弊社は基本給(ベース給)が少なく、ボーナスの割合が大きいため、かなりのダメージです。転職を考えた方がいいのでしょうか?
ボーナスが減額になる原因は何なのでしょうか?それに対して何か対処法はあるのでしょうか?
今回のテーマは「ボーナスが減額になる原因と対処法」である。
結論から申し上げると「ボーナスが減額になることは多いため、いきなり転職を考えることはおすすめしない。本記事では、ボーナスが減額になる原因と、その対処法を解説していく」という内容の記事になっている。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
この記事を読むことで、ボーナスが減額となる原因を正しく理解して適切な対処法を取ることができ、安易な転職を防ぐとともに、ボーナスの減額を和らげられるようになるだろう。
>>ボーナス(賞与)が少ない6つの原因、6つの対処法を人事プロが解説
結論
まず本記事の結論を記載しておく。
項目のみ記載しているため、詳細は本文中で確認していただきたい。
ボーナスが減額になる主な原因は以下の4つである。
- 会社の業績が悪くなった
- 業界の景気が悪くなった
- 部署の業績が悪くなった
- 自身の評価(査定)が悪くなった
ボーナスが減額になった場合の主な対処法は以下の5つである。
- 残業を増やす
- 副業をする
- 上司との関係を改善する
- 景気の良い部署に異動する
- 転職する
ボーナスが減額になる原因4つ
ボーナスが減額になる主な原因は以下の4つである。
- 会社の業績が悪くなった
- 業界の景気が悪くなった
- 部署の業績が悪くなった
- 自身の評価(査定)が悪くなった
会社の業績が悪くなった
結論から言うと、ボーナスが前期に比べて減額になる理由のほとんどがこの理由(会社の業績が悪くなった)に帰結する。
会社にとって、ボーナスは利益の社員還元。利益が減ればボーナスも減る
ボーナスというのは、会社からすると「当期利益の社員への還元」という性格がある。
よってあなたの会社の業績が前期よりも悪くなった場合には、前期のボーナス金額よりも減額された額が支払われることが普通である。
会社の業績のボーナス金額への影響は、甚大なものである。
例えばボーナスが基本給の6ヶ月分だった会社が、リーマンショックを受けてボーナスを支給しなかった事例もある。この場合には、数百万円もらっていたボーナスがゼロに減額されたということになる。
労働組合との交渉でボーナスが決まる場合にも、会社の業績の影響は大きい
一般社員のボーナス金額については、会社と労働組合の交渉(団体交渉、労使協議)によって決まるという会社も多いだろう。
その場合にも、会社の業績がどうなのかというのは非常に大きな争点となってくる。
会社の業績が悪い場合、労働組合としても会社が潰れてしまっては困るので、大きなボーナス金額を要求できない。
逆に会社の業績が良い場合には、「社員が頑張ったのだから」ということで大きなボーナス金額を要求できるし、会社も要求に応じることが多いのである。
業界の景気が悪くなった
あなたの会社が属する業界全体が不景気に陥った場合にも、ボーナスは減額となりやすい。
まず、業界全体が不景気の時には、あなたの会社の業績も悪くなりやすい。先ほど述べた通り、会社の業績が悪ければ基本的にはボーナスは減額になる。
次に、業界全体が不景気な場合には、同じ業界の競合他社のボーナス金額も減額になっているはずである。
労働組合の交渉でボーナス金額が決まる場合、または会社の経営陣がボーナス金額を決める場合、どちらであっても同業の競合他社のボーナス金額を参考に検討するのが一般的である。
この2つのメカニズムから、業界の景気が悪くなると、ボーナスが減額されることになるのである。
部署の業績が悪くなった
会社によっては部署の業績ごとに、差を付けてボーナスを支給している会社もある。
この場合には、あなたが所属している部署の業績が悪くなると、ボーナスが減額されることになる。
自身の評価(査定)が悪くなった
毎期の評価(人事査定)とボーナス金額を結びつけている会社は非常に多い。
この場合には、自分自身の評価(人事査定)が悪くなると、ボーナスが減額されることになる。
ボーナスが減額になった場合の対処法5つ
ボーナスが減額になった場合の主な対処法は以下の5つである。
- 残業を増やす
- 副業をする
- 上司との関係を改善する
- 景気の良い部署に異動する
- 転職する
残業を増やす
ボーナスが減額される原因があなた自身にあることはあまりない。
あなたが業界の景気に影響を及ぼすことはできないだろうし、あなた一人で会社の業績を良くすることもできないだろう。
また、多くの場合には部署の業績を良くすることもできないと思う。
よって、これらの原因に直接対処するのではなく、少しでも別のところでお金を稼ぐために残業を増やす、というのが対処法の筆頭に挙がる。
健全とは言えないし建設的とも言えないが、ボーナスをあてにしてローンを組んでいる等、やむを得ない場合には第一選択肢となるだろう。
副業をする
ボーナスが減額されて困っているが、会社の方針や家庭の事情により残業を増やせない方もいるだろう。
その場合には、副業をすることも視野に入ってくる。
副業禁止の会社も多いが、会社の副業禁止規定は法的には有効とは言えない場合が多い。
他の会社に勤務してしまうとさすがにバレる可能性が高いが、ブログ運営やクラウドソーシングで稼ぐ程度であれば、基本的にバレることはない。
上司との関係を改善する
自身の評価が悪くなったことが原因でボーナスが減額になったのであれば、上司との関係を改善するというのも手である。
自身の評価が悪くなった原因が仕事の出来によるものであれば、仕事を頑張るという方法が有効かつ建設的だろう。
ただし、以下の記事に書いた通り、評価は上司の好き嫌いで決まる部分が大きいので、実際には上司との関係改善をするだけで評価が上がる場合も多い。
>>納得できない!人事評価が好き嫌いで決まるメカニズムとその対処法
景気の良い部署に異動する
あなたの部署の業績が悪いことが原因で、ボーナスが減額となった場合もあるだろう。
この場合には、人事異動(配置転換)によって別の部署に異動するというのも手段としてはあり得る。
ただし、実際には「あなたの専門性を活かせる部署があなたの部署以外にもあるのかどうか」や「ボーナスの減額程度でそこまでする価値があるのかどうか」は状況による。
目安として、あなたの中で転職を考えるほどにボーナスの減額が深刻なものなのであれば、転職の前に異動を検討する価値は十分にあると言えるだろう。
>>人事異動の決め方や選ばれる人の6つのタイプについて人事プロが解説
転職する
ボーナスの減額が理不尽なものである場合や、業界や会社の業績が将来的にも暗い場合には転職を考えてもよいだろう。
既に述べた通り、業界の景気や会社の業績をあなた一人で支えるのは無理である。
業界の景気や会社の業績が原因でボーナスが減額されるようであれば、もしかしたら今後も減額され続けるかもしれないという懸念は妥当である。
基本的に、沈みゆく船から脱出するのは早ければ早い方がいい。
転職はリスクがあるため安易におすすめはしないが、転職すると一度決断したのであれば、急ぐことである。
>>おすすめ転職サイト・エージェント|プロ厳選の比較ランキング
まとめ
ボーナスが減額される原因のほとんどは業界や会社に起因する。そのため、あなたにはどうしようもない部分が大きい。
基本的には残業を増やしたり副業を始めたりしてしのぐことが有効であるが、業界の景気や会社の業績に今後も期待できないのであれば、転職してしまうのも手である。