JACという企業の特徴、そこに在籍する転職エージェントの特徴の両方が知りたいです。
使ってみようかどうか迷っているので、忌憚のないご意見をいただけますと幸いです。
今回のテーマは「転職エージェントであるJACリクルートメントの特徴」である。
結論から申し上げると「JACリクルートメントは日本最大の売上高を誇る転職エージェント。非公開求人・ハイクラス・外資系・グローバル日系大企業等の強みがあり、両面型なので企業の声を直接聞けるのが大きい。本記事ではエージェントとしての特徴を網羅的に解説する」という内容になっている。
また、特徴に限らず、JACリクルートメントの評判について網羅的に知りたい方は、以下の記事をお読みいただければと思います。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
この記事を読むことで、JACリクルートメントの転職エージェントとしての特徴が分かり、自分自身がJACリクルートメントを利用すべきかどうか結論が出せるようになるだろう。
結論
まず結論からいこう。
JACリクルートメントという転職エージェント企業そのもの、および在籍するエージェントたちの特徴は以下である。
- 国内最大の転職エージェントである
- 非公開求人(転職サイトに掲載されていない求人)が多い
- 外資系・グローバル日系大企業に強いが、ベンチャー企業に弱い
- ハイクラス・ミドルクラスに強いが、意外に第二新卒レベルの求人も豊富
- 「両面型」のエージェントであり、企業のニーズに詳しい
- 誠実である。イマイチなエージェントもいるが、すぐいなくなる
上記の特徴について、本記事にてそれぞれ解説していく。
【1】国内最大の転職エージェントである
JACリクルートメントはリクルートやマイナビほどの知名度はなく、どんな企業なのか知らない人も多い。
しかしながら、JACリクルートメントは、実は日本国内最大の転職エージェント企業である。
JACリクルートメントは、ホワイトカラーの人材紹介のほぼ専業の事業者として、上場企業の中で、日本国内一の売上高を維持している。
出典:矢野経済研究所『人材ビジネスの現状と展望』
JACリクルートメントは全国に以下の9拠点を持っており、地域的には日本のほぼ全体をカバーしている。
東京、さいたま(北関東)、横浜、静岡、名古屋(東海)、大阪、京都、神戸、広島(岡山)、福岡
ここで重要なことは、JACリクルートメントは転職サイトではなく転職エージェント企業であるということだ。
転職サイト(例:リクナビNEXT)は、プラットフォームとして自社のWebサイトを持っている。
このリクナビNEXTに企業(例:ソニー)や転職エージェント(例:JACリクルートメント)の持っている求人を掲載させ、掲載料をとるのが仕事だ。
一方、JACリクルートメントは転職エージェントの最大手である。
企業(例:ソニー)から求人を預かり、その求人に合う人材をリクナビNEXTに入り込んで探したり、自社への登録者から探したりするのが仕事だ。
ユーザー(求職者)目線で言えば、転職サイトの方が探せる求人が幅広い一方で、JACのような転職エージェントは希望に近い求人をエージェントの方から提案してくれるというメリットがある。また、転職エージェントは選考対策や年収交渉などのサービスも行ってくれる。
このように転職サイトと転職エージェントは機能が違うので、どちらも利用するのがおすすめである。
>>転職エージェントは複数利用すべきか、注意点と選び方【プロが端的に解説】
【2】非公開求人(転職サイトに掲載されていない求人)が多い
JACリクルートメントが企業から預かっている総求人数は25,000件、うち6割程度は非公開求人であると言われている。
JAC Recruitmentは、これまで日本で30年以上、約25,000件もの求人案件数があり、あらゆる業界・職種の企業から求人をお預かりしています。そのため、専門職や管理職の方であっても、1人1人に合った求人のご案内が可能です。
出典:JACリクルートメント 公式サイト
つまり、単純に考えるとJACリクルートメントが保持する非公開求人数はおよそ15,000件ということになる。
これは、あらゆる企業や転職エージェントの求人が掲載される転職サイト(リクルートやマイナビ等のサービス)に比べると少ないが、単一のエージェントとしては驚異的な数である。
中小の転職エージェントになると、1人のエージェントが3~5ポジション程度の候補者を必死に探している場合も多い。
JACリクルートメントでは、興味のある業界の興味のあるポジションがすぐに出てくるという特徴がある。
しかし、JACリクルートメントは「求人の量と質」を双方高いレベルで維持した、特殊なエージェントだと言えるでしょう。
【3】外資系・グローバル日系大企業に強いが、ベンチャー企業に弱い
JACリクルートメントの「企業タイプ」別の強み領域は2つある。
それは、外資系とグローバル日系大企業である。
特に、外資系については「JACインターナショナル」という外資系専門の子会社も立ち上げるほど強い。
とはいえ、JACリクルートメント自体は日系企業であり、社員のエージェントもほとんどが日本人であるため、エージェントと話すのに英語力は必須ではない。
>>JACリクルートメントは外資系に強い?外資系求人しかない?英語は必要?プロが解説
また、JACリクルートメントはグローバル日系大企業にも強い。
筆者が製薬系企業にいた時に紹介された具体的なグローバル日系大企業の例を挙げると、以下である。
- 武田薬品工業株式会社
- アステラス製薬株式会社
双方、日系の製薬企業としてはトップクラスであり、平均年収は1,000万円を超える。特に武田薬品はグローバルの売上トップ10に入っている。
JACリクルートメントは、各業界でこのような非公開求人を大量に保持している。
また、あまり言われていないがJACリクルートメントには弱点もある。
それがベンチャー企業である。JACリクルートメントは、ベンチャー企業とはあまり付き合いがなく、注力もしていない。
「JACリクルートメントとビズリーチは比較するのではなく複数利用すべき理由をプロが解説」にも記載したが、ベンチャー企業に興味があるならJACリクルートメントは適切ではない。
ビズリーチにはベンチャー企業を専門とするエージェントが多数参加しているので、その場合はビズリーチを使うべきだろう。
【4】ハイクラス・ミドルクラスに強いが、意外に第二新卒レベルの求人も豊富
JACリクルートメントの「年収帯」の強み領域は、ハイクラス・ミドルクラスである。
実際、公式サイトにもハイクラス・ミドルクラス転職の顧客満足度における実績(オリコン)が記載されているほか、以下のような記載もある。
管理職クラス、外資系企業、海外進出企業などハイクラスの転職支援に強みを持っています。
出典:JACリクルートメント 公式サイト
実際には、JACリクルートメントは第二新卒に強いという評判・口コミも散見される。
64名無しさん@引く手あまた2017/04/15(土) 22:32:23.78ID:UBVRsUnM0
第二新卒だが良案件ドカスカよこしてくれる。
ここで評判悪いのびっくり。
83名無しさん@引く手あまた2017/05/12(金) 21:54:36.85ID:aq42f4i20
JACは第二新卒しか興味ないから。
売れる奴しか相手にしてくれない。
引用元:5ちゃんねる JAC Recruitment 1社目
「JACリクルートメントの年収は?JACの求人の年収帯、エージェントの年収の両方をプロが回答」に記載したが、実際の求人を見ても、500~800万円という年収レンジの求人は非常に多かった。
転職後に年収500万円と考えると、JACリクルートメントに登録する際の実際の年収下限は「400万円程度」だと考えられる。
よって、ハイクラス・ミドルクラスに強みを持ちながらも、実際には第二新卒からハイクラスまで幅広く求人を保持しているエージェントだと言える。
【5】「両面型」のエージェントであり、企業のニーズに詳しい
JACリクルートメントを最も特徴づけるのが、「両面型」のエージェントであることだ。
両面型というのは、企業から求人を預かったエージェントが、そのまま求職者(転職活動をしている人)とコミュニケーションをとるタイプのエージェントである。
実は、この「両面型」のエージェントは非常に珍しいです。
上記の説明を聞いて、「当たり前ではないか。逆に両面型ではないというのはどういう場合なのか」と思った人もいるかもしれない。
両面型ではないエージェントとは、「企業側と接するチーム」と、「転職活動をしている人と接するチーム」が分かれているエージェントである。
ほとんどの転職エージェントは両面型ではないので、転職活動をしている人(あなた)と話すエージェントは、企業と話していない。
企業と話すチームが残した記録をもとに、分かっているような顔で「ソニーさんはあなたのような人を欲しがっているので、応募してみませんか?」と言っているだけである。
両面型を採用しているJACリクルートメントでは、あなたと話しているエージェントが企業のリアルなニーズを「自分で」掴んでいる。
そのため、マッチングミスも少なく、企業の担当者(人事)に候補者を売り込む力も強いのである。
【6】誠実である。イマイチなエージェントもいるが、すぐいなくなる
筆者の経験上の話だが、JACリクルートメントには誠実なエージェントが多い。
具体的には、しかるべき転職タイミングではなかったり、合わなそうな求人であれば、そう率直に言ってくれる(転職しないように言ってくれる)エージェントが多い。
実際、筆者も一度JACリクルートメントのエージェントのアドバイスで転職をやめたことがある。
人事マネージャー(企業側の立場)としても、JACのエージェントの誠実さは感じた。
候補者を推薦する際、「齋藤さんの目からすると○○という点が気になると思うが、○○という事情があるので会わないか」とネガティブな面を率直に先出しすることにより、結果的に企業からの信頼度を上げると同時に候補者の通過率も上げていた。
5ch(旧・2ch)のような批判的意見が集まり易いプラットフォームでも、JACリクルートメントのエージェントの評判は良いものが多かった。
35名無しさん@引く手あまた2017/02/25(土) 00:19:10.45ID:EKPKhG3q0
ここ使ったけどとてもよかった
内定も2個もらえたし
やっぱ担当によるんじゃない
57名無しさん@引く手あまた2017/04/11(火) 18:10:17.78ID:OeQn8Hpe0>>59
JACってそんなひどいコンサルタントいるの?
じゃあおれはたまたまいい人に当たったんかな?
62名無しさん@引く手あまた2017/04/13(木) 13:37:50.88ID:jY6X6ATD0
医薬品業界だが担当良い人だけどな、アドバイスも的確だし送ってくれた案件も良いの多い
208名無しさん@引く手あまた2018/02/10(土) 17:20:44.03ID:OTr4IcUL0
それよ。よそと比べたときに、相対的に品質がいいのはここ。
よそに比べればマシってこと。
引用元:5ちゃんねる JAC Recruitment 1社目
ただし、相対的には良い評判が多かったかと思います。
筆者自身、JACリクルートメントでイマイチなエージェント(JACに転職したばかりの方)に当たったこともある。
しかし、往々にしてそういう方はすぐにJACから転職していなくなる。
まとめ
JACリクルートメントのエージェントの特徴は以下である。
- 国内最大の転職エージェントである
- 非公開求人(転職サイトに掲載されていない求人)が多い
- 外資系・グローバル日系大企業に強いが、ベンチャー企業に弱い
- ハイクラス・ミドルクラスに強いが、意外に第二新卒レベルの求人も豊富
- 「両面型」のエージェントであり、企業のニーズに詳しい
- 誠実である。イマイチなエージェントもいるが、すぐいなくなる
上記を見れば分かるが、「ベンチャー企業にしか興味がない」という人以外には強くお勧めできるエージェントである。
「ハイクラス専門」のうたい文句を恐れず、一度登録して求人を紹介してもらってみてはいかがだろうか。