転職エージェント 合わない

転職エージェントと合わない!その理由と対策をプロが解説

悩めるビジネスウーマン
現在、転職活動をしているのですが、転職エージェントの担当者との相性が悪く、困っています
私は今までバリバリ働いてきたため、今後は少しワークライフバランスにも配慮して働きたいと思っています。
しかし、担当エージェントは(年収を上げるほうが手数料が上がるためか)やたらと年収アップ、仕事量増大の方向にオススメしてくるため、正直「合わない」と感じてしまいます。
私の話をきちんと聞いてくれ、希望に沿って対応してくれる転職エージェントの方と知り合いたいのですが、どうしたらいいのでしょうか?

 

今回のテーマは「転職エージェントと合わない」こと、そしてその理由や対策についてである。

相談者のおっしゃる通り、日本の転職エージェントは手数料ビジネスであり、相場でいうと「転職者の年収の約3割が転職エージェントの懐に入る」ビジネスモデルである。

 

よって、やたら「キャリアアップ、年収アップ、仕事量増大の方向」に転職話を進めようとするエージェントも多く、「転職エージェントと合わない」となりがちである。

これ以外にも、無能である、テンション(ノリ)が苦手、話を聞いてくれない、自分のキャリアを尊重してくれている感じがしない等、「合わない」ということは良く起こる。

 

今回は、転職エージェントと合わない理由と、その場合の具体的な対策を提示したい。

 

初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。

筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。

  • 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
  • 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
  • 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
  • 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験

 

齋藤
本文中にも記載しましたが、転職エージェントがダメすぎて「東証一部上場企業の社長と直接タイトル(ポジション)交渉および年収交渉」をしたこともあるので、その重要性は嫌と言うほど分かっているつもりです。

 

本記事の結論

まず最初に結論を述べておこう。

 

転職エージェントと合わない場合、転職活動に深刻な影響を及ぼすことがある。

よって、転職エージェントに関しては妥協せず、「合わない」と感じたら以下の対策をとることが重要である。

  1. 「ゆるゆる転職活動」により、自分に合う転職エージェントのストックを増やす
  2. 転職エージェントを変えてほしいと言う
  3. 大手サイトへの登録により、様々なエージェントから連絡をもらう体制づくりをする
  4. 高確率で連絡をくれる中堅サイト・エージェントにいくつか登録してみる

 

上記について、それぞれこの記事の中で解説していく。

 

転職エージェントと合わない、2つの原因

転職エージェントと「合わない」と感じてしまう原因は主に2つある。

  1. 優秀でないから
  2. 波長が合わないから

 

転職において、転職エージェントはあなたの伴走者として、提案者として、そして代理人(交渉者)として、多様かつ重要な役割を果たす。

 

そんな中、前者の「優秀でないエージェント」は壊滅的である。

筆者はひどいエージェントに当たったことで、東証一部上場企業の創業社長と直接タイトル(ポジション)交渉および年収交渉をする羽目になったことがある。

 

後者の「波長が合わないエージェント」もやはり壊滅的である。

転職は「あなたの」人生を左右する「あなたの」ライフイベントであり、あなたとの相性は最優先事項である。これが悪い場合、例えるならば

  • 一生に一度しかない結婚式のウェディングプランナーが最悪だった
  • ただでさえ不安になる出産、女性の気持ちを考えない産婦人科医によりさらに不安にさせられた
  • 大切な家族の葬儀で、葬儀屋の態度が悪かった

ようなものである。

妥協してはいけないし、妥協するところでもないのだ。

 

「良い」転職エージェントを絞り込むための、5つのポイント

それでは、「優秀な」転職エージェント、「波長が合う」転職エージェントとは、どう絞り込めばいいのだろうか。

筆者は、以下の5つのポイントで絞り込んでいる。

  1. 早い段階で(できれば最初に)興味の湧く求人を出してくるか
  2. 面談(電話面談)の前にあなたの職務経歴書を読んでいるか
  3. 自分のキャリアをプラスに評価してくれているか
  4. コミュニケーションスタイル(電話・メール等)が合っているか
  5. 転職ありきで求人をおすすめして来ないか

 

上記が全て出来ている転職エージェントであえば、ある程度あなたとの相性も良いだろうし、優秀だと言える。

>>転職エージェントの選び方の教科書|出会い方、絞り込み方、付き合い方まで

 

合わない転職エージェントと絶対に付き合うべきでない、4つの理由

前項の最後に述べたが、「転職エージェントに関しては妥協しない」が基本マインドである。

 

対処法については後ほど説明するが、合わない転職エージェントとは絶対に付き合うべきでない。

理由は主に以下の4つである。

  1. 転職エージェントとの相性やその優秀さは、転職活動の成否に直接影響する(弊害・デメリットが大きい)
  2. ある転職エージェントしかもっていない求人と言うのはほぼない
  3. 転職エージェントはボランティアではなく「プロ」なので、こちらも遠慮する必要はない
  4. 合わない転職エージェントとは最後まで合わない

 

それぞれ簡潔に説明しよう。

 

【1】転職エージェントとの相性やその優秀さは、転職活動の成否に直接影響する(弊害・デメリットが大きい)

まず、何度も言うが転職活動において転職エージェントは重要である。

以下のような重要な役割を全て担っているのがプロの転職エージェントだからだ。

  • あなたの話をしっかりと聞き、ぴったりの仕事を探し、提案するカウンセラーであり、リサーチャーであり、プレゼンターである
  • あなたの転職活動における書類選考対策や面接戦術を指導する教官(メンター)である
  • 転職における様々な「めんどくさいこと(日程調整や要望の伝達、本音の引き出し等)」を調整してくれるコーディネーターである
  • あなたに代わって給与交渉をする代理人(交渉人、ネゴシエーター)である
  • 多くの人が時々自信を失いがちな転職活動において、あなたを励まして成功に導く伴走者であり、モチベーターである

 

プロ野球の世界で、選手が球団との年俸交渉のために「代理人」を立てるのはよく知られている。

交渉の代理人に限らず、上記はどれも「非常に専門性の高い、重要な役割」なのである。

 

この転職エージェントが「無能であなたと波長が合わない」場合の転職活動がどんなに悲惨なものになるか、考えてみてほしい。

転職エージェントとの相性やその優秀さは、転職活動の成否に直接影響するのだ。

 

【2】ある転職エージェントしか持っていない求人と言うのはほぼない

実利的な話で言えば、ある特定の転職エージェント個人しか持っていない求人と言うのはほぼない

 

筆者が「合わない」と感じたエージェントから良さげな求人を紹介された場合、知り合いのエージェント数人に「これ、知ってる?」と聞くと出て来ることが多い。

後ほど述べるが、「合わない転職エージェントが属する企業の、別の転職エージェントに紹介してもらう」ということも多くの場合には可能である。

 

一部には「個人事業主である転職エージェントが独占している求人」もあるが、仮にそれが合わないエージェントからの紹介であれば、「我慢して付き合うかどうか」を考えることになるだろう。

 

齋藤
個人的な経験になりますが、「我慢して付き合う」を選択してよい結末になったことはありません
自分と合わない転職エージェントに独占的に求人を渡すということは、その依頼企業とあなたとの相性も悪い可能性があるでしょう。

 

【3】転職エージェントはボランティアではなく「高成果報酬のプロ」なので、こちらも遠慮する必要はない

既に書いたように、転職エージェントの役割は重要で多岐に渡る。

彼ら・彼女らはプロフェッショナルであり、成功すれば転職者の年収の3割を持っていく。

 

平均的な年収、例えば500万で転職させれば約150万。高年収、例えば年収1,800万で転職させれば一気に500万以上である。

成果報酬をみれば「ボロい商売」であるといえ、そこに至るまでにある程度の能力や労力が必要とされることには正当性がある。

 

自分(転職志望者)からお金をとらないので「無料でやってくれているのだから」と思う方は多いが、それは少し優しすぎるかもしれない。

実は相当な対価をとっているので、こちらも遠慮せず、対価に応じたサービスを要求してよいのではないだろうか。

 

【4】合わない転職エージェントとは最後まで合わない

あくまで経験則ではあるが、合わないエージェントに我慢して付き合っても、「合うようになった」ことはない。

「合わなかった」だけならまだいいが、キャリアを貶められたり、今後のキャリアにかかわる嘘をつかれるケースもある。

  • 「この若さで、外部からいきなり執行役員で受け入れる会社はないですよ」→嘘。鵜呑みにしていたら31歳で執行役員にはなれなかった
  • 「この経歴であっても、まだ若いですから、1,200万くらいが限界では?」→嘘。普通に1,500万以上でいくつも内定した
  • 「○○の経験が短いので、経験の長い○○の職種でしか難しいですね」→嘘。普通に経験のない職種のトップ(経営企画室長)として転職出来た

 

上記は全て、筆者の実体験である。

「自分の狭い見識だけで断定しているな」「自分のキャリアや希望を尊重してくれていないな」「無能だな」と思ったら、すぐに次項の対策を打つのがおすすめだ。

 

あなたと合う(相性の良い)転職エージェントと知り合うための、4つの具体策

さて、ここが本記事の肝である。

 

あなたと合う(相性の良い)転職エージェントと知り合うための具体的な方法について解説していく。

早速であるが、それは以下の4つである。

  1. 「ゆるゆる転職活動」により、自分に合う転職エージェントのストックを増やす
  2. 転職エージェントを変えてほしいと言う
  3. 大手サイトへの登録により、様々なエージェントから連絡をもらう体制づくりをする
  4. 高確率で連絡をくれる中堅サイト・エージェントにいくつか登録してみる

 

それぞれ解説していく。

 

【1】「ゆるゆる転職活動」により、自分に合う転職エージェントのストックを増やす

以前、以下の記事にて「ゆるゆる転職活動」なるものをご紹介した。

>>転職がめんどくさいという方へ。ゆるゆる転職のススメ。

 

ゆるゆる転職とは、以下のようなものを言う。

「常時」かつ非常に「ゆるく」転職活動を行うこと。
筆者で言えば、転職サイトに登録はしているものの、企業や転職エージェントからの連絡はめんどくさいので9割は無視する。
本当に興味が持てる求人・スカウトが来た時にだけ連絡を取る。
しかもその連絡も、即時ではなく気が向いたときにまとめて返信する。
興味を持った企業も、面接選考がめんどくさくなったらキャンセルする、等。

 

わざわざ名前を付けたが、簡単に言えば、転職サイトに登録し、放置しておくというだけのことである。

そして、このゆるゆる転職には放置している間に、色々な転職エージェントからコンタクトがあり、自分に合うエージェントを厳選できるというメリットがある。

 

転職を思い立ち、すぐに活動する場合には、どうしても片っ端から「出会ったエージェントに頼る」形になってしまう。

しかしながら、ゆるゆる転職を実施していれば、本当に行動を起こすときには「自分に合いそうな転職エージェントのストック」が既にあるのである。

 

【2】転職エージェントを変えてほしいと言う

多くの人がやらない(筆者とてやりたくはない)が、即時効果があるのがこれである。

 

通常、転職エージェントは企業に属しており、その企業は何人もの転職エージェントを抱えていることが多い。

よって、「申し訳ないが、~という理由で少し○○さんとは合わないと思うので、別の方に替わってほしい」と申し出ることで、求人を保持したまま相性の悪い転職エージェントを避けることが出来る。

 

一時的には気まずいかもしれないが、転職活動の最後まで気が合わない転職エージェントに伴走されるよりはマシである。

可能であれば、電話等ではなくメールで伝えると自分の負担を下げ、相手の気持ちもヒートアップしにくいのでおすすめだ。

 

いずれにせよ、「転職」というライフイベントにおいて、あなたには最適なパートナーを選ぶ権利があるのだ。

それを忘れないようにしよう。

 

齋藤
ちなみに、転職エージェントの中にはエージェント交代のニーズを理解している会社もあります。
「何かあったらこのメールアドレスの上司に連絡を」という内容付きで常にメールしてくる会社もありました。その場合、遠慮なく使いましょう。

 

【3】大手サイトへの登録により、様々なエージェントから連絡をもらう体制づくりをする

ゆるゆる転職のくだりで述べたが、様々なエージェントに出会うことで、あなたに合う、優秀な転職エージェントと出会える確率は高まる。

よって正攻法としては、様々なエージェントから連絡がもらえる媒体、つまり「大手転職サイト」に登録しておく、というのが基本となる。

 

大手サイトの選び方やランキングサイトは無数にあるが、当サイトでは最少の登録工数で最大の成果を上げる転職サイト・エージェントを紹介しているので参考にしてほしい。

>>おすすめ転職サイト・エージェント|プロ厳選の比較ランキング

 

【4】高確率で連絡をくれる中堅サイト・エージェントにいくつか登録してみる

待つのは性に合わない方、または(経歴等の問題から)エージェントから連絡をもらえる気がしない、という方もいるだろう。

そういった方であれば、自分から攻める道もある。

 

大手サイトには無限とも言える登録者がおり、毎月毎月増加する。

よって、エージェントは山ほどいる登録者の中から「すぐに転職しそうで」かつ「転職できそうで」かつ「高年収帯」の登録者を狙うことが出来る。

 

しかしながら、中堅の転職サイト・転職エージェントであれば、大手よりも「新規の方が入ってきた。何か紹介できないか。一度話せないか」とカバーしてくれる率が高い

多くの転職志望者はリクルート等が運営する最大手サイトにしか登録しないが、いくつか中堅サイトにも登録してみると、良いエージェントとの出会いがあったりする。

 

中堅サイトの中で(筆者自身がお世話になったことがあり)おすすめ出来るのは、例えば以下である。

 

JACリクルートメント

JACリクルートメントは、約25,000社の企業の求人を預かっている転職サイトである。

そのうちの6割は非公開なので、膨大な数、日本最大級の非公開求人を握っていることになる。

 

得意領域としてやや高年収帯や外資系に寄っているが、登録する価値はある。

実は第二新卒や年収500万円未満の非公開求人も多く、広くお勧めできる転職エージェントである。

>>JACリクルートメントの評判・口コミを人事プロが解説

 

パソナキャリア

ご存知の方も多いと思うが、パソナキャリアは人材派遣大手のパソナが運営している「正社員の転職サイト」であり、紛れもない大手サイトである。

 

中堅ではなく大手なのになぜご紹介したかと言うと、パソナキャリアは、転職エージェントを探すのに便利だからだ。

求人数も多いのだが、それ以上に転職カウンセラーが多いことが特色であるため、転職相談をしつつ「あなたに合う転職エージェント」を見つけたいのならおすすめできる。

>>パソナキャリアの評判・口コミを人事プロが解説

 

まとめ

何度も述べたが、転職エージェントは転職活動の要である。

合わない場合には以下の方策を用い、迅速に対処すべきだと思う。

  1. 「ゆるゆる転職活動」により、自分に合う転職エージェントのストックを増やす
  2. 転職エージェントを変えてほしいと言う
  3. 大手サイトへの登録により、様々なエージェントから連絡をもらう体制づくりをする
  4. 高確率で連絡をくれる中堅サイト・エージェントにいくつか登録してみる

 

転職サイトや転職エージェントは無数にあるが、それらを紹介するランキングやおすすめサイトの信憑性は低く、どのサイトに登録すべきか悩む方は多い。

迷ったら、年代でも性別でもなく、シンプルに年収で決めるのがおすすめである。

  • リクナビNEXT年収800万円未満の場合。日本最大級の公開求人を掲載、エージェントも豊富
  • JACリクルートメント 年収800万円以上の場合。大手および外資系を中心に、日本最大級の非公開求人を保持

 

人材企業の最大手リクルートが運営するリクナビNEXTは、年収が800万を超えるまでは万能の転職サイトだと言える。(それ以上の年収帯では案件が減る)

掲載求人が豊富なだけではなく、リクナビNEXTには多数の転職エージェントが参加しているため、網羅的に求人を探すことが出来る。

 

JACリクルートメントは、筆者が最も信頼している転職エージェントである。転職エージェントとしては日本最大の売上高を誇り、求人の多さ、エージェントの質ともにダントツである。

ただしJACはハイクラス・ミドルクラス向けのため、そのスペックをフル活用するには年収800万円程度が必要だ。

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