異動 希望 後悔

希望した社内異動で後悔!パターン別の対処法を人事部長が解説

悩めるビジネスウーマン
人材系企業のグループ会社に在籍しています。入社以来経理をやっていましたが、営業志望の夢を捨てられず、異動希望を出し続けていました。今回、希望がかなって営業部に異動になりましたが、私が苦手としている書類作成業務が意外に多く、毎日が辛い状況です。お局様との人間関係も悪く、本当に後悔しています。正直、経理に戻りたいのですが、希望しての異動なので言い出しづらいです。私はどうすればよいでしょうか?

 

本記事では、「社内異動後に後悔している方が、どういった対処方法を採り得るか」がテーマである。

 

異動はビジネスパーソンの宿命であり、業務内容や人間関係を一変させ得る、まさに「転機」である。

これは、良い意味での「チャンス」となることもあるが、悪い意味で「ピンチ」になってしまう場合もある。

 

異動は、時に転職と同レベルのリスクがあるものであり、異動での後悔はビジネスパーソンの多くが通る道なのだ。

 

一方で、今回の相談のように「希望しての異動」だと特に戻りづらく、どうしたらよいか分からないという事情も良く分かる。

パターン別に対処法を組み合わせて、あなたにとってベストな解を模索していこう。

 

齋藤
今回の相談内容には「社内異動は自分の希望によるもの」と書いてあります。
しかしながら本記事は、自身の希望によらない場合、いわゆる「定期異動(ローテーション)」などの場合にも対応しています。

 

希望した社内異動で後悔する人は多い。再異動も難しい

人事としての経験からすると、実は希望した社内異動で後悔している方は非常に多い

そもそも、異動というのは一般的にリスクが高いと考えられている「転職」と同等レベルの変化があるものである。

 

転職で変わるのは、主に以下の4つである。

 

  1. 会社
  2. 働く場所(事業所)
  3. 業務内容
  4. 仕事上の人間関係

 

ここで、たとえ異動であっても、上記のうち「①会社」以外の全てが変わる可能性があるのが分かっていただけると思う。

異動というのは、希望したものであっても希望していないものであっても「非常に大きな変化」なのである。

 

さらに、転職が撤回できないように、異動も撤回しにくい。

異動の権限(人事権)が会社にあるため、上司や制度の助けを借りて再異動の業務命令を出してもらう必要がある。

 

しかしながら、これは以下のような理由から、かなりのハードルがある。

 

  • 「迎え入れたばかりの上司」にとってすぐに出て行かれるのは困る
  • 「異動を決めた人事(やマネージャー)」にもメンツがある
  • 「送り出した」元職場の同僚からの目が怖い
  • 自分自身にも負い目がある(「希望したのは自分」「異動先でなじめないのは自分のせい」等)

 

そうは言っても、異動に後悔している状況は非常に辛いと思う。

次項では対処法について記載していく。

 

異動に後悔している場合の4つの対処法

ここまで、異動を後悔している方は多いこと、一方で撤回は簡単ではないことをご説明してきた。

当たり前と言えば当たり前だが、対処法は以下の4つある。

 

  1. 改善する
  2. 我慢する
  3. 異動する
  4. 転職する

 

これらの対処法を、後悔している理由(原因)別に組み合わせて用い、状況の改善を試みたい。

まずは4つの対処法についてそれぞれ解説する。

 

改善する

既に試みた後かもしれないが、改善できる点は改善すべきである。

 

齋藤
この記事にたどり着いた時点で、「その程度は既にやった。それでも困っている」という場合も多いかと思います。
その場合は次の項に進んでください。

 

どういう場合に「改善する」を選ぶべきなのだろうか。

これは、自分が頑張るべきことを頑張っていないことが原因で、後悔するような結果につながっている場合だろう。

 

  • 新しい部署での必要な知識を習得する(実用書・過去フォルダなど)
  • 新しい部署での仕事のやり方を学ぶ(こちらは業務フロー等、OJT寄りのもの)
  • 新しい人間関係に溶け込む努力をする

 

上記のような基本的事項をやっていない場合には、改善する必要がある。

 

我慢する

次の対処法は「我慢する」である。

かなり消極的な対処方法に見え、一見役に立たなそうだが、ある条件下においては効果的である。

 

その条件とは以下の2つであり、両方満たす必要がある。

 

  • 時間が経てば解決しそうである
  • 解決しそうな時まであなた自身が我慢できそうである

 

典型的なのは「異動先に嫌な上司がいた場合」である。

3年ごとに定期異動が起きる会社で、嫌な上司が2年前にその部署に来たのであれば、我慢するのはあと1年程度と推測できる。

 

この場合、あなたの忍耐が1年持つのであれば、「我慢する」も立派な選択肢となる。

「石の上にも三年」は若者から支持されない言葉の代表格だが、「待てば良くなる」と確信できるのなら、採り得る選択肢かと思う。

 

齋藤
無理に待って心を病んでしまっては本末転倒なので、「自分がどれくらい耐えられるのか」は短めに考えておくのがよいでしょう。

 

異動する

次の選択肢は「異動する」である。

「異動後の再異動(元職場に戻ること)は困難である」と述べたが、出来ない訳ではない。

 

齋藤
これが「あり」かどうかは会社によっても異なります。
筆者の勤務していた日系大手企業では普通に出て来る案件だったので、利害が一致すれば元の職場に戻していました。

 

異動のルールは会社によって違い、相談しやすい人間関係の順序も人によって異なるかと思う。

 

異動に際しては、以下の4つのうちから自分として実行し易い方法を採用すると良い。

尚、この「異動を目指す」という解決策を選択肢に入れられるのは、以下のいずれかが実行出来るという人だけである。

 

  1. 社内制度を利用する
  2. 元の上司に相談する
  3. 人事と話す
  4. 異動先(現在)の上司と話す

 

上記4つの番号には意味があり、人事のプロである筆者のおすすめ順である。

 

異動に関する制度があるなら制度で解決しても良いが、おそらく「異動したばかり」では使えないだろう。

元上司は、「やっぱり私の下の方が良いのか」と思うはずなので、喧嘩別れになっていなければ味方になり易い。

 

人事は(異動を人事中心に決める会社以外では)中立なので一定程度は頼りやすいかと思う。

一方、異動先の上司は最も気分を害しやすい立場なので、よほど出来た人でなければ頼る優先順位は最後になるだろう。

 

言い出しにくいとは思うが、経験ある人事やマネージャーからするとたまに出て来る話である。

「言いにくいことを言ってくれている」ことも当然相手に伝わるので、勇気を出して相談してみることをおすすめする。

 

転職する

最後の手段が「転職」である。

転職はうまくいった際のリターンも大きいが、失敗するリスクも他の手段(改善、我慢、異動)より高い。

 

当サイトには転職に関する記事も多いが、安易に転職することはおすすめしない。

ここまで記載した選択肢がとれない(もしくは失敗した)際に選ぶべき最後の手段だと思う。

 

さて、転職に対して警告するような意見から入ったが、転職には良いところもたくさんある。

今回で言えば、「他の対処法と組み合わせられる」ことである。

 

  • 新しい人間関係に溶け込もうと改善してみたけれど、無理だったから転職
  • 大嫌いなお局様の異動まで我慢しようとしたけれど、無理だったから転職
  • 無理をいって元の職場に戻ったけど、同僚から腫れ物扱いで気まずすぎて転職

 

どのケースも十分にあり得る。

 

「そんなことをしたら悪い」「恥ずかしい」と思う方は(特に日本では)多いと思うが、転職したら赤の他人である。

最後の手段として、「転職」は頭の中に入れておこう。

 

齋藤
転職を選択肢(オプション)に入れておくだけで、「もうどうしようもない」という状態にならず、精神的に楽になります。

 

しかし、異動直後の転職は「逃げ」なのではないか、転職先に受け入れられるのか、と思う方もいるかもしれない。

 

逃げの転職は確かにプラスではない。

しかし実態としては多いし、挽回方法もある。必要に応じて以下の記事を参考にしてほしい。

逃げの転職はアリなのか?ネガティブ理由での転職攻略法を人事面接官が解説

 

異動で後悔するパターン別の対処法

異動で後悔するパターンは、大きく分けて以下の3つだろう。

 

  1. 自分の力不足を感じる
  2. 業務や勤務地が合わない
  3. 人間関係が良くない

 

これらに対し、ここまでお話した「改善」「我慢」「異動」「転職」を組み合わせて対処するのが良い。

ここからはパターン別の対処法を記載していく。

 

自分の力不足を感じる

まず、自分の力不足を感じるとき。

新たな業務に適応できておらず、周りには迷惑をかけており、それを自分でも実感しているため大変辛いという場合である。

 

改善できる部分は、「自分の能力やメンタルが許す範囲で」すでに改善しているかと思うが、まだ改善の余地があればまずは改善だろう。

業務によるが、入門書を読む、先輩に聞く、過去フォルダを漁る、等々が初期に出来る行動かと思う。

 

重要な判断ポイントは、「辛いけれども、続けていれば慣れそうなのかどうか」「慣れるまで我慢できそうか」である。

 

この答えが両方YESなのであれば、「我慢する」が答えである。

今は「辛い」しかないだろうが、我慢してやっているうちに実際には最大限に学習しており、加速度的に楽になってくる。

 

筆者の経験上、特に職種を変えた時には、「我慢する」を選択しているうちに仕事が出来るようになっていることが多い。

 

一方で、慣れる(仕事ができるようになる)まで我慢できないと思われる場合は、無理は禁物だ。

 

「鬱」になってしまい、職場復帰後も元の能力に戻らない方を、人事として何度も見てきた。

辛すぎて1時間に何回も時間を見てしまうような精神状態であれば、異動か転職を勧める。

 

既に述べたが、転職より先に、まずはリスクが相対的に低い「異動」を試みるのが先である。

一方で、「転職」はすぐに内定がもらえるものではないので、並行して転職活動を進めておくと良い。

 

自分の心身が限界を迎える前に、異動か転職で環境を変えることがポイントである。

 

業務や勤務地が合わない

次は、異動先の業務や勤務地への違和感が「我慢しても変わらないと確信できる」場合である。

 

  • 業務で言えば、自分の性格に全く合わず、永遠に慣れることはないと思われる場合
  • 勤務地で言えば、どうにも風土が合わず、「住めば都」になることが想像できない場合

 

上記のように、いわば「遺伝子的に向いていない」「生理的に合わない」と確信した場合である。

業務で言えば職種を変えた際、勤務地で言えば「国境をまたぐ」または「関東⇔関西をまたぐ」場合に起こりやすい。

 

この場合、綺麗事を抜きにすると改善も我慢も無意味である。

よって、前項で説明した「異動」または「転職」が選択肢となる。

 

異動のため、社内異動の制度、元上司、人事、異動先上司のうち、相談できそうな方に相談し、元職場への出戻りを含めて異動の道を探ろう。

 

それが難しい場合には、転職一択である。

合わない仕事をやっても人並み以上になることはあまりないし、もしそれが出来るとしてもそれまでの道のりが辛い。

 

齋藤

人材開発マネージャーとして人材育成に携わった経験から申し上げますと、大抵の場合、弱みを克服するより強みを伸ばす方が効率的です。
まず自分に合った仕事に異動・転職し、しかる後に努力するのが良いかと思います。

 

人間関係が良くない

最後は「人間関係が良くない」場合である。

 

この場合には、(「全員」というケースも含め)誰かしら「苦手な相手」がいるということだと思う。

苦手な相手がどれだけひどいかにもよるが、自分自身のヒューマンスキルやコミュニケーション能力を駆使してまずは状況の改善を試みることになるだろう。

 

ただし、「もうやっている」という人も多いだろうし、そういった正攻法では改善できなかったためにこの記事を読んでいる方が多いかと思う。

その場合、次に考えるのは「我慢」である。

 

「改善できないのに我慢して意味があるのか?」と思うかもしれないが、状況次第では意味がある。

 

苦手な相手が一人または少数で、我慢していればその人たちが定期異動で去ると思われる場合、我慢する意味が出てくる。

一方で、自分の「忍耐の限界」もあるので、精神が持たなそうなら次の「異動」を検討しよう。

 

齋藤
特に、いわゆる「お局様」は、(総合職と一般職に分かれている会社かどうかに関わらず)一つの職場に長くとどまりがちです。
お局様が人間関係悪化の原因ということは非常に良くありますが、その場合は「異動」もしくは「転職」を第一選択肢とすべきでしょう。

 

人間関係が原因の場合には、「改善」「我慢」「異動」「転職」をフル活用することになる。

「異動」「転職」については、これまでに述べたことと同じである。

 

以下の手段により「異動」の可能性を探りつつ、並行して転職活動を進めよう。

 

  1. 社内制度を利用する
  2. 元の上司に相談する
  3. 人事と話す
  4. 異動先(現在)の上司と話す

 

異動できればそれでよいだろうし、難しければ転職を目指すことになる。

 

齋藤
「人間関係が悪い」を超えて、「上司のパワハラ(もしくはセクハラ)」が理由の場合には、人事部門やコンプライアンス部門への通報が第一選択肢となります。
万が一、こういった通報が機能していない会社であれば、転職をお勧めします。

 

なお、人間関係を理由にした転職については、以下の記事に詳しい。必要に応じて参考にしてほしい。

人間関係に疲れて転職する際に必要な全知識【人事面接官が教える】

 

まとめ

今回は、(異動希望の有無にかかわらず)社内異動で後悔した場合の対処法について解説した。

主に「改善」「我慢」「異動」「転職」を順番に試していくことになる。

 

この中で「転職」は最後の手段という位置づけだが、実際には「転職」一択になる方も多い

 

異動後、環境が変わるだけで辛い中、「改善」のために努力するのは難しい。

「我慢」をし続けるのも辛く、異動直後の再度の「異動」も様々な理由から難しいためである。

 

そんな中、「最後の手段として、私には転職がある」と思うだけで精神的な拠り所になる

実際に転職するかどうかは別として、自分が転職できそうか、どういう選択肢があるのか、一度転職サイトに登録して眺めておくと安心できる。

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