人事異動 決め方

人事異動の決め方や選ばれる人の6つのタイプについて人事プロが解説

悩めるビジネスパーソン

人事異動の決め方を教えてください。
同僚が次々と異動していく中、私はなかなか異動対象にならず、優秀と思われているのか、逆にお荷物社員だと思われているのか、気になっています。
人事異動はいつ決まるのか、どう決まるのか等、人事異動の裏側についていろいろと教えてください。

 

今回のテーマは「人事異動の決め方(決まり方・裏側)」である。

結論から申し上げると「人事異動は会社ごとに大きく決め方が異なる一方、選ばれやすい人・異動しない人はある程度共通している。本記事では、人事異動の決め方と異動しやすい人・しにくい人の両方を解説していく」という内容の記事になっている。

 

初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事のプロフェッショナルが執筆している。

筆者の専門性や実務経験に基づき、本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。

  • 自身の4回の転職経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、コンサルティングファームまで経験)
  • トップティアの外資系戦略コンサルティングファームを含む、数々の難関企業の選考に自身が合格してきた経験
  • 人事マネージャーとして多数の候補者の面接を行った、面接官としての経験
  • 人事マネージャーとして転職エージェント・転職サイトと契約し、ダイレクトスカウトを含め採用を指揮・実施した経験
  • 転職により、30代前半で東証一部上場企業の人事執行役員/年収1800万に至った経験

 

この記事を読むことで、人事異動の裏側(決め方等)について熟知することができ、必要に応じて自身に対する人事異動を促進または回避しやすくなるだろう。

 

齋藤
本記事は、人事異動の決まり方等について知りたい一般的なビジネスパーソンはもちろん、人事になりたての人事パーソンの参考にもなるでしょう。
人事の、人事異動に対する基本的な知識が手に入ります。

 

結論

本記事の結論は以下のようになっている。

  • 人事異動の決め方は会社によって異なり、分類方法にもよるが、定期異動と個別異動、中央集権型と現場主導型に分かれる
  • 現在の人事の主流は「定期異動と個別異動のハイブリッド、現場主導型」である
  • 異動対象に選ばれる人には6つのタイプがあり、そのすべてを本文中で解説している

 

【前提】人事異動とは?タイプや計画方法、実施時期を解説

まず前提として、人事異動のやり方・ルールは、会社によってかなり異なっている。

人事異動のタイプ、計画方法、実施時期の3つの軸(分類方法)で解説していこう。

 

人事異動のタイプ

人事異動のタイプは、定期異動(ローテーション)と、個別異動に分かれる。

 

定期異動(ローテーション)をとる会社としては、商社や銀行が典型的である。

例えば商社では、「経理→人事→広報」などと3年ごとに異動し、銀行では「A支店→B支店→本社」などと数年ごとに転勤があることが多い。

 

個別異動は、後述する「人事異動の対象に選ばれるタイプ」の社員を、個別の事情に従って異動させていくやり方である。

本人の意思等も尊重するため、定期異動に比べて柔軟な移動となる。

 

現在の人事での主流は、定期異動と個別異動のハイブリッドである。

育成や人材流動性の担保、マンネリの防止等のために定期異動の考え方も持ちながらも、本人の希望等に合わせて柔軟に配置していくスタイルである。

 

人事異動の計画方法

定期異動であれ、個別異動であれ、人事異動は要員計画・人員計画を基にして決まる。

 

細かく説明すると長いためざっくり言うと、要員計画や人員計画は、事業計画を基にして決まる採用および異動の計画である。

事業計画を達成するため、各部署にどの程度の人材が必要か、そのために採用・退職・異動等がどの程度必要か、具体的には誰を動かしていくか、等を決めたものが要員計画および人員計画である。

 

齋藤
欧米ではワークフォースプランニングと呼ばれ、人事の重要業務としてきちんとなされることも多いですが、日本での実情は違います。
大まかな増員数や減員数、または採用数だけ決めている会社が多いです。

 

後述する2つの決め方(中央集権型と現場主導型)にもよるが、日本では人事が要員計画・人員計画に関わることは意外に少ない。

事業部が直接決めていたり、経営企画や事業管理の部署が(人事の情報を取り入れながら)決めていることも多い。

 

齋藤
小さい会社では異動に関してノープランで、後述する「異動対象に選ばれる人の決め方」だけで異動させている場合も多いです。

 

人事異動の実施時期

人事異動の実施時期は、人事異動のタイプ(定期異動と個別異動)によって異なる。

 

定期異動を中心とした会社では、4月と10月の2回に異動を集中させているケースが多い。

そういった会社では、事業計画により組織変更を予定し、組織変更を行うタイミング(=4月、10月)に合わせて人も動かす、というのが良くあるやり方である。

 

逆に、個別異動を中心とした会社では、異動時期は随時である。

異動のニーズが発生した際に、4月や10月といった節目にとらわれず、柔軟に人事異動を行う。

 

前述したとおり、多いのは定期異動+個別異動のハイブリッド型の会社である。

よって、多くの会社では「年に1~2回大きな異動時期があり、随時起きた人事異動も許容」という形でやっている

 

【決め方】人事異動の決まり方は中央集権型と現場主導型の2つ

人事異動の決め方は大きく分けて2つ。中央集権型と、現場主導型である。

 

このどちらの決め方をするかは会社によって異なるが、定期異動が多い会社では中央集権型、個別異動が多い会社では現場主導型であることが多い。

本項では、中央集権型と現場主導型のそれぞれについて解説していく。

 

中央集権型で決まる人事異動の特徴

人事異動の決め方が中央集権型の組織には、古い組織が多い。

最も分かりやすいのは、銀行や証券などの金融系である。伝統的に文系が多めで、専門人材よりもジェネラリストの育成に注力する組織がこの決め方を採る。

 

齋藤
異動の決め方が中央集権型の組織では、人事がエリートであることが多いです。
実質的に人事が人事権を握るので、そうなります。

 

最近では中央集権型の組織は少なく、官公庁や銀行、商社などの古い組織でのみ、この決め方が採用されている。

実際、筆者の部下として三菱商事から採用した方は、「三菱商事の給与は高いが、ジェネラリストは今後のマーケットで通用しなくなる」という危機感から転職してきていた。

 

また、人事異動の希望が出せない場合があるのも、この決め方の特徴である。

人事異動の決まる時期はかなり早めであり、「事業計画→要員計画・人員計画→個別異動者の決定」というプロセスが大規模なルーティーンとして存在する。

 

現場主導型で決まる人事異動の特徴

要員計画・人員計画に従いつつも、現場が人事異動を(たまに修正しながら)動かしていくのが現場主導型である。

人事異動の決め方が現場主導型の組織は、非常に多い。

 

齋藤
ほとんどの企業がこの形です。

 

ある程度の範囲の中で育成ローテーションがある場合も多いが、組織長の育成方針や本人の意思によっては、ずっと同じ部署で専門性を磨くパターンもある。

 

異動にあたっては個々人の自主性が尊重される傾向が強く、社内異動制度が導入されていることも多い。

異動に及ぶ人事の権限は特になく、人事はサポートや手続きに徹することになる。

 

現場主導型では、異動が決まる時期も割と自由である。

異動の多くは4月や10月の組織変更に向けて行われることが多いが、それ以外の時期に行われるケースもある程度存在する。

 

齋藤
異動の発端となる出来事が起こってから、1~2か月ほどでまとまるケースもあります。

 

【裏側】「異動対象に選ばれる人」の決め方6つを人事が解説。誰が異動対象になるのか?

前項までは俯瞰的な人事異動の決め方について解説した。

本項では、個別具体的な人事異動の対象者の決め方・選び方について解説していく。

 

齋藤
「具体的には誰を異動させるか?」ということです。

 

異動対象になりやすいのは、以下の属性に当てはまる者である。

複数当てはまる場合もあるため、当てはまれば当てはまるほど移動しやすく、逆に一つも当てはまらない場合は「なかなか異動しない人」になりやすいと考えてほしい。

  1. 異動を希望する者
  2. 長期滞留者
  3. エースとお荷物社員
  4. 若手社員
  5. 上司と折り合いが悪い者
  6. トラブルを起こした者

 

それぞれ簡単に解説していく。

 

【1】異動を希望する者

まず、主流となっている定期異動と個別異動のハイブリッド型では、個人の異動希望をある程度受け入れることが多い。

よって、異動を希望する者は異動対象に選ばれる可能性が高い。

 

人手不足による倒産すら増えている今、転職されるよりは異動を認めて不満を減らそう、エンゲージメントを高めようという会社は多い。

社員からしても、異動は転職より低リスクで、転職と同じようなメリットを得られることがある。

>>【転職はハイリスク】人事プロが教える、転職より前に検討すべき3つの選択肢

 

【2】長期滞留者

異動の目的の一つに、マンネリ防止や、鈍化した成長曲線のリセットが挙げられる。

そういった意味で、マンネリになりやすく成長も鈍化しやすい長期滞留者(同じ部署にずっといる人)は異動対象に選ばれやすい。

 

【3】エースとお荷物社員

エースは育成のために異動対象に選ばれることが多い。

異動先としては、海外赴任等の分かりやすいエリートコースもあれば、逆に、将来的に上に行くために現場を知るという意味で地方・工場に飛ばされることもある。

 

逆に、いわゆるお荷物社員も異動対象に選ばれやすい。

 

お荷物社員は、後述する「上司と折り合いが悪い者」になりやすいのが一つ目の理由。

もう一つの理由は、「使えない人間でもなんとかやっていける部署(※会社によって異なる)」に飛ばされやすいからである。

 

【4】若手社員

若手社員は、育成のための定期異動(ローテーション)の対象に選ばれやすい。

会社によっては、入社10年で(ほぼ3年ずつ)3部署を経験させる、など人事制度化しているところもある。

 

【5】上司と折り合いが悪い者

現場主導型の人事異動では、上司が実質的な異動の権限を持つ。

よって、上司と折り合いが悪い者は、遅かれ早かれ、別の部署へと排出される傾向にある。

 

【6】トラブルを起こした者

トラブルを起こした者も、異動の対象になり易い。

人間関係のトラブル(上司や同僚との衝突から社内不倫まで何でも)が多いが、何らかの懲戒事案が発生した場合も、異動を伴う場合がある。

 

齋藤
特に、被害者と加害者(例:パワハラを受けた部下とパワハラ上司)がいるような事案では、両者を引き離すために異動を行うケースが多いです。

 

まとめ

会社員ならば、会社員の特権とも言える人事異動を最大限に活用しよう。

転職よりも低リスクで、転職と同じくらいのメリットを得ることが出来る。気まずい部分もあるが、やる価値はある。

>>異動希望は気まずい。それでも異動希望を出すべき理由を人事プロが解説

 

既に予定されている、または既に行われた人事異動で後悔しているなら、以下の記事が参考になる。

>>希望した社内異動で後悔!パターン別の対処法を人事部長が解説

 

転職を決断するのは、人事異動が失敗した後でも遅くはないのである。

 

最後に、転職の成功を左右する転職サイトや転職エージェントについても触れておく。

 

転職サイトや転職エージェントは無数にあるが、それらを紹介するランキングやおすすめサイトの信憑性は低く、どのサイトに登録すべきか悩む方は多い。

自身が4度の転職を経て30代前半で年収1,800万を達成した経験も踏まえ、人事と転職のプロとしての結論を記載しておきたい。以下の3つの併用が最適解である。

 

理由は、それぞれ「求人掲載型」「企業からのアプローチ型」「非公開求人に特化したエージェント型」の最大手であり、相互に補完し合って最も効率的に多くの求人をカバーできる組み合わせとなっているためである。

 

なお、もし一つだけ選ぶのであれば、筆者自身が何度もお世話になっており、転職エージェントとしての売上高で日本一を誇るJACリクルートメントを推しておく。

ハイクラス専門と謳っているが、実際には第二新卒~ミドルクラスも含めて日本最大級の非公開求人を保持しているからだ。

 

ただしJACリクルートメントはベンチャー求人には弱いので、ベンチャー企業にも興味がある場合はビズリーチも混ぜておくと転職活動が安定する。

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