人事評価 不満

人事評価に不満がある方へ。媚びずに高評価される7つの方法【人事プロが教える】

悩めるビジネスウーマン
今年度の半期の人事評価をもとに、賞与(ボーナス)が支給されました。
ここで、一つ不満があります。今期は前期より明らかに頑張ったのですが、人事評価(人事考課)が前期と全く同じで、会社から評価されていないようなのです。
私は、営業のように数字で評価される職種ではないので、やはり上司の太鼓持ちが出来るかどうかが全てなのでしょうか?
人事評価は積み重なると昇進(出世)にも響いてくる重要な要素ですので、高く評価される方法について、是非プロのご意見をお伺いしたいと思っています。

 

今回のテーマは、「人事評価への不満の原因と、高く評価されるための方法」である。

それも、相談者の悩みを受けて「お世辞を言ったり、太鼓持ちをすることなく評価される」方法をご紹介したい。

 

初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。

筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。

  • 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
  • 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
  • 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
  • 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験

 

筆者は個人のビジネスパーソンとして最高評価を積み重ねてきており、同時に人事としても「評価調整会議(カリブレーション)」を何度も行った経験があり、人事評価の実際に通暁している。

 

齋藤
評価調整会議(カリブレーション)とは、(会社にもよりますが)本部長や事業部長、部長以上+人事で行われる評価調整会議のことです。
各部署の評価が厳しすぎないか、逆に甘すぎないか、または中心化しすぎていないか等の観点で、評価が正しいものになるよう、一堂に会して調整をかけていく会議のことです。

 

率直に申し上げて、ビジネスパーソンの中で本記事の内容が完全に分かっている人はほとんどいない。

よって、この記事を読んでいただき、きちんと実践していただけるならば、評価(ならびに出世)という観点で同僚を大きく出し抜くことが出来るだろう。

 

【原因】不満は当然。人事評価は好き嫌いである

まず人事評価への不満の原因について触れておこう。

実は人事評価に不満があることはある意味当然で、それは「人事評価は好き嫌いである」からである。

 

齋藤
上司が好き嫌いで評価している場合、「好き」側に分類されなかった人間から不満が出るのは当然ですよね。

 

詳しくは「納得できない!人事評価が好き嫌いで決まるメカニズムとその対処法」に記載したが、好き嫌いで人事評価が決まる理由は、主に以下の5つである。

  1. 上司がファクトベースで実績を把握していないから
  2. まともな上司は、仕事が出来る部下が大好きだから
  3. 「上司に好かれる=円滑に業務が進む」ともいえるから
  4. 数字で項目ごとに配点を決めて評価する形は機能しづらいから
  5. 嫌いな場合に高くなる例外:フィードバックが面倒だから

 

ただし、「人事評価は好き嫌いである」だけで済ませてしまっては問題である。

筆者からのアドバイスが「人事評価は好き嫌いだから、上司に媚びを売れ、気に入られろ」になってしまうからである。

 

齋藤
率直に申し上げますと、上記のアドバイスも有効ではあります。
有効ではありますが、やれない方、やりたくない方も多いと思うので、本記事ではそれ以外の方法を紹介していきます。

 

筆者自身、上司に媚びを売ったことはないが、それでも最速で出世してきたし、筆者以外でもそういうタイプの方を多数目にしてきた。

出世戦略はいくらでもあるのだ。本記事にて網羅的にご紹介するので、安心してほしい。

 

【対策】会社や上司から高く評価される、7つの方法【媚びずに高評価】

ここからが本記事のメインテーマである。

会社や上司から高く評価される方法は、大きく以下の7つである。

  1. マネージャーの仕事や出世そのものに意欲を見せる
  2. 実績を出す前準備として、実績が見えやすい仕事を取りに行く
  3. 評価者にインプットする人間を見抜く
  4. 長時間労働をする
  5. プロジェクトに参加する
  6. 上司と同じ得意領域を伸ばす
  7. 上司の弱みを補う

 

それぞれ解説していく。

 

【1】マネージャーの仕事や出世そのものに意欲を見せる

そもそも会社に評価される人間とは、どういう人間か。

その答えは多岐に渡るが、その一つには会社の柱石になってくれる人間、つまり管理職に昇進していき、会社を動かしていく中核となる人間が挙げられる。

 

実際、筆者が人事として、ダイバーシティの観点から女性の活躍推進プロジェクトを進める際、現場の部長から最も多く聞くセリフが以下である。

○○さんは、とても優秀なんだけど、マネージャーになる気がないんです

 

ここで、優秀な○○さんにマネージャーになる気があれば、どうなるか。

昇進を見越して重要な仕事を任せて育成し、結果として高い評価がつき、その評価をもとに昇格・昇進が行われることになるだろう。

 

このことは女性に限らず、男性でも同じである。

会社の資源は有限であり、人が育つようなポジション(仕事)も、マネージャーが育成対象と出来るスタッフの数も有限なのである。

 

高評価や、それを基にした昇格というものは、希望しない人間にまで平等に配れるようなものではないのだ。

単純すぎると思うかもしれないが、マネージャーの仕事や出世そのものに意欲を見せておくことは、評価されるための一つの確たる方法なのである。

 

【2】実績を出す前準備として、実績が見えやすい仕事を取りに行く

評価されるには実績(成果)を出すこと、と思ってはいないだろうか?

 

仕事の中には、実績の出しやすいものと、出しにくいものがある。

さらに、実績が見えやすいものと、見えにくいものもある。

 

実績をあげ、それが認められるためには、まず実績が見えやすい仕事を取りに行かねばならないのである。

実績が見えやすい仕事は職種や業種、会社によっても違うが、例えば以下のようなものだ。

  • 部署内で重要度が高いとされている業務(例えば営業であれば、大口の担当等)
  • 上手くいった時と失敗した時の成果が全く異なる業務(例えば営業であれば、新規開拓等)
  • リーダーや先輩などを挟まず、部長や課長が直接見ている業務(例えば営業であれば、営業戦略を事業部会議でプレゼンするための資料作成等)
  • 上記をすべて満たす仕事として、プロジェクト業務(これについては後述する)

 

逆に実績が見えにくい仕事とは、上記とは逆の業務だ。

成功も失敗もしにくい仕事(例えば営業であれば、得意先へのルート営業等)や、ルーティーン業務全般が挙げられる。

 

実績が見えやすい仕事を取りに行く方法は色々とあるが、最も王道なものは、上司に対し「○○の仕事をやってみたい」「今の担当業務以外のものに挑戦したい」等と率直に伝えることだろう。

キャリア面談や1on1ミーティングがある会社であれば、そういった機会を積極的に活用しよう。

 

【3】評価者にインプットする人間を見抜く

前項で述べたように、上司が直接見ている仕事を取りに行ければよいが、そう上手くいくとは限らない。

そういった場合、上司(評価者)にあなたの手柄をインプットしてくれる人間を見抜くことが大切だ。

 

上司(評価者)にあなたの手柄をインプットしてくれる人間とは、具体的には以下の条件を満たす人物である。

  • 上司とコミュニケーションをとっている頻度が高い
  • 上司から信頼されている(発言力がある)
  • 上司に対し、自身の手柄だけではなく、他人の手柄も伝えるだけの度量や余裕がある(若者ではない場合が多い)
  • 出来ればあなたを好意的、少なくとも中立的に見ている

 

上記のような人物とは、出来る限り良好な関係を保つようにしたい。

さらに、こういった人間が指揮をとっている仕事、関係している仕事では、出来る限り真摯に成果を出すよう努めることだ。

 

齋藤
「どの仕事でも真摯に成果を出すよう取り組むべき」という方もいるでしょうが、評価という観点では効果的とも現実的とも言えません。
人事として、マネージャーとして、頑張っているのに評価されない方を無数に見てきましたが、その多くが注力する業務を間違っています。
人間、「全ての仕事に120%注力」は出来ないものなのです。

 

上司から認められない成果は、無意味だとは言わない。

ただ、上司から認められない成果は、高評価や昇格につながらないことだけは間違いない。

 

「天知る、地知る、我知る、子知る」という言葉があるが、実際の会社員生活においては「誰も成果を認知していない」「成果を認知している人もいるが、上司には認知されていない」ということは良くある。

最終的に、あなたの実績が上司にインプットされる道筋を確保しよう。

 

【4】長時間労働をする

評価調整会議(カリブレーション)において、部長陣から非常によく聞く言葉の一つに、「今期、○○さんはすごく頑張ってくれた」というものがある。

このセリフは、とある部下の評価を高く付けたことの理由付けとして使われる。

 

多くの会社では「頑張ったかどうか」ではなく「成果を出したかどうか」で評価される成果主義に移行しているが、現実では「頑張り」で評価されることも多い。

そして、「頑張り」の一つの要素として厳然たる地位を占めるのが、相も変わらず「労働時間」なのである。

 

それはいかがなものか、と思うかもしれないが、大手日系はおろか外資系でも全く同じ評価がなされていることを、筆者自身がよく知っている。

上司により程度は異なるが、人間が評価をする限り、「長時間労働をする」は高評価を取る方法として一定の有効性を保持するだろう。

 

【5】プロジェクトに参加する

2番で紹介した「実績を出す前準備として、実績が見えやすい仕事を取りに行く」のうちの一つとも言えるのだが、プロジェクトへの参加は特筆に値する。

 

プロジェクトは部署の重要事項であり、成功と失敗も分かり易い。事業部長や部長などの偉い人からも可視化されている。

プロジェクトは、前述した「実績が見えやすい仕事」の持つ以下の要素をすべて満たすのである。

  • 部署内で重要度が高いとされている業務(例えば営業であれば、大口の担当等)
  • 上手くいった時と失敗した時の成果が全く異なる業務(例えば営業であれば、新規開拓等)
  • リーダーや先輩などを挟まず、部長や課長が直接見ている業務(例えば営業であれば、営業戦略を事業部会議でプレゼンするための資料作成等)

 

プロジェクトに参加したい場合も、基本は上司に興味があることを伝えるのが王道だが、プロジェクトに限っては別の方法もある。

 

プロジェクトでは、(規模にもよるが)プロジェクトリーダーを一般社員のエース級が務めている場合も多い。

その場合、そのプロジェクトリーダーに興味を伝えることで、上司に話をつけてくれ、チームに加えてもらえることもある。

 

齋藤
人手が足りないプロジェクトであれば、経験が少なくとも入れてもらえる可能性が高いです。
そして、得てしてプロジェクトではよく人手不足が発生します。評価の糸口として非常に重要なチャンスと言えるでしょう。

 

【6】上司と同じ得意領域を伸ばす

人はそれぞれ、異なる強みを持っている。

それぞれの人間が持つ強みの組み合わせにより、組織として最高の成果をあげさせるのが本来のマネージャーの役割である。

 

しかしながら、実際の評価の現場では、多くのマネージャーが「自分自身の持つ強み」をモノサシに人を評価しようとする

 

自分の強み領域を重要だと思っていない人間はいない。

例えば、資料作成が得意な課長は資料作成が重要だと思っており、したがって資料作成が得意な部下を評価しがちである。

同じように、関係構築を強みとする部長はそれを重視しており、同じような課長を評価しがちなのである。

 

本来、上司が得意なことは上司にやってもらえばいいので、部下は上司と別の強みを伸ばすべき、というのが合理的な考え方であろう。

しかしながら実際は、上司の得意領域と同じスキルを伸ばし、「○○さん(あなた)は自分の代わりが出来る」と思ってもらうほうが、多くの場合有効である。

 

【7】上司の弱みを補う

混乱させてしまうかもしれないが、一つ前の項目と全く逆の評価のされ方もある。

それが、上司の弱みを補うという方向性である。

 

基本的に、上司は自分と同じ能力・スキルが高い人物を評価しがちである。

これは前項で述べた通りである。

 

しかしながら、上司とは全く異なる能力やスキルセット(強み)であっても、上司がそれを重要だと認識しているのであれば、高く評価される。

例えば、グローバルプロジェクトにおいて、英語があまり得意でないプロジェクトリーダーであれば、英語面で常に助けてくれる帰国子女の部下のことを高く評価するだろう。

 

上司の立場になると分かると思うが、前項のように「自分の代わりが出来る部下」や、本項のように「自分の弱みを補ってくれ、具体的かつ明確に助けになる部下」は双方高く評価せざるを得ないのである。

 

まとめ

本記事により、「黙って真面目に仕事をしていれば、高く評価される」わけではないということが分かっていただけたのではないだろうか。

評価されるには一定のコツがいるのである。

 

本記事に記載したことをやっても評価されない場合、容易に剥がせない悪いレッテルがあなたに貼られている等、いったん環境をリセットすべき状況にあるのかもしれない。

もしそういった状況にあるのであれば、転職も選択肢となってくるだろう。

 

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