転職活動がうまくいきません。
上司とうまくいかず転職活動を始めましたが、書類選考や面接選考での不採用が続き、気持ちが萎えています。
転職活動がうまくいかない場合に考えられる理由(原因)や対処法を教えてください。
今回のテーマは「転職活動がうまくいかない場合の理由(原因)と対処法」である。
結論から申し上げると「転職活動がうまくいかない理由としては高望みや年齢、対策不足等が存在する。また、対処法に関しても条件の見直しや選考対策、転職エージェントへの相談等が存在する。これらについて、全て本文中で解説していく」という内容になっている。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
この記事を読むことで転職活動がうまくいっていない原因とその対処法がわかり、転職活動の結果を改善させるための方向性が見えてくるだろう。
結論
まず本記事の結論を記載しておく。
項目のみ記載しているため、詳細は本文中で確認していただきたい。
転職がうまくいかない理由(原因)は、以下の通りである。
- 高望みしている
- 年齢が高すぎる
- 訳アリ転職に見える
- 悪い時期に転職活動をしている
- 書類対策か面接対策が出来ていない
- 受け入れられない転職理由を使っている
- 5つの壁を複数飛び越える転職を目指している
転職活動が上手くいかない場合の対処法は、以下の通りである。
- 転職先の条件を見直す
- 長期戦でキャリアを考える
- 好況時に転職する
- 選考対策を万全にする
- 面接官受けの良い転職理由を知る
- 乗り越える壁は2つまでにする
- 転職エージェントに率直な意見をもらう
転職活動がうまくいかない理由(原因)
転職がうまくいかない理由(原因)は、以下の通りである。
- 高望みしている
- 年齢が高すぎる
- 訳アリ転職に見える
- 悪い時期に転職活動をしている
- 書類対策か面接対策が出来ていない
- 受け入れられない転職理由を使っている
- 5つの壁を複数飛び越える転職を目指している
上記の原因について、それぞれ解説していく。
高望みしている
転職がうまくいかない場合、自身の経歴や能力、スキルの割に、転職先やポジションを高望みし過ぎているということがまず考えられる。
様々な記事に書いているが、以下のような会社のランク、いわゆる「社格」を上げるような転職は難易度が上がる。
- ランク3:就職人気ランキング常連の日系大手および外資系大手(日立、トヨタ、三菱UFJ銀行、マイクロソフト、ジョンソンエンドジョンソン、等)
- ランク2:ランク3企業の子会社、日系大手、多くの外資系、ベンチャー企業(日立システムズ、アイリスオーヤマ、グラクソ・スミスクライン、ぐるなび、等)
- ランク1:中小企業を中心とした、上記に入らない全ての企業
また、社格としては全く高望みでない場合でも、希望年収や志望しているポジションを見ると高望みしている場合もある。
基本的に、一度の転職では、現職において1ポジション上がった程度の利益しか受け取れないと思っておいたほうが良いだろう。
年齢が高すぎる
「32歳までに1度は転職すべき8つの理由」等の様々な記事に書いている通り、年齢が高いと転職が不利になってくる面は否めない。
30代後半以降で、キャリアアップを伴う転職をしたい場合には、専門性や実績、マネジメント経験等がほぼ必須となってくる。
例えば、役員として転職する場合は年代として40代・50代が中心になってくることは理解できるだろう。
年齢が高かったとしても、その年齢にふさわしい(とみなされる)経歴やスキルがあれば転職はできる。逆に言えば、それがないと難しいということである。
訳アリ転職に見える
訳アリの転職に見えてしまう場合も、転職がうまくいかないことが多い。
例えば筆者が経験したケースでは、経歴と応募ポジションから訳アリ転職に見えたことがあった。
40代中盤で年収1,400万円程度、役員経験まである方が、当時30歳前後で最大手企業の課長であった筆者の部下として応募してきたのである。
応募ポジションは20代後半程度を想定したポジションだったので、年収は高くても1,000万に満たないレンジであった。
そう考えていくと、転職理由としては(以下のように)かなり深刻なものから、ある程度一般的なものまで、様々な理由が考えられた。
- 早期退職を予定しており、既に消化試合に入っている
- 人間関係のトラブルがあった
- 何かしらの不祥事を起こして辞めざるを得なくなった
しかし上記のどれであっても、ある程度は訳アリの転職に見えてしまう。
採用のミスは部署にとって致命的なダメージにつながることがあるため、こういったリスクのある応募は受けないことが多い。
悪い時期に転職活動をしている
就職氷河期という言葉があるが、転職にも氷河期はある。
筆者がかつて勤めていた最大手企業は、通常は年間数百人の中途採用をしているが、リーマンショック後の一時期は中途採用を完全に凍結していた。
本記事で挙げた他の理由には当てはまっていないのに、転職活動が上手くいかないという場合には、シンプルに時期が悪いという可能性もある。
書類対策か面接対策が出来ていない
転職活動で乗り越えなければいけない関門は、一般に書類選考と面接選考の二つである。
この対策ができていない場合、転職活動は上手くいきにくい。
高望みとは言えない会社やポジションに応募しているのにも関わらず、書類で弾かれ続け、面接で落とされ続けてしまうこともある。
受け入れられない転職理由を使っている
「面接の転職理由、面接官に言ってもいいのはこの3つだけ【裏技あり】」という記事に書いた通り、面接官に受け入れられる転職理由というのは意外と少ない。
受け入れられない転職理由を使ってしまっている場合、面接官は以下のように考えてしまう。
- この人は不満を持ちやすい人なのでは?
- 弊社に入社しても、また同じことが起きてしまうのでは?
その結果、他の「転職活動が上手くいかない理由」には全く当てはまっていなくとも、不採用が続くということがあり得るのである。
5つの壁を複数飛び越える転職を目指している
当サイト「転職参謀」において何度か紹介しているコンセプトに、5つの壁というものがある。
以下の5つがそれである。
- 会社の壁
- 業種および職種の壁
- 言語の壁
- 管理職の壁
- 社格の壁
上記の5つの壁は、一度の転職で複数超えようとすればするほど、転職の失敗率が高まる。
特に3つ以上の壁を一度に超えようとすると、余程のラーニングアジリティ(適応能力+学習能力)の持ち主でもない限り、潰れてしまうことが多い。
転職活動がうまくいかない場合の対処法
転職活動が上手くいかない場合の対処法は、以下の通りである。
- 転職先の条件を見直す
- 長期戦でキャリアを考える
- 好況時に転職する
- 選考対策を万全にする
- 面接官受けの良い転職理由を知る
- 乗り越える壁は2つまでにする
- 転職エージェントに率直な意見をもらう
上記の対処法について、それぞれ解説していく。
転職先の条件を見直す
自分の経歴やスキル等に対して高望みし過ぎであることが原因である場合には、条件を見直すことが有効である。
また、年齢の高さや未経験職種への転職等、自身の側に不利な条件がある場合にも、やはり転職先に求める要件を低く設定し直す必要がある。
長期戦でキャリアを考える
高望みではあるかもしれないが、どうしても行きたい会社や、辿り着きたいポジションがある場合もあるだろう。
そういった場合には、一足飛びにその企業やポジションを目指すのでなく、ステップを踏んで徐々に近づいていくという戦略が有効だ。
詳しくは以下の記事を読んでもらいたいのだが、キャリアアップにはテクニックや裏技が存在する。
これは、ただ単に知っているか知らないかの違いなので、ぜひ知って頂きたいと思う。
好況時に転職する
前述した通り、就職と同じく、転職にも氷河期は存在する。
氷河期まで行かずとも、不況で求人が少ない時期に転職しようとしていることがうまくいかない理由である場合、好況期まで待つというのも一つの戦略である。
筆者の専門である人事や転職ではなく経済の話になってしまうのだが、現在の景気に対する筆者の見解を述べておく。
2022年現在、まだ好況に近い求人状況だが、インフレやそれに対応するアメリカの利上げの影響で急速に不景気に向かおうとしている最中だと筆者は認識している。
選考対策を万全にする
書類対策や面接対策ができていないことが理由である場合には、当然ながら選考対策を万全にする必要がある。
とはいえ、あまり心配することはない。
当サイト「転職参謀」に、人事のプロである筆者が書いた書類および面接対策の記事を公開しているからである。
以下の記事群を参考にしていただければ、転職活動がうまくいかない状況を必ず改善することができるだろう。
面接官受けの良い転職理由を知る
面接官として、また人事として、転職理由の設定が悪いことで転職活動がうまくいってない人はよく見かける。
前述した通り、面接官に受け入れられる理由は多くはないからである。
多くの面接官に受け入れられる理由は、「キャリアプラン系」「ライフプラン系」「本当にヤバい系」の3カテゴリーに分けられる。
もう少し具体的に言うと、以下の理由が受け入れられやすい。
- やりたい仕事がある:キャリアプラン系
- 会社の将来性に不安がある:本当にヤバい系
- 職種の将来性に不安がある:キャリアプラン系
- ブラック企業である、ハラスメントがある:本当にヤバい系
- 幅広い、もしくは深いスキルや経験を積みたい:キャリアプラン系
- ローテーションにより専門性が身に付かない:キャリアプラン系
- 勤務地や転勤制度に不満がある:ライフプラン系
- 著しくヒマである:キャリアプラン系
- 著しく忙しい(残業が多い/休日が少ない):ライフプラン系または本当にヤバい系
- 介護や子供の教育などの個人的な事情がある:ライフプラン系
上記の理由であれば即OKということではなく、一定の説得力は必要である。
場合によっては、完全に嘘にならない範囲で、転職理由を「お化粧」する必要があることもある。
乗り越える壁は2つまでにする
転職活動がうまくいかない理由の一つとして、以下の「5つの壁」を複数超えようとしていることを挙げた。
- 会社の壁
- 業種および職種の壁
- 言語の壁
- 管理職の壁
- 社格の壁
これが原因であると思われる際には、超えようとする壁を一つ減らすと、途端に転職活動がうまく回り始めることがある。
転職する際には①の「会社の壁」は誰でも超えることになるのだが、超えるとしてもあと一つに留めておくべきである。
人事として断言するが、3つ以上の壁を一度に越えようとすると、 転職の成功率は格段に落ちる。
仮に選考に通過し、転職自体が出来てしまったとしても、その後の苦労は非常に大きく、結果として成功しないことが多い。
転職出来てしまったことが不幸につながることすらあるのである。
転職エージェントに率直な意見をもらう
非常に有用だが意外とやる人が少ないのが、この項目である。
転職エージェントは転職活動におけるパートナーである。
転職活動におけるパートナーに対し、転職活動が上手くいかない理由を聞きアドバイスをもらうのは当たり前である。
優秀な転職エージェントであれば、あなたが受けた企業からのフィードバックもきちんともらっている。
あなたの経歴や、あなたとのコミュニケーションの中で、企業から懸念されている部分(≒うまくいかない理由)もよく把握しているはずである。
もしそういった転職エージェントを見つけられていないのであれば、あなたの課題はこの項目にあるかもしれない。
まとめ
転職活動がうまくいかない場合とその対策について、網羅的に記載してきた。
人事として実際に見てきた、うまくいっていない転職活動の原因は全て書いたつもりである。本記事を参考に、自身の転職活動を振り返ってみて欲しい。