなどありません。
エージェントがあなたの希望をもとに、それとなく企業と交渉しておいてくれるからです。

 

交渉に限らず、転職エージェントは、転職活動の成否を左右する重要なパートナーである。

もしあなたのために働いてくれる優秀な転職エージェントが4~5人以下なのであれば、是非以下の記事を読んで欲しい。

転職エージェントの選び方の教科書|出会い方、絞り込み方、付き合い方まで

 

上記の3つのどれもが難しかった場合に、はじめて「諦める」という選択肢が出て来るだろう。

 

急募の求人なのかどうか不明な場合

中小企業や外資系企業なのかどうかは分かるだろうが、多くの場合、相手が急いでいるのかどうかは分からないだろう。

その場合にも、やはり1~2次面接で直接、またはエージェントを通じて相手が期待する入社時期を確認するのが良い。

 

ここで、「先ほどの『急募、もしくは中小企業の場合』と同じではないか?」と思われた方も多いのではないだろうか?

 

実は、その通りである。

確認した結果、相手が急いでいることが分かり、それが自分が転職できる時期とずれていたら先ほど述べた「3つの手」のどれかをとってほしい。

 

つまり、外資系求人だろうが、中小企業求人だろうが、急募求人だろうが、それ以外だろうが、やることは全く変わらない。

 

入社時期についての質問は、(一定の確率で)相手が最も気にしている質問の一つなのだ。

相手の期待しない回答をする、つまり地雷を踏んでしまった場合には、即不合格になる重要質問なのである。

 

齋藤
多くの転職志望者はそう思っていませんが、実は「今までで一番の実績は?」「当社を志望した理由は?」よりも重要な質問だとも言えます。

 

まとめ

実は、希望する入社時期に関する質問は、どんな優秀な人でも踏みうる地雷である。

急ぎの求人でないときは「念のための確認」に過ぎない質問だが、急ぎになると「合否に直結する」最重要質問に早変わりする。

 

この対処法を、この記事に記載した。是非参考にしてほしい。

  1. 1~2次面接で直接、またはエージェントを通じて相手が期待する入社時期を確認する
  2. 確認の結果、相手が急いでいることが分かり、それが自分が転職できる時期とずれていたら以下の3つの手段のどれかをとる
    1. 会社側にポジションを埋める期限を聞き、そこを焦点として交渉する
    2. 特殊な契約が出来ないか提案する
    3. エージェントに交渉してもらう
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