しかし、恥ずかしながら今までそういったことを考えてこなかったため、その方法があまりよく分かっていません。
キャリアアップするにはどうしたらよいかを教えてください。
今回のテーマは「キャリアアップするにはどうしたらよいか」である。
結論から申し上げると「キャリアアップするためには、①キャリアプランを作る、②キャリアアップのテクニックを知る、③実際に動き始める、の3つのプロセスが必要である。その具体的な方法について、本文中で網羅的に解説していく」という内容の記事になっている。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
この記事を読むことで、キャリアアップするには具体的にどうしたらよいのかが分かり、目指したい目的(キャリアゴール)に向かって第一歩を踏み出せるようになるだろう。
結論
まず本記事の結論を記載しておく。
キャリアアップするには、以下の3段階のプロセスを経ることが重要である。
- キャリアプランを作る
- キャリアアップのテクニックを知る
- 実際に動き始める
キャリアプランを作る
キャリアアップの第一段階は、キャリアプランを作ることである。
キャリアプランとは、簡単に言えば「何が自分にとってのキャリアアップなのか」ということを見極めることである。
より具体的には、キャリアゴール(キャリア上の目標)と、キャリアの中で何があれば幸せか(キャリアアップの尺度)を決めるということになるだろう。
これらは人それぞれ違うものであり、考えるヒントが今までのキャリアにある場合が多いため、就活で言えば自己分析に近い活動かもしれない。
とはいえ、特にキャリアプランを作らずとも、キャリアアップしてしまうことはある。
そのため、キャリアプランを作ることは必須ではないのではないかと思う人もいるだろう。実際に、プランド・ハップンスタンス(Planned Happenstance)という有名なキャリア理論もある。
- プランドハップンスタンス(Planned Happenstance)とは、1999年にスタンフォード大学の教育学と心理学の教授であるクランボルツ教授によって提唱された考え方
- キャリアというものは偶然の要素によって左右されるものが多く、偶然に対してポジティブなスタンスでいる方がキャリアアップにつながる、という内容
出典:ジョン・D・クランボルツ, スタンフォード大学 名誉教授
しかしながら筆者の考えでは、目標までは決められずとも、自分の軸となるキャリアアップの尺度については考えておいた方が良いと思う。
それがないと、「世間で言うキャリアアップ」をひたすら目指した挙句、楽しくもない激務をひたすらやり続ける中高年になりかねないからである。
考えていただければわかるのだが、偶然に対してポジティブなスタンスでいることは、キャリアの目標や尺度を持っていることと矛盾しない。
目標や尺度はいくつ持っても構わないし、柔軟に変えて行っても良いのである。実際、目標はともかく尺度を一つに絞るのは困難である。
- 年収が上がり、生活が豊かになることが幸せなキャリアの尺度か?
- ポジションが上がり、皆から尊重されることが幸せなキャリアの尺度か?
- 自分のやりたいことが出来ることが幸せなキャリアの尺度か?
- 早く帰れること、通勤時間が短いことが幸せなキャリアの尺度か?
とはいえ、ここまで聞いても、自分ひとりでキャリアの目標や尺度を考えることは難しい、という方もいるだろう。
そういう方は、以下のような行動をとってみるのがおすすめである。
- キャリアや人生に関する本を読む
- 自分年表を作る(自分の人生で夢中になれたことを思い出す)
- 転職エージェントとキャリアについて話す(壁打ちする)
- キャリアコーチングを受けてみる
①や②のような自己分析的活動で答えが出る人はそれでもいいが、(就活を思い出せば分かる通り)それは難しいという人も多い。
その場合には、キャリアのプロフェッショナルのサポートを得ること(③または④)も一つの手段である。
キャリアアップが目的であれば、キャリアコーチングの中でもキャリアアップに特化した「キャリアアップコーチング」がおすすめである。
自分の価値観を明確化・言語化するため、まず無料面談をしてみる価値はあるだろう。
キャリアアップのテクニックを知る
キャリアプランが立てられたら、今度は計画を実現するためのテクニックを学ぶ必要がある。
とはいえ、これについては既に別の記事にまとめてある。
詳しくは上記の記事を参照していただきたいのだが、キャリアアップには「微妙な企業➡特定のキャリア➡一流企業」というステップアップを可能とするテクニックがいくつか存在する。
筆者はこのテクニックを「職歴ロンダリング」と呼んでいる。
ロンダリングと言うと言葉が悪かったかもしれないが、この「特定のキャリア」を挟んでステップアップするテクニックを知っているかどうかで、キャリアアップの難易度は全く異なってくる。
職歴ロンダリングの種類(=特定のキャリア)は以下の5つである。
- 外資系企業で職歴ロンダリング
- ベンチャー企業(のマネージャー)で職歴ロンダリング
- 万年募集中の一流企業(の下っ端ポジション)で職歴ロンダリング
- 花形職種が決まっている企業(コンサルや投資銀行等)の非主流職種でロンダリング
- 一流企業の非総合職・契約社員等でロンダリング
上記の中でも、特に①~③は転職における有効性が高い。
外資系(①)やベンチャー企業(②)を経て、社格を上げ、同時にポジションや年収を上げていくキャリアアップ方法は、王道中の王道である。
また、人材不足で万年募集中の一流企業(③)も狙い目である。
筆者は(4度の転職および採用業務の中で)上記に該当する企業の出身者をある程度知っているが、ここだけの話、社格の割にレベルが極端に低い人が高めの割合で混じっている。
とはいえ、言うまでもありませんが、該当企業の出身者でも非常に優秀な方もいますので念のため補足しておきます。
実際に動き始める
キャリアアップにおいて一番重要で、かつ一番ないがしろにされているのが、行動である。
キャリアプランを作ることや、キャリアアップのテクニックを知ることも大切であるが、それだけでは何一つ変わらない。
キャリアアップしたいと思うきっかけは、ポジティブなものもネガティブなものも含めて様々だと思うが、実際に一歩目を踏み出さない限りどの希望も叶わないし、どの不満も解決しない。
- 年収や肩書、市場価値を上げたい
- やりたい仕事がある
- 人間関係が悪い
- 会社の将来性に不安がある
- 職種の将来性に不安がある
- 社風が合わない
- ブラック企業である、ハラスメントがある
- 幅広い、もしくは深いスキルや経験を積みたい
- ローテーションにより専門性が身に付かない
- 単純作業やムダな業務が多く、つまらない
- ヒエラルキーがあり、若手である自分の意見が受け入れられない
- 働かない人間や無能な人間がおり、腹立たしい
- 飲み会やイベントがくだらない
- 評価や人事制度に不満がある(年功序列等を含む)
- 勤務地や転勤制度に不満がある
- 著しくヒマである
- 著しく忙しい(残業が多い/休日が少ない)
- 介護や子供の教育などの個人的な事情がある
行動とは何か。その意味するところはキャリアプラン次第である。
それが異動希望を出すことである人もいるだろうし、英語を勉強し始めることである人もいるだろう。
高い評価を得て内部昇格していくことである人もいるだろうし、転職活動を始めることである人もいるだろう。
こういった正攻法だけでなく、上司を叩き潰すことで道が開ける人もいるかもしれないし、リモートワークができる会社を探すことで目指す働き方を実現したい人もいるだろう。
キャリアプランは千差万別なのでどれも正解だと思うが、いずれにしても具体的な行動を急ぐことだ。
この記事には、キャリアアップに必要なことを網羅的に書いたつもりである。
しかしながら、この記事を読んだだけでは何も変わらない毎日が待っているだけである。不完全でもいいので動き出すこと、それがどんな変化にも必要である。
まとめ
キャリアアップするには、まずは「キャリアプランを立てる」という第一歩目を踏み出すことが重要だ。
目指すキャリアの実現のため、プロフェッショナルの力を借りて壁打ちさせてもらうのも手である。