富士ゼロックス 辞めたい

富士フイルムビジネスイノベーション(富士ゼロックス)を辞めたい方の教科書

悩めるビジネスパーソン

富士ゼロックスに入社し、(名称変更した)富士フイルムビジネスイノベーションで働いている者です。
2019年11月に富士フイルムの傘下となって以降、かつての自由闊達な組織風土は失われ、年々窮屈になってきていることから、退職を考えています。
とはいえ、今でも富士フイルムビジネスイノベーションが大企業であるのは間違いなく、実際に待遇も良いですし、周りも良い人が多いです。
富士フイルムビジネスイノベーションを辞めたい人に対して、人事のプロとして何かアドバイスはありますか?

 

筆者は総合電機メーカーで人事をしていたことがあり、総合電機メーカーやその子会社を辞めたい方向けに様々な記事を書いている。

 

齋藤
実際に、まだ富士フイルムビジネスイノベーションが「富士ゼロックス」であった時代に、とある研修にて富士ゼロックス人事の方と懇意にさせていただきました。

 

本記事では2021年3月までの富士ゼロックス株式会社、2021年4月以降の富士フイルムビジネスイノベーション株式会社について扱う。

富士フイルムビジネスイノベーション(富士ゼロックス)を辞めたい方の教科書」と題して、元・富士ゼロックス社員の退職理由辞めた後の後悔市場価値までを記載していく。

 

初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。

筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。

  • 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
  • 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
  • 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
  • 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験

 

この記事を読むことで、富士フイルムビジネスイノベーション(旧・富士ゼロックス)を本当に辞めても良いのかどうかの決断が容易になり、退職後のキャリアが明確化することを約束する。

 

齋藤
一般的に言われる社風として、富士ゼロックスは外資との合弁であった事情もあり「自由闊達」、富士フイルムは富士ゼロックスよりは「トップダウン」ということを前提に書いています。
筆者は個別企業の「辞めたい方のための教科書」を多く執筆しているため、他の離職率が高い企業と比較しての特徴等も含めてご紹介します。

 

富士フイルムビジネスイノベーションは中高年はリストラされ、若手は社風の変化で辞めていく会社

まず、富士フイルムビジネスイノベーション(富士ゼロックス)を辞めたい人は多いのかどうかについて記載する。

結論から言えば、中高年がリストラで辞めると同時に、富士ゼロックス時代からの社風の変化により若手も辞めているという状況であり、辞めたい人は多いと言えるだろう。

 

まずはOpenWork(旧・Vorkers)の口コミから分かる組織風土を見てみよう。

  • 富士フイルム傘下となり、自由闊達な雰囲気、従業員を大切にする気風がなくなりつつある
  • 富士フイルム傘下となり、昭和に逆戻りした
  • 富士フイルム傘下となり、性善説から性悪説にシフトし、戦々恐々とする人が増えてきた)
  • コーポレート系の重要ポストを中心に、富士フイルム出身者で占められるようになってきた
  • 2018年の大規模リストラをきっかけに、中高年のみならず30代以下の離職者も多くなった
  • 事業自体が斜陽産業になりつつある
  • 複合機の強固なビジネスモデルから脱却できていない

 

見てわかる通り、富士ゼロックス時代にはあった自由闊達な組織風土が、2019年に富士フイルムの完全子会社(傘下)となって失われた、というコメントが非常に多かった。

 

また、リストラや事業の将来性に関するコメントも多く、近年、急激に従業員のエンゲージメント(士気)を失った会社であるという印象である。

カリスマ経営者と言われた故・小林陽太郎社長の時代を懐かしむ声も複数見られた。

 

齋藤
組織風土として、「自由闊達」「いい人、紳士的な人が多い」「男女差別が少ない」等のポジティブなコメントも見られました。
とはいえ、前述の通り、2019年11月に比較的「トップダウン型」である富士フイルム傘下の完全子会社になったことにより、その良さが失われているという趣旨のコメントばかりでした。

 

次に、OpenWork(旧Vorkers)やリクナビ等のデータから分かることを見てみよう。

  • OpenWorkによると、平均残業時間が20.2h、有給消化率が55.3%と、コンピュータ・通信機器の業界全体よりもややホワイトな環境
  • OpenWorkの組織風土スコアによると、コンピュータ・通信機器の業界平均と比べ、「待遇面の満足度」「法令順守意識」のみが上回る
  • リクナビ2023のデータでは、平均年齢は42.8歳、平均勤続年数は18.0年である。中高年が多い、典型的な「リストラが必要な年齢構成の大企業」であると思われる
  • 実際に、Google検索における「富士ゼロックス 辞めたい」の検索数は多い(月あたりで数百回検索されている)

 

富士フイルム傘下となって以降の退職者により、富士フイルムビジネスイノベーションのOpenWorkのスコアは下がってきている。

その結果、「社員の士気:2.5」「20代成長環境:2.6」「人材の長期育成:2.6」「人事評価の適正感:2.8」と軒並み5段階評価の真ん中(3.0)を下回る会社となってしまった。

 

待遇だけは良く(スコア3.5)、労働時間も短めであること(平均残業20.2時間)を踏まえると、典型的な大企業病になりつつある会社といえるだろう。

 

以上より、富士フイルムビジネスイノベーションは、しがみつきたい中高年はリストラされ、大企業病を嫌う若手は自発的に辞めていく、という状態にあると思われる。

 

齋藤
待遇や労働時間はホワイトではあるものの、活気や変革、成長の場や抜擢がない「大企業病に罹患したホワイト企業」では、デキない中高年がしがみつく一方、優秀な若手やその周辺がどんどん辞めます。

 

OpenWork(元・Vorkers)から見る富士フイルムビジネスイノベーションの退職理由

各企業の退職者による口コミ情報サイトであるOpenWork(元・Vorkers)には、現時点で826件の富士フイルムビジネスイノベーションの退職理由が記載されていた。

ここからサンプル抽出して分析してみると、多い順に以下の退職理由となった。

 

  1. 事業の将来性がない/斜陽産業である(複合機・プリンター事業)
  2. 富士フイルム傘下となってからの社風の変化
  3. リストラ(早期退職)
  4. その他(キャリアアップ、定年再雇用の悪条件、等)

 

ほぼ全員の退職者が、退職理由として①と②を挙げていた。

特に②の社風の変化については、以下のようにバラエティーに富んだコメントが見られた。

  • 経営の考えが古くなった(例として、リモートワーク原則不可や朝9時出社等)
  • 経営陣が、社員をコストと捉えるようになった
  • 自由闊達な組織風土がなくなった
  • 風通しの良さがなくなった
  • 人材育成をしなくなった

 

結論として、富士フイルムビジネスイノベーションからは、「事業の将来性」と「社風の変化」の2つの理由により退職者が相次いでいると言えそうである。

 

富士フイルムビジネスイノベーションを辞めたら後悔するか

富士フイルムビジネスイノベーションを辞めたいという方の中には「辞めたら後悔するのか?」が気になる方もいるだろう。

結論を誠実に言えば、「後悔する可能性は一定程度ある」になるだろう。

 

後悔する可能性があるという根拠は以下の2つである。

  1. 人がどんどん辞めていく会社にありがちな7つの社風」に強く当てはまるものはなく、いわゆるホワイトな企業である
  2. 会社が大企業病にかかっているとき、社員も程度の差はあれ同じ病気にかかっており、そこから脱するには痛みを伴う

 

まず①について、社風が変化し、大企業病が深刻化しつつあるとはいえ、富士フイルムビジネスイノベーションは相対的にはホワイトな大手企業である。

処遇も高めであり、労働時間も短めである。ホワイト企業を辞めたい人は多いが、辞めて後悔している人もまた多いのである。

>>ホワイト企業を辞めたい方の教科書

 

次に②について、大企業病の会社に在籍した年数によっては、自分もその環境に適応しすぎている可能性がある。

言葉を選ばず直截に言うと、自分自身も(周りにいる酷い人ほどではないが)あまり使えない人材になっている可能性がある。

 

さて、ここまで「後悔する可能性」について述べてきたが、後悔しない方向に傾く要素もある。

それは、以下の3つである。

  1. 富士フイルム傘下となって以降の組織風土の劣化速度が著しく早い
  2. 同業の大手他社にさらなるホワイト企業が多い
  3. 事業の将来性(プリンター・複合機事業一本足打法からの脱却)が不透明

 

簡単に言えば、①富士ゼロックス時代と比較し環境が悪化してきており、②転職先候補に良い企業が多く、③事業の将来性もないため、転職して後悔する可能性が低めになるということである。

 

まとめると、富士フイルムビジネスイノベーションは基本的にはホワイトな大企業ではあるので、転職して後悔する要素はある。

ただし、「転職した方がいい」と考えられる要素も多々出てきているため、双方考えた結論としては「後悔する可能性は一定程度ある」というマイルドな結論となる。

 

元・富士フイルムビジネスイノベーション社員の市場価値

さて、次は元・富士フイルムビジネスイノベーション社員の市場価値についてである。

 

実は市場価値というものは、現在の在籍会社だけで判定するのは難しい。

【ミイダス診断は嘘】転職の市場価値はエージェントの求人で判断すべき理由」にも記載したが、本当の市場価値は、転職エージェントに登録し、エージェントが持ってくる求人で判断するしかない。

 

とはいえ、目安としての市場価値を、平均年収等から考えておこう。

 

まず、富士フイルムビジネスイノベーションの平均年収はOpenworkで769万円である。

一般的な大企業の平均年収が705万円程度であることを考えると、「大手企業の平均的レンジ」といえる。

 

そして、実際に書類選考や面接選考をしている身からすると、富士フイルムビジネスイノベーションは「最大手企業」の社格である。

会社だけで言えば、同じ最大手企業から外資系、ベンチャー、コンサルまで、どこにでも入り得る社格である。

 

とはいえ、今後は分からない。

富士フイルムの傘下となったことからすると、重要ポジションが親会社からの出向者で埋まる「最大手の子会社」ポジションとなり、今後は社格が低くみなされるようになっていく可能性も否定できない。

 

齋藤
「富士ゼロックス」というブランドが良く知られた現在であれば、「富士フイルムの子会社」扱いではなく、最大手の扱いで転職できるでしょう。
もしかしたら、急ぐ必要があるかもしれません。

 

富士フイルムビジネスイノベーション社員の方が選ぶべき転職エージェント・転職サイト

富士フイルムビジネスイノベーション社員に限ったことではないが、希望する進路によって、選ぶべき転職エージェントや転職サイトは異なる。

 

齋藤
転職志望先の企業によって、使うべき転職エージェント(や転職サイト)が決まる」ということです。
例えば、「富士フイルムビジネスイノベーション社員だからこのエージェント」ではなく、「同じ最大手企業に入りたい人なら、大手企業を得意とするこのエージェント」のように決まります。

 

転職エージェント選びを軽視している人も多いが、彼ら・彼女らは転職が成功するか失敗するかを決める重要なパートナーである。

 

齋藤
良い転職エージェントと出会えるかどうかで、年収だけでなくキャリアまでもが大きく変わります。
それはつまり、人生が変わるということです。

 

良い転職エージェントの条件や出会い方については、「転職エージェントの選び方の教科書|出会い方、絞り込み方、付き合い方まで」に全て書いたので参考にしていただければと思う。

大きくは以下の4つに分かれるであろう転職希望先別に解説しているので、参考になるだろう。

  1. 大企業への転職を希望
  2. 中小企業への転職を希望
  3. ベンチャー企業への転職を希望
  4. 外資系企業への転職を希望

 

まとめ

富士フイルムビジネスイノベーションを辞めたいという方は多い。

 

一つ懸念されるのが、富士フイルムの子会社となったことで「最大手」ではなく「最大手の子会社」ポジションとなってしまうことである。

一般に、子会社は親会社と比べ、以下の特徴がある。

  1. 給与が低い(親会社の8掛けなど)
  2. 求められる経歴や学歴も低い
  3. 子会社のプロパーは重要ポジションになりにくい(親会社出身者が出向してくるため)

 

富士フイルムビジネスイノベーションにおいて、上記の③はすでに始まっているようである。

そう考えると、富士フイルムビジネスイノベーション社員が最大手の社格(富士ゼロックス時代の社格)で転職できるのは、そう長く続かないことかもしれない。

 

よって、人事のプロとしては、辞めたいと考えている方はすぐに転職サイト・エージェントへの登録を始めるべきではないかと思う。

あなたの望む最高の求人は、あなたが転職活動を始めてすぐに入ってくるものではない。

 

そこで、「転職サイトに登録し、あとは放置して良い求人や良いエージェントがストックされるのを待つ」ことが効果を発揮する。

未来の自分のために、「今」行動してはいかがだろうか。

 

転職サイトや転職エージェントは無数にあるが、それらを紹介するランキングやおすすめサイトの信憑性は低く、どのサイトに登録すべきか悩む方は多い。

迷ったら、年代でも性別でもなく、シンプルに年収で決めるのがおすすめである。

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