転職で高給取りになりたいと思い「転職 高給」で検索したのですが、欲しい情報が得られず、困りました。
出来高制の怪しい営業とか、なれそうもない職種の情報ばかり。転職で「現実的に」少しでも高給になる方法について知りたかったのですが…。
普通の会社員が、転職で高給取りを目指すにはどうしたらいいのでしょうか?
今回のテーマは「転職で高給取りになる方法」である。
とはいえ、「完全歩合制の営業で億単位の売上をあげれば、年収は軽く3,000万以上」のような、事実ではあるが役に立たない情報を提供するつもりはない。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
この記事を読むことで、高給取りに近づくにはどうすればよいかの基本戦術が理解でき、キャリアアップの具体的なイメージを持つことが出来るだろう。
【前提】職種は変えづらく、今更難関資格は取れない。現実解が必要
本記事の前提を少しだけお話ししてから始めたい。
高給取りに転職する方法はネット上にあふれているが、筆者自身が検索してみたところ以下のようなものが多い。
- 出来高制の営業の求人
- 職種や業種の高年収ランキング(ファンドマネージャーやMR等)
- 投資銀行や戦略コンサルに誘導するもの
- 難関資格が必要な職業に関する情報(公認会計士等)
ランキングに沿って今からファンドマネージャーやMRを目指すのか?また、出来高制の営業で生き抜ける人間はごく一部だ。
投資銀行や戦略コンサルは基準となる学歴が東大である。公認会計士等の資格勉強は半年~2年程度に及ぶ。
筆者の見る限り、活用できる人はごく一部の方だけだろう。
よって、本サイト「転職参謀」においては現実解(=普通の会社員が転職で高給取りになる、現実的な方法)を提示したいと考えた。
結論
筆者が提示する普通の会社員が転職で高給取りになる、現実的な方法は以下の4つである。
- 同職種で外資系に転職する
- 同職種で異業種に転職する
- 昇格(昇進)の直後に転職する
- 社格を落とした転職でポジションと高給を取りに行く
【解説】普通の会社員が転職で高給取りになる、現実的な4つの方法
前項でご紹介した4つの「普通の会社員が転職で高給取りになる、現実的な方法」について解説していく。
【1】同職種で外資系に転職する
まず、外資系への転職である。
日系と外資系の間には、同じ業種・同じ職種・同じレベルの役割であったとしても、「外資系プレミアム」「英語プレミアム」とも言われる給与差があることが多い。
ここで、ビジネス英会話が必要なのであれば、「普通の会社員」とは言えないだろう、と思った読者も多いかもしれない。
職種にもよるが、外資系であっても部長になる前くらいまでは英語はあまり必要ないことが多い。ほとんど必要ない場合もある。
実際、外資系を渡り歩いてきた人であっても、英語を話させるとかなりひどいレベルにある人も多い。
本当に「最初から」「ビジネスレベルの流暢さ」である必要があるポジションというのは、筆者の感覚では外資系求人の1割以下である。
英語を話す機会はほとんどなく、たまにあっても「事前にスクリプトを用意すればOK」なポジションも多い。
社内資料等は英語も多いですし、ごくまれに英文メールは書きましたが、それだけです。
たまに、「英語必須なポジションに採用されて、あとから困るのでは?」と心配する方がいるが、大丈夫だ。
そういったポジションでは、面接で英語力について話すし、英語面接がある場合も多い。心配しなくても、適切な英語力がないとみなせば「入ってから苦労する」前に落としてくれる。
外資系転職で高給を目指してみたい方は、以下の記事を参考にしてほしい。
>>外資転職の教科書
【2】同職種で異業種に転職する
日本では職種別の給与を採用していない企業が多く、採用しているとしても「エンジニア」「事務系(コーポレート系)」程度にしか分かれていない制度も多い。
結果として、給与が職種ではなく業種で決まっている。
つまり、高給になるためには高給の業種に移ればよいということである。
有名なのは、金融業や医薬品業、IT・通信業である。
営業であろうが、経理であろうが、人事であろうが、例えば「飲食業」「サービス業」等から「金融業」に転職すると、(会社にもよるが)給与は上がるケースがほとんどだろう。
異業種転職について、詳しくは以下にまとめている。異業種転職で高給を目指してみたい方は、以下の記事を参考にしてほしい。
>>異業種転職の教科書|成功率やメリット、失敗しないための対策、おすすめの業界まで
【3】昇格(昇進)の直後に転職する
転職テクニックとして、昇格(昇進)の直後に転職する、というのは一気に年収を伸ばす方法の一つである。
通常、転職者を受け入れる企業は、現年収を基にプラスアルファで提示することが多い。
その「現年収」が大きく上がったとき(=昇格時)に転職をすれば、昇格分と転職分の合計、つまり一気に2段階の給与アップを狙うことが出来る。
例えばだが、以下のように半年程度で数百万円の年収アップも十分可能だ。
- 人事係長・年収900万(2019年3月)→人事課長・年収1200万(2019年4月)→外資系人事マネージャー・年収1350万(2019年9月)
- 経理担当者・年収600万(2018年1月)→経理セクションリーダー・年収750万(2018年4月)→ベンチャー経理マネージャー・年収850万(2018年7月)
実際、「昇進して転職、昇進して転職」のサイクルは、最速で年収を上げてゆく王道の手段である。
このサイクルでは、転職時に「各企業で成果を出して昇進している」と評価されるので、たとえ転職が多くとも年収を上げての転職がしやすい。
【4】社格を落とした転職でポジションと高給を取りに行く
中小企業やベンチャー企業が、大企業出身者のノウハウを求めていることは多い。
実際、大企業出身者が中小企業やベンチャー企業に転職する際は、ポジションが上がることが多く、同時に給与が上がることもある。
このように、いわゆる「社格」を落とした転職により、ポジションを上げて高給を取りに行くのは有効である。
ただし、ここで注意点がある。
社格を落とす際に、大企業から中小企業やベンチャーに行く場合には「大企業から中小企業・ベンチャー企業への転職で戸惑いがちなことと成功のポイント」を読んでおいてほしい。
また、中小企業やベンチャーは「人がどんどん辞めていく会社にありがちな7つの社風」を満たしている可能性も高いので、次の次の転職をすることになったらどうするかも考えておくと良いだろう。
ベンチャー転職で高給を目指してみたい方は、以下の記事を参考にしてほしい。
>>ベンチャー企業への転職の教科書|気を付けるべき点と成功のポイント
まとめ
転職で高給になる、の定義が「年収5,000万以上欲しい」ならば、投資銀行や戦略コンサル、歩合制の営業パーソンになる必要がある。
しかしながら、1,000万~2,000万程度であれば、本記事のテクニックで十分対応可能である。