会社合併 辞めたい

会社合併で辞めたい方の教科書|辞める割合、理由、選択肢や転職方法まで

悩めるビジネスパーソン
本日、事業部の全体会同で発表があったのですが、私の属する事業部が、まるごと別の大手企業に吸収合併されます。(買収される側です)
雇用は維持され、いわゆる「転籍」(消滅会社を退社して、存続会社に入社することと理解しています)となるようです。
突然のことで混乱していますが、自分の仕事はどうなるのかや、組織改編/人事異動があるのか等が気になり、不安でたまりません。
今まで全く考えていませんでしたが、正直に言って「転職」の2文字が頭をよぎっている状態です。
こういった合併で辞める人って多いのでしょうか?私がとれる選択肢としては何があって、今は何をすべきなのでしょうか?

 

今回のテーマは「会社合併で辞めたいという方に必要な全ての知識」である。

具体的には、会社合併によって辞める方の割合やその理由、採り得る選択肢、辞めたい方に適した転職方法等について記載している。

 

筆者がとある世界的コングロマリットに在籍していた際、主に日立、東芝等の企業とのM&A、特に転籍手続きに人事として携わった。

さらに、合併後の統合フェーズ(PMI)にも関わった。

 

それらの経験を踏まえ、「会社合併で辞めたい方の教科書」と題し、会社合併予定(または既に合併後)で辞めたいと思っている方向けに網羅的なアドバイスをお送りしたい。

 

齋藤
本記事は、これから会社合併が行われる場合、会社が既に合併後(転籍後)の場合、どちらにも対応しています。

 

なお、M&Aについて補足しておくと、M&Aとは「合併と買収」の意味で、今回メインで扱う「合併」を含み、かつそれより広い概念である。

買収とは異なり、合併では「組織を一つに統合する」必要が生じるため、組織内で様々な軋轢が生じ、辞めたくなる方も多くなりがちだ。

 

会社合併で辞めたいと思う人はどの程度いるのか

そもそも会社合併で辞めたいと思う人は、どの程度いるのだろうか。

 

まず、定量的なデータから見えている事実を出そう。

2016年と少し古いが、日系の組織人事コンサルティングファームであるクレイア・コンサルティングの分析である。

 

  • 被買収企業の社員の 4 割以上がM&Aの発表時に転職を考えている。
  • 実際に、社員の約10%がM&Aの発表から 1 年未満で退職。約20%が3年未満に退職している。
  • M&A発表時に社員が感じる不安は「自分の給与や賞与がどうなるか」がトップに。転職を考えた人は、M&A後の会社や事業の方向性がどうなるかへの不安が大きい。
  • 転職せずに留まった人でも、約40%はM&Aが会社にとって有効ではなかったと回答。その理由としては「社内の雰囲気が悪くなった」がトップに。
  • M&A後に社員間の融合や一体化がうまくいっていないと回答している人は、公正な評価・昇格(昇進)・配置への不満が大きい。

出典:意識調査2016分析結果:被買収企業、M&Aの発表を聞いて転職を考える人は4割以上, クレイア・コンサルティング株式会社

 

「発表時に転職を考えた」のが4割、「実際に1年以内に辞める」のが1割、「実際に3年以内に辞める」のが2割ということである。

 

齋藤
個人的にはなかなか衝撃的な数値だと思ったのですが、いかがでしょうか。

 

会社合併の話を聞いて不安になり、「辞めたい」「転職したい」と考えているのだとしたら、それはあなただけではない。

会社合併後に嫌になり、「辞めよう」「転職しよう」と決めたのだとしたら、それもあなただけではない。

 

多くの方がそう考え、実際に転職してしまうような「大きな変化に巻き込まれた」という認識が正しいだろう。

 

会社合併で辞めたいと思う理由とは

次に、会社合併で辞めたいと思う(4割の)方の理由とはなんだろうか。

先ほどのクレイア・コンサルティングの分析結果にもあったが、多くの方は以下を理由に不安を感じる(≒辞めたいと思う)ようだ。

 

  1. 人間関係や雰囲気がどうなるか
  2. 年収(給与や賞与)がどうなるか
  3. 会社や事業の方向性がどうなるか
  4. 仕事のやり方がどうなるか
  5. 自分の組織やポジションがどうなるか

 

実際には、①の「人間関係や雰囲気がどうなるか」はクレイア・コンサルティングの分析結果には記載がない。

しかしながら、「M&Aは有効でなかった」と回答した人の51.7%が理由として「雰囲気が悪くなった」と答えており、これが理由としてダントツのトップであることを考えると、重要だろう。

 

まとめると、会社合併で辞めたいと思う人は、以下のような懸念を持っており、これらが現実化するくらいなら辞めようと考えるようだ。

 

  1. 人間関係や雰囲気が悪くなる気がする(実際、2社の出身者間で軋轢が生じた例は多数ある)
  2. 年収(給与や賞与)が下げられる気がする(労働条件は維持の場合も、落とす場合もある。落とす場合は転籍後に徐々に調整していく例が多い)
  3. 会社や事業の方向性が厳しくなっていく気がする(そもそもテコ入れが必要だから合併していることが多い。ルネサスやジャパンディスプレイ等)
  4. 仕事のやり方が合併先の上司等に否定される気がする(あり得る)
  5. 自分の組織やポジションがなくなる、または格下げになる気がする(あり得る)

 

カッコ内に書いたが、これらは実際に起こりうる。というか、起こる可能性の方が高い。

すでに起こってしまった、という方もいらっしゃるだろう。

 

一般的に、合併に買収を加えたM&Aの成功率は「3割程度」と言われており、上記の不安を抱くのは当然と言える。

 

齋藤
筆者がいた会社はジェントルな会社だったので、「組織的にもポジション的にも年収的にも雇用的にも」吸収した会社を尊重し、ある程度成功しました(と、思っています)。

 

会社合併で辞めたいときの、3つの選択肢(対処法)

吸収合併で「あまり良くない方向に行く可能性」が高いところまでは分かっていただけたと思う。

とはいえ、それに対処するために、一個人には何が出来るのであろうか?

 

以下に会社合併で辞めたいときの、3つの選択肢(対処法)を提示する。

 

  1. 転籍(=合併)してから考える
  2. 早期退職プログラムに乗って転職する(ある場合限定)
  3. 先んじて転職する

 

それぞれ解説していく。

 

齋藤
すでに会社合併が済んでおり転籍している方は、次の項「会社合併で辞めたい場合にすべきこととは」まで飛ばしていただいても結構です。

 

【1】転籍(=合併)してから考える

転籍してみてから考えると言うのも悪い手ではない。

実際、「既に転職済」という方もこの記事を読んでくださっていると思う。

 

「転籍から3年間で2割が転職」ということはつまり「8割は転職していない」のだし、転籍して悪くなると確定しているわけでもない。

 

かつ、もし悪くなったら、その時に転職すればいい。

すぐに転職カードを使わなかったからといって、永遠に使えなくなるわけではないのである。

 

齋藤
良くなるか悪くなるか分からないとき、「実際にどうなるか、状況を見極める」のは合理的な対応です。

 

【2】早期退職プログラムに乗って転職する(ある場合限定)

もし存在するのであれば、早期退職プログラムに応募するという選択肢もある。

 

齋藤
早期退職制度には多くの場合、年齢制限や勤務年数などの適用条件がありますので、それに当てはまる方限定です。

 

注意点はひとつ。

「本来であれば、転職活動などしたくない」という方がお金に目がくらんでこの選択肢を選んだ場合には、後悔する可能性が高いということだ。

 

そうならないよう、自分の退職までの年数と生活水準(費用)を考慮し、ライフプランを立てて検討する必要がある。

「早期退職支援金をもらえたら一生働かなくて済む」などという人はほぼいない。

 

一方で、「合併を聞いてすぐに転職を考えた」という方が選ぶ場合の選択肢としては、おトクである。

プラスアルファのお金付きで次の3番(=先んじて転職する)が選べるためだ。

 

齋藤
会社によっては、早期退職支援金のほかに、リクルートキャリア等による再雇用支援サービスを付けてくれる場合もあります。

 

【3】先んじて転職する

以下のような方は、早期退職プログラムに乗る資格がある場合を除き、普通の転職を選ぶことになるだろう。

 

  • 転籍(合併)で「悪くなる」という確信がある方
  • 合併と関係なく、そもそも転職を考えていた方

 

こういった方であれば、先んじて転職するのも当然アリである。

 

会社合併で辞めたい場合にすべきこととは

前項にて、会社合併で辞めたいときの3つの選択肢(以下)を提示した。

 

  1. 転籍(=合併)してから考える
  2. 早期退職プログラムに乗って転職する(ある場合限定)
  3. 先んじて転職する

 

既に書いたが、このどれもアリである。

ただ、「とるべき選択肢(=辞めたい場合にすべきこと)」は、状況によって以下のように異なる。

 

  • 【大規模M&Aの場合】早めに転職活動を始めなくていいのかを検討する
  • 【20代かつ現職3年以上の方】転職の良いタイミングではないのかを検討する
  • 【転職を決めている方】「求人」「転職エージェント」の量と質を充実させる
  • 【現職が長い方】早急な転職をしてよいのかを再検討する
  • 【全員】ダラダラ転職をすぐに開始する

 

それぞれ解説していこう。

 

【大規模M&Aの場合】早めに転職活動を始めなくていいのかを検討する

まず、今回の合併劇が、大規模なものである場合。

つまり、かなり大きな組織(会社全体や事業本部レベル等)がM&A対象である場合である。

 

ここで、巻き込まれる社員の4割が「転職を考える」、2割が「実際に3年以内に転職する」ことを考えてほしい。

大組織が合併されること、そして多くの転職者が生じること、これを考え合わせるとあなたと同じようなキャリアの人間が転職市場に溢れるということになる。

 

合併の規模によっては「早く転職し始めたもの勝ち」になり得るということである。

 

【20代かつ現職3年以上の方】転職の良いタイミングではないのかを検討する

20代の転職は、他の年代に比べ本当にリスクが少ない。

短期離職になってしまってはキャリア上問題だが、3年以上在籍しているのであれば、転職のタイミングかもしれない。

 

以下は、筆者が現在の20代の転職について考えていることである。

 

  • そもそも現在の20代は、いつかは転職することになる。
  • いつかは転職するのであれば、20代が転職に最適である。

 

上記の理由は以下の記事に書いた。もしあなたが20代であれば読んでおいて損はないと思う。

 

20代で2回転職した人事面接官が語る、20代転職にデメリットがない理由

 

【転職を決めている方】「求人」「転職エージェント」の量と質を充実させる

もし転職を決めているのであれば、成功のためには良い求人や良いエージェントが欠かせない。

転職活動の成否は、「求人」「転職エージェント」の量と質で決まる。

 

そして、その確保のために必要なのが、転職サイトへの複数登録である。

転職サイトごとに、掲載している求人や活動している転職エージェントが異なるためだ。

 

筆者の実感として、転職サイトを3つほど使いこなすことで、転職成功率が2倍になる

 

プロのおすすめ転職サイト。この3つだけで転職成功率を2倍に

 

【現職が長い方】早急な転職をしてよいのかを再検討する

現職が長い方、具体的には15年以上在籍期間がある方(特に40代後半~50代の方)は、早急に転職に動くのはやめた方がいい可能性がある。

気を悪くされるかもしれないが、良くも悪くも完全に現在の環境に適応してしまっているはずだからである。

 

例えば、転職が100%の環境変化だとしたら、転籍(合併を受け入れること)は50%の環境変化である。

知っている同僚が全て入れ替わったりはしないだろうし、あなたの会社の雰囲気も一瞬でなくなるわけではない。

 

早急に転職し、新しい環境になじめず「戻りたい…」と後悔するくらいであれば、いったん転籍して様子を見るほうがよい。

ダメだった時でも転職は出来るのだ。それでも遅くない。

 

【全員】ダラダラ転職をすぐに開始する

すぐに、かつ全員にやっていただきたいのが、ダラダラ転職である。

ダラダラ転職とは、一言で言えば「転職サイトに登録して、あとは放置」する転職活動の手法である。

 

転職がめんどくさいという方へ。ダラダラ転職のススメ。

 

これのどこが良いのかと言えば、「放置している間に良い求人と良い転職エージェントがストックされていく」ことである。

転職すると決めた方はもちろん、迷っている方でも、「やっぱり嫌だ!やめよう!」となった際、良い求人と良い転職エージェントがストックされているのとないのとでは大違いである。

 

  • 出て来るのに何か月もかかる良い求人(=合格可能性があり、条件も良い求人)
  • 10人に1人程度の確率でしか出会えない良いエージェント(=良い求人を紹介してくれる、有能で相性の良いエージェント)

 

「すぐにでも辞めたい」と思ったとき、上記をイチから探すのは苦行であり、非効率すぎる。

 

 

まとめ

転籍してから考える、早期退職プログラムに応募する、転職する、どれもアリである。

 

ただ、いずれを選ぶにせよ、転職サイトに登録して求人とエージェントをストックするのは早ければ早いほどいい。

今からの時間の中では、常に今が一番早いのである。

 

プロのおすすめ転職サイト。この3つだけで転職成功率を2倍に

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