コロナ 転職

【警告】コロナショックを機に転職したい!転職すべき人、すべきでない人とは?

悩めるビジネスパーソン
中国武漢で発生した新型コロナウイルスによる、いわゆる「コロナショック」を機に転職を考えております。
私は東京在住なのですが、安倍総理(当時)による緊急事態宣言及び小池都知事による外出自粛以降、弊社も全員テレワークとなっています。
そういった状況ですので直接話したわけではないのですが、周りの同僚も転職を考え始めている人が多いように見えます。
コロナショックでの転職について、お考えをお聞かせ願えますか?

 

今回のテーマは「新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受けた状況、いわゆる”コロナ禍”での転職」である。

 

コロナショック時に転職をお考えの方に伝えたいこととして、「転職に関心を持つ人が増える理由」「転職市場はどうなっているか」「転職すべき人、転職すべきではない人」の3点をお話していく。

 

筆者は大手日系企業(売上10兆円規模のコングロマリット)の育成・採用部署において人事シニアマネージャーをしていた。

連日のように自社への転職希望者のWeb面接を行っていたこと、なおかつ、自分自身がコロナ禍で転職活動を行い、様々なWeb面接を受け転職したことから、この話題には通暁している。

 

今回は、コロナショックに関連する以下の3点について記載していきたい。

 

  1. コロナショックで転職への関心が高まる理由
  2. コロナショックで転職市場動向はどうなっているか
  3. コロナショックで転職すべき人、転職すべきではない人

 

 

齋藤
コロナ禍での転職について「警告」と仰々しく書きましたが、「よく考えるべき」という意味であって、「転職はやめた方がいい」ということではありません。
既に述べた通り、私自身はコロナ禍の状況で転職しました。

 

コロナショックで転職への関心が高まる理由

まず、コロナショックで転職への関心が高まる理由から記載していこう。

理由は大きく3つ(+1つ)あるので、それぞれご説明していく。

 

  • 「やむを得ない」転職の需要が増加するため
  • 価値観が変化するため
  • 求人数の減少が見込まれ、転職の駆け込み需要が増えるため
  • コロナ限定:接客業(宿泊・飲食サービス業)からの人材流出が起こるため

 

「やむを得ない」転職の需要が増加するため

まずは、コロナショックに限らず経済的に危機的な状況が起こると、当然ながら失業者が増える。

失業者は職を求めるので、当然ながら失業者による「やむを得ない」転職需要(厳密には、就職需要)が増加する。

 

コロナ禍初期(2020/4頃)の失業に関するニュースをまとめておこう。

「失業増100万人超も 民間予想 リーマン上回る規模」(2020/4/29付 日本経済新聞)
「米新規失業保険申請件数:384万件、6週間で合計3000万件余り」(2020/4/30付 ブルームバーグ)
「ドイツの失業者数は264万4,000人、前月から30万8,000人増加」(2020/4/30付 ロイター)

出典: 日本経済新聞、ブルームバーグ、ロイター

 

雇用法制(=クビにしやすさ)は国によって異なるので、日本やドイツ(欧州)はまだマシな方である。

レイオフでの雇用調整が柔軟にできるアメリカでは、コロナショックにより(2020年4月までの累計だけで)3000万人が失業した。

 

マシな方であるとはいえ、日本でも甚大な影響が出た。

5月の完全失業率(季節調整値)は2.9%と前月比0.3ポイント悪化し、完全失業者数は197万人と同19万人増えた。
総務省によると、4月に600万人近くまで膨らんだ休業者の約7%が5月に職を失った。

出典:日本経済新聞

 

これらの失業者や、「失業はしていないものの、そうなりそうだと見込んで活動を始める人」が出るので、転職への関心は高まる。

 

経済危機により価値観が変化するため

これもコロナ危機に限らないが、経済危機はしばしば価値観の変容をもたらす。

アクサ生命保険が行った調査によれば、東日本大震災を機に、以下のような価値観の変化がもたらされたとのことである。

 

  • 出世や評価、年収への関心の低下
  • 家族との時間への関心の上昇
  • 他人や社会貢献への関心の上昇
  • 自己実現への関心の上昇

 

要は「富や名誉ではない、本当に大事なものは何か」と考え直す人が多いことが示唆されている。

これにより、「今の仕事は違うのではないか → 転職しよう」となる方が増加する。

 

東日本大震災による危機は、経済危機と同時に(経済的な理由による自殺以外で)亡くなる方が出るという意味で、コロナショックと似ている。

今回も同様に、価値観の変容による転職は増加すると考えられる。

 

求人数の減少が見込まれ、転職の駆け込み需要が増えるため

この点については分かり易いので、簡潔に説明する。

「コロナで求人が減る。今すぐ転職しないと、今後転職できなくなる」という予測から、転職活動を開始する人が増加する。

 

これは転職の「駆け込み需要」ともいえ、元々漠然と転職を考えていた人に多い現象である。

実際に新型コロナウイルス蔓延後の求人数がどうなっているのかについては、次の「コロナショックで転職市場動向はどうなっているか」の項で扱いたい。

 

コロナ限定:接客業(宿泊・飲食サービス業)からの人材流出が起こるため

最後に、これは他の経済危機には見られなかった現象だが、新型コロナウイルスにより、接客業(特に、宿泊・飲食サービス業)が抱えるリスクが顕在化した。

 

当然だが、これを機に接客業を辞めたいというニーズを持った方が増加している。

接客業を展開する企業側も、コロナを機により少ない人員で回すためのプロセス構築・IT化を進めると思われる。

 

少し古いデータだが、総務省によると、宿泊・飲食サービス業の従事者数はおよそ393万人(2017年11月)と言われている。

ここからどれくらい減るのかは分からないが、転職市場に一定のインパクトをもたらしうる数の接客業従事者が転職に目を向けるものと考えられる。

 

コロナショックで転職市場動向はどうなっているか

ここまで、コロナショックで転職しようと思う方が増える理由についてご説明してきた。

ここからはより実践的な話、まずは「コロナ禍初期の転職市場動向」についてお話する。

 

当サイトの読者層を考慮し、日本全体に加えて「大企業」及び「ベンチャー企業」への転職市場動向について記載していく。

 

日本全体における求人数

少し古い話(コロナ禍初期)ではあるが、日本全体の求人について、象徴的な例がツイートされていた。

 

転職業界大手エン・ジャパンに掲載された求人数が、なんと43.3%もの減少を見せていたのである。

2020/3/5付 5,923件
2020/4/27付 3,356件

 

これはあくまで一つの例に過ぎないが、実体経済が鈍化していることを考えると、今後、状況が急速に改善することはない。

さらに、まだ余裕があり求人を出したままにしている大企業も、決算や株主総会のシーズンを経て求人数を一気に削減してくる流れになると考えられる。(2021年2月追記:実際そうなった)

 

総合的に判断すると、日本全体の求人数は「半減」していると言えるだろう。

 

大企業における求人数

コロナショック前は「人が足りない状況」、つまり求人数がかなり多い状況が続いていた。

 

それがコロナショックでどうなったか。

筆者の知る限り、コロナショック前の「2月上旬」とコロナショック後の「4月下旬」を比べると大企業の求人は20%減になった。

 

齋藤
実際には、大企業といっても様々な業種や規模の会社があり、状況は様々です。
本記事においては、私自身が採用部署のマネージャーであったことに加え、転職エージェントからの情報等も含めて判断の上、記載しています。

 

日本全体が半減なのに、なぜ大企業は2割減なのだろうか?

 

これには、大きく2つ理由があると思っている。

一つは、「大企業というのは中小企業と比べて動きが遅い」ということ、もう一つが「大企業は体力がある」ことである。

 

コロナ禍においても、現場のマネージャーレベルでは「以前から出していた求人を継続的に出し続けている」例が多い。

(一方で、コロナショックの影響が出ている数字をいち早く入手していた経営陣は、強い危機感を持っていた)

 

まとめると、「経営数値→経営陣→シニアマネジメント→現場」という順でコロナの甚大の影響が把握され、今後は大企業でも求人数が減ってくるものと思う。(2021年2月追記:実際そうなった)

 

一方、大企業は生き残りに必死なわけではないため「コロナ後」も見据えており、重要な領域の採用は継続する。

つまり、日本全体のように「半減」までは行かないのではないかと推察する。

 

ベンチャー企業における求人数

2021年2月現在、ちょうどベンチャーの役員求人についていくつか話をもらっており、ベンチャー専門のエージェントともよく話している。

よって、ベンチャーの求人状況についてはある程度把握している。

 

まず、2020年5月時点(コロナ禍初期)で採用を絞っていた多くのベンチャーは、やや採用のアクセルを踏みつつある。(2021/2時点では、求人が戻ってきている)

そもそもベンチャーは「IT活用が前提」の業種なので、大企業よりもコロナ禍を「チャンス」と見る向きが多い。

 

ベンチャーは大企業と違い体力がない、つまり規模で言えば「中小企業」なので、本来は景気に敏感に反応するのだが、コロナ禍は少し事情が異なる。

「人が足りず、年中無休で採用をやっているのがベンチャー」とも言えるので、需要もあり続ける。

 

まとめると、多くのベンチャーの求人数は、「コロナ禍初期の2020/4頃には激減していたが、2021/2時点では盛り返している」と言える。

 

齋藤
ITベンチャーの中には「コロナが追い風」になる領域(例として通信サービス系。特にライブ配信アプリ等)も多く、そういった企業はコロナ禍初期にも採用をむしろ加速させていました。

 

コロナショックで転職すべき人、転職すべきではない人

ここまで、コロナショックで転職への関心が高まる理由と、転職市場動向についてご説明してきた。

 

これを踏まえ、最後に「コロナ禍で転職すべきかどうか」について解説していきたい。

当然ながら「人や状況によって違う」ということになるので、どんな方は転職すべきで、どんな人は転職を控えるべきかについて記載していく。

 

コロナ禍であっても転職をすべき方

まずは、コロナ禍の2021/2現在でも(筆者としては)転職をすべきと考える方について記載する。

 

  1. 失業者
  2. 追い風を受ける業界の志望者
  3. 転職を以前から強く考えていた方
  4. 構造改革の対象になりそうな方

 

上記のそれぞれについて、理由を簡単に解説していく。

 

失業者

失業された方は、是非早いうちに就職活動を行うべきだと考える。

リーマンショックや東日本大震災の例を引くまでもなく、今後は求人状況の悪化が年単位で継続する公算が大きい。(2021/2追記:やはりそうなった)

 

追い風を受ける業界の志望者

当然ながら、通信サービス関連(特にテレワーク関連)や巣ごもり需要関連など、追い風を受ける業界には引き続き転職可能である。

 

齋藤
一番分かり易いのは米国Amazon社でしょう。
Amazonの株価は、コロナの巣ごもり需要を受け2020/4/14にコロナ禍の中で史上最高値を更新しました。

 

その際には、「テレワーク需要のみへの集中型ではない」ということをポイントに企業を選ぶと良い。

テレワーク後には世界が変わる(外出や通勤自体が恒常的に減少する)という可能性もあれば、そうならずに「巣ごもり需要」がなくなってしまう可能性もあるからである。

 

転職を以前から強く考えていた方

転職を以前から強く考えていた方も、転職すべきと考える。

前述の通り、今後は求人状況の悪化が年単位で継続する公算が大きく、悪化し続ける、つまり「今が一番良い」がずっと継続する状況と考えるからである。

 

構造改革の対象になりそうな方

コロナショックを受け、間違いなく構造改革(リストラ)が始まるだろう。

年齢及び評価に鑑み、「自分は構造改革の対象になりそうだ」という人は、今のうちに活況な業界やより大きな企業に移っておくのは一案である。

 

コロナ禍では転職をすべきでない方

次に、コロナ禍の現在では(筆者としては)転職をすべきではないと考える方について記載する。

 

  1. 大企業にいるベンチャー志望者
  2. 転職を以前からぼんやりと考えていた方
  3. 価値観が変容した方

 

大企業にいるベンチャー志望者

まず、今「大企業からベンチャーに行こうと思っている方」は少し待った方が良いかもしれない。ここからその理由を述べる。

 

平時であれば、大企業とベンチャーの利点というのは以下のように表される。

  • 高給とワークライフバランス、社会的地位が得られる大企業
  • 成長とやりがい(裁量)が得られるベンチャー

 

無意識的にだが、双方とも「潰れるまでは行かない」という想定で、自分にとって得られるものを比べているわけである。

 

しかしながら、不景気だとベンチャーは普通につぶれる。

これに対して、大企業はリストラを続けながらも大抵はつぶれない。

 

不景気においては、大企業とベンチャーの間にある差に「生きるか死ぬか」の要素が加わるのである。

 

ベンチャーで得られるものは確かにある。

しかしながら、ベンチャーとは「中小企業の中で、IT寄りのことをしていて、上がり調子」という程度の会社に過ぎない。

 

経済危機の際には「企業体力」が問われるが、定義からして体力がないのがベンチャーなのである。

「ベンチャーに行くからには倒産の覚悟もある」と豪語する人間は多いが、実際にそうなってもうろたえない人間は少ない。

 

「新規で採用しているなら大丈夫ではないか」という方もいるだろう。

しかしながら、社会的責任が小さいベンチャー企業では、「倒産直前まで採用していた」という事例がいくつもあるので、注意するに越したことはない。

 

齋藤
2021年2月現在では、ベンチャーの体力も戻りつつあります。
よって、上記に記載してあるほどには警戒しなくても良いでしょう。

 

転職を以前からぼんやりと考えていた方

転職を以前から「ぼんやりと」考えていた方は、今すぐに転職すべきではない。

 

「ぼんやりと」ということは、緊急度・重要度は相対的に低かったということである。

その中で「コロナで求人が減るから急がなければ」ということで転職活動を行うと、どうしても視野が狭まりがちになる。

 

本当に行きたい会社、本来であれば行けた会社ではなく、「たまたま求人があった会社」に入社し、後悔することになりかねない。

 

転職をぼんやりと考えているのであれば、今すぐ始めるべきは「ダラダラ転職」である。

転職がめんどくさいという方へ。ダラダラ転職のススメ。

 

ダラダラ転職は、「とりあえず転職サイトに登録して放置」という手法であり、放置している間に「良い求人」「良い転職エージェント」をストックできる利点がある。

 

 

価値観が変容した方

コロナショックにより価値観が変容した方については、「転職すべきでない」というより「今すぐには転職すべきでない」と考える。

こういった「危機」において顕在化する価値観の変容とは、一般的に(前述した)以下のようなものになるかと思う。

 

  • 出世や評価、年収への関心の低下
  • 家族との時間への関心の上昇
  • 他人や社会貢献への関心の上昇
  • 自己実現への関心の上昇

 

少々乱暴だが、上記の共通点として大きく「立身出世主義、利益至上主義、仕事中心主義からの脱却」とまとめられるだろう。

これ自体は、「人生について再考した結果」として大変有意義な考えである。

 

しかしながら、実際にこの価値観の変化に合わせて職を変えるとなると、単純に考えて以下のようなことになる。

 

  • 給与は低いが有意義なことをやっているNPOやNGOへの転職
  • より自身の意見が反映される中小企業への転職
  • ワークライフバランスのとれる非正規雇用(時給で計算される職)への転換
  • 真の自己実現のための独立起業

 

どれも結構なことではあるが、利益重視型の大企業さえもリストラをする時勢においては、非正規雇用は打ち切りの可能性もある。

 

さらに、利幅が小さい中小企業(NPOやNGOを含む)や個人事業主も経営が厳しくなり、場合によっては生活が成り立たなくなる。

つまり、世知辛いことではあるが

 

  • 「利益至上主義」の価値観が支配的なときには、それに相反する考え方の人も生きていける
  • 「利益至上主義」の人でさえ利益がないときには、それに相反する(利益を追わない)人は更に苦しい事態に追い込まれる

 

と言えるのである。

よって筆者は、価値観の変容と同時に職を変えようとするのではなく、変容した価値観を大切に保持し、経済が落ち着いてから職を変えるのはいかがか、と提案したい。

 

まとめ

コロナショックのような危機的状況においては、転職に関心を持つ方が増加する一方で求人数は減少し、転職自体が狭き門になる。

 

このような状況で転職する場合は、少しでも早く転職サイトや転職エージェント、転職SNS(Linkedin等)に登録し、「良い求人」「良いエージェント」をストックし始めることが良策である。

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