【給与公開】出世で給与を上げるのは本当に大変か

筆者はキャリア戦略コンサルティング、特にその中でも「出世戦略コンサルティング(転職によるキャリアアップを含む)」を専門領域の一つとしている。

おそらく、それを聞いた読者の頭には、以下のような問いが去来するであろう。

 

  1. 「出世の方法を教える」などということが可能なのか?
  2. そもそも出世して意味(メリット)があるのだろうか?

 

2つ目の問いは多面的であり、様々な切り口(お金、ワークライフバランス、満足度、自己実現等)を持つ。

今回はこの2つ目の問い、つまり「そもそも出世して意味(メリット)があるのだろうか?」について、「お金」の面に絞って考えてみたい。

 

出世により稼ぎを増やすことの有効性や効率性」が今回のテーマである。

 

「昇給は大変だが、副業で月収を上げるのは簡単」か

「出世」の有効性や効率性を検証するには、出世以外の「稼ぎを増やせる何か」との比較が必要である。

このとき多くのビジネスパーソンが比較するのは、おそらく「副業」であろう。

 

副業について、まず昨今(2021年2月現在)の情勢から考えてみよう。

 

コロナの影響もあり、大企業が副業解禁に動いている。

Yahoo!やメルカリ、DeNAのようなIT大手はもちろんのこと、ANAやキリンホールディングス、アサヒビール、みずほフィナンシャルグループ、SMBC日興証券のような伝統産業(機密保持が重要な産業を含む)に属する大手企業までが副業を解禁し始めた。

 

これは企業にとっては「人件費削減の口実」であることもあるし、「労働者にとっての会社の魅力訴求」のためであることもある。

 

企業以外でも、副業に肯定的な意見を述べる人間は多く、以前にも増して増えてきている。

そんな中、副業を推進する側の言説として、以下のようなことがよく聞かれる。

 

  • 昇給するのは大変である。月に1万円昇給するだけでも一苦労である
  • 一方で、副業であれば月数万円は努力次第で誰でも到達できる

 

後者(副業で数万円は誰でも到達できる)の妥当性については後ほど検証するとして、前者の「月に1万円昇給するだけでも一苦労」は本当なのだろうか?

 

平均的な昇給は年1万円程度

まず、世間的には「本当である」が答えだろう。

 

以下は転職サイト大手「doda」による、20代の年収データの調査結果である。

(2018年9月~2019年8月の1年間にdodaエージェントサービスに登録した人の平均年収データを引用)

 

20歳279万円
21歳277万円
22歳280万円
23歳294万円
24歳322万円
25歳344万円
26歳363万円
27歳378万円
28歳390万円
29歳402万円

 

少し古いデータだが、(残念ながら)日本の年収は10年単位で大きな変化がないので問題にならないだろう。

さて、279万円から402万円まで9年間で年収にして123万円が上昇しているが、これは一年あたり約13.7万円である。これを12で割って月に換算すると、11,388円となる。

 

つまり、1年間頑張っても、月収という意味での昇給は「1万円」程度なのである。

今年が月収23万円ならば、来年24万円。再来年は25万円・・・という程度にとどまる。

 

これだけを見ると、出世により月収を1万円上げるのは確かに一苦労であるように見える。

 

本気で出世を目指した時の昇給は? 自身の年収を公開

しかしながら、ここで断言したい。

そもそも多くのビジネスパーソンは出世(やキャリアアップ転職、そしてそれによる給与アップ)を目指していない。

 

「出世や転職で給料が上がったらいいな」とは誰もが思っているが、それに向けて具体的に行動し続ける人は少ないのだ。

 

齋藤
周りの人は、なぜ出世に向けて具体的に行動しないのだろう。
これは、出世を本気で目指して10年間サラリーマンをした筆者がいつも思っていたことです。

 

それでは、本気で出世を目指した場合にはどれだけの昇給になるのだろうか。

筆者自身の例を公開しよう。

 

筆者が新卒入社だった時、1年目の年収は250万円程度(月収で約21万円)であった。

これは、初任給という意味ではかなり一般的な金額だと思う。(尚、リーマンショック後だったので、残業はほぼ禁じられていた)

 

社会人10年目時ではどうかというと、年収にして1,800万円程度まで増加した。

新卒入社時と31歳時の所属企業は異なるが、どちらも日系企業であり、高給といわれる金融やコンサルではなく、歩合制(インセンティブ)によるものでもない。

 

これを9年間で平均すると、毎年170万円ずつ年収が増えている

月収に換算すると、「毎年、月額給与が14万円ずつ増えている」ことになる。

 

齋藤

現在のあなたの月収が23万だとしたら、来年は37万です。再来年は51万、その次は65万円になります。

 

これは私の例でしかない。

しかしながら、程度の差はあるとしても、これは他の方でも再現可能であると明確に申し上げておきたい。

 

出世は運ではなくスキルであり、転職によるキャリアアップも含めれば「今の会社では無理」ということも理由にはならないためである。

毎年月給が14万は上がらないにしても、同じようにすれば誰でも年間数万円ずつ増えすことは可能であると確信している。

 

今後、「出世はスキルである」ということ、そして出世のためのスキルそのものをこのサイトを通じてお伝えしていきたいと思っている。

当サイトの「出世」に関する記事はこちら

 

副業月収の9割は10万未満。しかもキャリア資本にならない

対して、副業はどうか。

本当に、副業であれば月数万円は努力次第で誰でも到達できるのか。

 

株式会社GVが全国の副業経験者1000人を対象にしたアンケート結果によると、副業にトライして月10万稼げるのは1割程度である。

 

そういう意味では、「月数万円は努力次第で誰でも到達できる」は誤りで、月数万も稼げれば副業としては大成功と言っていいだろう。

しかも、そこにたどり着くまでに何年もかかっている方も多い。

 

その上、出世とは異なり、副業はキャリア資本として積み重ならない

 

出世することで達した収入は、若干のアップダウンはあるものの転職してもその水準か、それ以上の給与が得られるだろう。

自分の中にキャリア資本が確立した(=自分の市場価値が積み重なった)からである。

 

しかしながら、副業はそうではない。

月1万円稼げる副業ができても、それを守ることで精一杯になってしまう人がほとんどである。だから月10万円以上稼ぐ人が1割しかいないのである。

 

月10万円稼げる副業ができたら、次はその10万円を守らねばならない。

副業収入というのは「小規模」かつ「事業」であるため、浮き沈みが非情に激しいのである。

 

こう見ていくと、「出世」の有用性が分かってくるはずだ。

もしうまく出世が出来れば、「毎年毎年、大成功した副業が1つずつ積み重なっていく」ようなものなのである。

 

「出世を諦めて副業」ではなく「出世してから副業」

ここまでで述べたとおり、出世は非常に有効なお金の稼ぎ方である。

惰性でビジネスパーソンを続けるのではなく、本気で出世を目指せば、大抵の副業を上回る勢いで収入が増えていくし、「一度増えたら簡単には減らない」という特長を持つ。

 

齋藤
もちろん、副業がダメだとは言いません。
しかしながら、多くの「安定や収入の分散を求める」人にとっては、副業よりも出世の方が適しているのではないか、ということをお伝えしたかったのです。

 

それに加えて、出世には副業にプラスの効果がある。

出世し、ビジネスパーソンとして成功すると、参入できる副業の幅が広がるのだ。

 

例えば、出世の中で得た実績や経験、知識を持って副業を行うことで、月に数百万単位で稼ぐことも可能である。

HiTalentやサーキュレーションのようなプロ人材のプールに登録できるようになるし、例えばHiTalentだと「人月200万円以上の案件のみ」になっているため、工数20%で働いても月に40万も稼げる。

 

他にも「スポットコンサル」という稼ぎ方があり、キャリアによっては時給3~10万の案件が毎日入るような稼働の仕方をすることも可能だ。

これも、出世してレアな経験をしていなければ参入できない。(もしくは、しても儲からない)

 

 

「出世を諦めて副業」している人が多いが、多くの場合、それは間違っている。

「出世してから副業」すべきなのである。

 

まとめ

最後に、今回お伝えしたかったことをまとめて記載しておく。

  • 出世(転職を含む)によって月収を毎年10万円以上増加させていくことは可能である。出世による昇給は大抵の副業を圧倒するスピードや確実性を持つ
  • さらに、出世によるキャリア資本には「積み上がるうえに減らない」という(副業に対する)優位性がある
  • よって安易に副業を始めるのではなく、自身のキャリア資本を最大化すべく、出世戦略を練るのがよい。「出世を諦めて副業」ではなく、「出世してから副業」することをおすすめしたい

 

なお、筆者のいう「出世」は会社の中で昇進することだけではなく、適度に転職を織り交ぜることが前提にある。

転職をしない場合の「出世」、つまり同一企業内の昇格と昇給のみで年収を上げて行くのは、正直キツい(というか、遅い)場合が多いだろう。

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