第二新卒だからといってどの会社でもいいとは思っておらず、できれば人気の大手企業に入りたいと思って転職活動をしています。
とはいえ、第二新卒用のエージェントを使って活動しているのですが、人気の大手企業の求人自体がほとんど見つかりません。
第二新卒は大手に転職できないのでしょうか?第二新卒が大手に転職する方法を教えてください。
今回のテーマは「第二新卒が大手に転職する方法」である。
結論から申し上げると「2023年現在、第二新卒が普通に転職活動をしていると、いわゆる『人気の大手企業』には転職できない可能性が高い。大手を狙っている場合には、第二新卒向けの転職サービスを使わずに転職活動をする必要がある」という内容の記事になっている。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
この記事を読むことで、第二新卒であっても人気の大手企業に転職する方法が分かり、キャリア初期でのつまづきを防ぎ、キャリアを軌道に乗せることが出来るようになるだろう。
第二新卒専門の転職エージェントに大手の求人が少ない理由3つ
2023年現在、 第二新卒の方が転職活動をする場合、第二新卒専門の転職エージェントを使うことになることが多い。
実は、このことが「第二新卒が大手企業に転職できない」という事態を引き起こしている原因である。
その理由はシンプルで、第二新卒専門の転職エージェントには、人気の大手企業の求人が少ないからである。
第二新卒専門エージェントに、人気の大手企業の求人が少ない理由は、以下の通りである。
- 新卒をいくらでも採用できるため、第二新卒の採用ニーズがないから
- 人気の大手企業には、未経験可の求人自体が少ないから
- 第二新卒専門のエージェント特有の「書類選考なし」等の条件は認められないから
わかりやすい例で言えば、トヨタやソニー、三菱商事や東京海上などがそれにあたります。
新卒をいくらでも採用できるため、第二新卒の採用ニーズがないから
人気の大手企業では、控えめに言っても新卒採用で採り放題という状況である。
「良い学生が採れない」などと愚痴っている大手の人事も見かけるが、実際には他社よりも圧倒的に有利でラクな新卒採用をしている。
人気の大手企業では、新卒の学生をいくらでも採用できるだけではなく、年収や社内の環境もある程度良いため、離職率も低い場合が多い。
その結果、第二新卒で補充するという採用ニーズがあまり出てこないのである。
よって、人気の大手企業が第二新卒専門のエージェントに求人を預けることはほぼないと言える。
人気の大手企業には、未経験可の求人自体が少ないから
人気の大手企業には、未経験可の求人自体が少ない。
そもそも、「未経験の人間と経験者、どちらが良いか」と言われたら、普通の会社であれば経験者を採るものである。
つまり、「未経験可」という条件自体が、経験者を採ろうとしてもなかなか採れないがゆえに言い出した、弱者の採用戦略だとも言えるのである。
人気の大手企業では、そういった弱者の採用戦略をとる必要はない。
自社の文化を植え付けられる若手は新卒採用で採用し、抜けてしまったポストは他社で鍛えられた経験者で埋めるという、当然といえば当然の戦略がとれるからだ。
よって人気の大手企業は、未経験可の求人しか出せない第二新卒専門の転職サイト・エージェントは使わないのである。
第二新卒専門のエージェント特有の「書類選考なし」等の条件は認められないから
リクルートが運営している第二新卒専門のエージェント大手「就職Shop」では、全ての求人案件が書類選考なしで受けられるということになっている。
第二新卒専門の転職エージェントでは、扱う求人にこういった条件が課せられることが多い。
こういった条件が課せられてでも第二新卒を採りたいという会社であれば、喜んでこの条件を飲むだろう。
しかし何度も言っているように、人気の大手企業には第二新卒を採らなければならないニーズ自体があまりない。
よって、人気の大手企業が「書類選考なしで面接しなければならない」 などという条件を飲んで第二新卒専門のエージェントを使うことはあり得ないのである。
第二新卒の転職で大手企業に入る方法
第二新卒の転職で大手企業に入る方法は、難しくない。
本項では、第二新卒の転職で大手企業に入る方法と、その際の注意点について解説する。
第二新卒専門エージェントを使わなければ、道は開ける
第二新卒の転職で大手企業に入る際に気を付けるべきことはたった一つであり、それは「第二新卒専門エージェントを使わないこと」である。
理由は単純で、第二新卒専門のエージェントを使ってしまうと、人気の大手企業以外のところで内定してしまうからである。
ここで注意していただきたいことは、筆者は第二新卒専門のエージェントを否定しているわけではないことである。
第二新卒専門の転職エージェントを使えば、確かにほとんどの候補者に何らかの職が見つかる。その意味で、第二新卒専門のエージェントには存在意義があるし、実際に当サイト「転職参謀」でも紹介している。
>>第二新卒・既卒・フリーター・ニート向け転職(就職)サイト・エージェントおすすめ厳選3つ+α
しかしながら、第二新卒の大多数に合わせた求人ラインナップになっているため、「大手の人気企業に行きたい」というニーズには応えられていない。
そのニーズに応えようとすると、(第二新卒の転職大手の就職Shopの場合には)「書類選考なし」の看板を外さなければならなくなったり、第二新卒の中でもハイクラス層に特化せざるを得なくなったりするからである。
結論から言えば、第二新卒で大手に転職したい場合には、普通の「20代」向けの転職サイト・エージェントを使えばよい。
例えば、リクナビNEXTで知り合ったエージェントに、「大手企業に行きたい」と伝えて、大手企業を片っ端から受けるというのが王道である。
第二新卒の転職で大手企業に入る際の注意点2つ
第二新卒の転職で大手企業に入る際には、注意点が2つある。
- 新卒で入るのに必要なレベルの学歴は必要。場合によっては社格も見られる
- ある程度の不採用・不合格や、長期戦を覚悟すべき
前項で書いた、20代向けエージェントに「大手企業に行きたい」と伝えて、大手企業を片っ端から受ける、という方法は王道である。
これしか方法はないのだが、それでも「これだけで大手に入れるなら、全員が大手に入っている」と思う人もいるだろう。
ある意味では、それは正しい。
実際、例えば新卒で早慶レベルの学歴が必要な大手には、第二新卒でも同じレベルの学歴が必要である。また、一度は就職しているので、新卒入社した会社のレベル(社格)を見られる場合もある。
さらに、学歴・社格を満たしていても、20代後半を含めた経験者と競合することもあるため、ある程度の不合格(不採用)や、長期戦を覚悟しなければならない。
この注意点を満たせないようであれば、以下の記事に書いたように、一足飛びに大手企業に入ろうとせず、徐々にキャリアアップしていく方法をとるのが現実的である。
>>キャリアアップするには?キャリアアップに必要な全プロセスを人事プロが解説
まとめ
第二新卒専門のエージェントが増えてきた2023年現在、第二新卒が普通に転職活動をすると、大手には入れない。(というか、大手以外に採用されてしまう)
大手に入りたいのであれば、20代向けの転職サイト・エージェントを使って、辛抱強く活動することである。個人的には、20代にはリクナビNEXTがもっともおすすめだ。