今のところ同期トップで昇格しているのですが、周りの同期と職位は同じで、年収もほぼ変わらず、裁量もありません。
これらの問題の一般的な解決策は「外資系企業への転職」だと思いますが、それは正しいですか?
外資系企業は厳しいと聞くので、「向く人・向かない人」や「成功のポイント」等も教えてください。
今回は「外資系企業への転職」がテーマである。
結論から申し上げると「外資系は日系とはかなり異なる組織風土を持つため、業界ごとの特徴や日系との違い、向いている人から成功のポイントまで幅広く解説していく」という内容になっている。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
上記の経験を踏まえ、「外資転職の教科書」と題し、外資系企業への転職に必要な全知識を記載していく。
【前提】業界ごとの特徴【外資系も色々】
経済産業省による外資系企業の定義は、「海外の法人、または外国人が一定の水準以上の出資をする日本の企業」である。(経済産業省「外資系企業動向調査」より)
ただこの定義だと、外国人の株主が多ければ(正確には、1/3以上が外国の株主であれば)、バリバリの日本企業でも「外資系」になってしまう。
一般的には、「転職志望者から見た、いわゆる外資系としての特徴」を備えているのは、外国企業またはその日本法人だと思われる。
よってこの記事では簡易的に「外国企業の日本法人、または外国企業そのもの」を外資系として扱う。
ここから外資系企業の日系企業との違いや注意点を論じていきたいのだが、一口に「外資系」といっても、その中身は業種によって大きく異なる。
よって、最初にもう少しだけ細分化しておきたい。大きく、以下の4つがある。
- 外資系投資銀行
- 外資系コンサル
- 外資系営業職(外資系生保など)
- 外資系事業会社
それぞれ簡単に特徴を述べていく。
【1】外資系投資銀行
まず、外資系投資銀行である。
外資系投資銀行こそ、「一般的な外資系のイメージ」を凝縮したような業種である。
分かり易い特徴としては、以下のようなものが挙げられる。
- 破格のインセンティブ収入(成果によっては20代で年収2,000~4,000万も十分可能)
- 死ぬほど激務(若手は3時間未満の睡眠時間の世界)
- ダメならすぐクビ(アップ・オア・アウト)でそのやり方もえげつない(ある日出社したら、机がなく入構権限もない等)
- 非常に高い学歴や英語力、(転職の場合)金融系バックグラウンドが必須
おそらく、20代のサラリーマンで2,000万を超える年収が欲しければ、外資系投資銀行か、後述する外資系営業を選ぶことになるだろう。
外資コンサルだと、最も給与の高いトップティアの戦略コンサル(マッキンゼー、BCG、ベイン)であってもぎりぎりこれに到達するかしないかである。
外資系投資銀行の具体例としては、ゴールドマンサックス、モルガンスタンレー、JPモルガン等がある。
【2】外資系コンサル
次に、外資系コンサルである。
外資系コンサルは大きく戦略系とそれ以外(総合系、会計系、IT系、人材系)に分けられ、それぞれ扱う領域と年収レンジが異なる。
これらに概ね共通する特徴としては、以下のようなものが挙げられる。
- 高めのベース収入(変動部分は少なめで、固定月給部分が大きい。戦略ならば20代で年収1,000~2,000万は十分可能)
- 昔は激務だったが、最近はそうでもない(よほどキツいケースや時期を除き、6時間は眠れる。ワークライフバランスの向上が著しい)
- 昔はダメならクビ(アップ・オア・アウト)であったが、最近はアップ・オア・ステイ(ダメだと給料は上がらないが、よほどでないとクビにはならない)
- 非常に高い学歴が必要(特に戦略の場合に顕著)
- 英語力は「あればプラス」程度(ペラペラなら外国人顧客のケースにアサインされる)で、必ずしも必要ない
- バックグラウンドはあまり問われない。純粋な地頭の良さが重要
外資系コンサルの間口は外資系投資銀行より広く、様々な業種・職種から入れる。
それでいて、外資系投資銀行とは異なり(財務・金融に限らない)幅広い分野の経験が積めるため、キャリアアップのステップや修行の場として人気である。
>>キャリアアップするには?キャリアアップに必要な全プロセスを人事プロが解説
そういった人材が、「外資系投資銀行より少ない労働時間」「金融に限らない幅広い経営経験」を求め、「半分くらいの年収」で働いているイメージです。
20代でいえば、戦略コンサルの年収は2,000万程度が上限であり、多くの20代外資系コンサルは600万~1,200万程度の年収である。
外資系投資銀行と比べるとかなり少ないが、それでも一般的なビジネスパーソンよりはかなり高めの水準が望める。
最初は控えめといえるコンサルの年収だが、その上限はかなり高い。
トップティア戦略コンサルでいえば、早ければ30代後半で達する「パートナー」となると、年収は億に達する。
「パートナーやシニアパートナーは全員、最低でも億はある」とのことでした。
外資系コンサルの具体例としては、戦略系ではマッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が著名である。
境目があいまいだが、総合系コンサル(IT系/会計系などが母体)ではアクセンチュア、デロイトトーマツコンサルティング、KPMGコンサルティング等が大手だ。
特殊な業界である人材系コンサルでは、コーンフェリー・ヘイ、タワーズワトソン、マーサーなどが著名である。
【3】外資系営業職(外資系生保など)
外資系生命保険会社、外資系自動車ディーラーなどにおける「外資系営業職」も外資系らしさが大きい職種である。
(この項目のみ、業種ではなく職種であることに注意されたい)
外資系における営業職の特徴は、何といっても「収入のかなりの割合がインセンティブであること」だ。
数字が出せれば天国(1億以上も)、出せなければ地獄(基本給がほぼないケースも)である。
分かり易い特徴としては、以下のようなものが挙げられる。
- 破格のインセンティブ収入(成果により、20代で年収1億も可能。天井も下限もない)
- ほぼ個人事業主であるため、年収だけでなく激務度も自分次第
- 学歴や英語力があまり問われず、営業力が全て
成果報酬型の外資系における営業職と言うのは、ほぼ個人事業主である。
売れば売るだけ自分の収入になるが、売れなければゼロ(ではないがそれに近い)である。年収はワーキングプア以下~外資系投資銀行並みまで幅広い。
人生一発逆転にも適した職種であるが、とにかく人を選ぶ。
人脈を築くことが出来る生来のネットワーキング巧者なら考えてみる価値はあるだろう。
外資系営業職の具体例としては、プルデンシャル生命保険等の外資系生命保険における営業職が有名だろう。
その他、自動車の販売などの「単価が高いモノやサービス」も典型的な外資系営業の給与体系を持つ。
【4】外資系事業会社
外資系の多くを占めるのが、外資系事業会社である。
事業会社と言うのはコンサルや銀行から見た言葉で、要はコンサル(アドバイス)や金融以外のビジネスをやっている会社全般のことである。
つまり、ほとんどすべての企業は事業会社であり、「外資系」といわれる会社の95%以上は事業会社である。
「ほぼ全ての業種を網羅する外資系企業そのもの」とも言えるので、業種による特徴はなく、次に述べる「外資系の特徴」がそのまま当てはまる。
外資系事業会社の具体例としては、GAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)が最も有名だろう。
日本で存在感があるものとしては、P&Gやマイクロソフト、マクドナルド、スターバックス、ジョンソンエンドジョンソンなども外資系事業会社である。
【違い】外資系の特徴と日系との主な違い
ここでは、投資銀行、コンサル、営業、事業会社に共通する「外資系の特徴(=日系との主な違い)」を述べる。
違いはいくつもあるが、概ね以下の4つが挙げられる。
- 実力主義
- 裁量の大きさ
- 英語の重要性
- ポジションの重要性
それぞれ解説する。
【1】実力主義
まず、よく知られているように外資系は実力主義である。
年功序列の考え方は(皆無ではないが)非常に少なく、「実力さえあれば」若くして高い職位に付き、高い給与を得ることが可能だ。
逆に、実力のない人間には厳しいのが外資系だ。
外資系銀行のように「ある日突然席がなくなる」とまで極端な解雇はほぼないが、「成果をあげられない人間は不要」というプレッシャーは日系企業の比ではない。
よく勘違いされる点に関する補足であるが、実力主義は成果主義とは少し違う。
外資系企業の多くは実力主義だが、成果が年収にそのまま反映されるレベルの成果主義は一部の「数字で判断できる」仕事だけで採用されている。
具体的には、外資系投資銀行のディーラーや外資系生命保険会社の営業などは、厳密な成果主義である。これらでは、若手でも成果によっては億単位の収入を得ることが可能だ。
逆に言えば、外資系コンサルや外資系事業会社では「優秀なら圧倒的に早く昇進する」程度に留まり、成果が厳密に反映される給与体系とまでは言い難い。
【2】裁量の大きさ
裁量の大きさも、外資系と日系では大きく異なる。
まず、スタッフレベルと、ゼネラルマネージャー~シニアマネージャーレベル(部下あり部長~課長レベル)の裁量は日系と比べ非常に大きい。
外資のマネージャーは、予算策定や部下の採用、事業戦略策定等において日系とは比べ物にならないほどの大きな決定権を持つ。
一方で、外資系のトップマネジメントまで行くと、逆に日系よりも裁量が小さくなる。
なぜなら、外資系の日本法人トップの上には、外資系の本社(米国本社等)があるからだ。
日本マクドナルドや日本マイクロソフトの社長は、マクドナルド米国本社やマイクロソフト米国本社にいるCEOから地域の経営を委任されたマネージャーに過ぎない。
トヨタやソニー等の日系企業の社長とは違い、外資系の日本法人トップには「上司」が存在し、地域戦略の決定までにしか携われない。
【3】英語の重要性
外資系では、英語の重要性も異なる。
とはいえ、「外資系だから英語が必須」と一口に言えるわけでもない。
まず、マネージャー以上には英語(英会話)が強く求められる。
これは単純に、上司となるトップマネジメントやシニアマネジメントに外国人が多いためである。
次に、社内資料は英語であることが多いので、ある程度の読解力は全社員に求められる。
逆に、文書が読めてマネージャーでもないのであれば、英語力が低くても大丈夫な場合が多い。
そもそも、外国企業が日本法人を作って日本人を雇うのは、日本市場で日本人顧客の相手をする人が欲しいからである。
日本法人のオフィスでも同じで、上司や社員、取引先が日本人ばかりであれば、英語の必要性は非常に低いのです。
さらに、日系ほど海外赴任チャンスもなく、世界で交渉できるレベルで英語が必要と言う場合も少ない。
後述するが、「英語を武器にしたい」人は日系グローバル企業の方が向いている。
日本という国(地域)から離すメリットが少ないのです。
【4】ポジションの重要性
最後に、外資系ではポジションの重要性が高い。
ポジションとは、「人事スペシャリスト」や「経理マネージャー」等のタイトルや職位のことだ。
外資系では、ポジションごとに「ジョブディスクリプション(職務の内容)」と「そのポジションがどの等級に当たるのか」が設定されている。
それにより、給与レンジや権限、「誰があなたをクビに出来るか」等まで決まってくるので、外資系においては非常に重要な概念である。
ポジションはまず入社した際に設定されるため、外資系企業への転職では「どのポジションで入るか」にこだわったほうがいい。
これについては「成功のポイント」において再度述べる。
【注意】外資系企業への転職が向く人、向かない人
ここまでの説明である程度見えてきているが、本項では外資系企業への転職が向く人、向かない人について説明する。
外資系は向かない人が行くと地獄なので、注意してほしい。
- 【向く】年功序列が嫌いな人
- 【向く】若くして裁量が欲しい人
- 【向く】ほどほどの成果主義がいい人
- 【向かない】英語を絶対に活かしたい人、もしくは英語アレルギーの人
- 【向かない】現年収が低い人
- 【向かない】上司と上手くやる自信がない人
ある程度理由は推測できるかと思うが、一つ一つについて簡単に説明する。
【向く】年功序列が嫌いな人
実力主義の外資系は、年功序列が嫌いな人にはうってつけである。
20代でサラリーマンとして1,000万円以上の年収を得たい場合には、基本的には外資系を目指すことになるだろう。
20代で部長、というのは日系大企業ではほぼありえないが外資系ではありうる。
【向く】若くして裁量が欲しい人
先ほどの項目と似ているが、若くして裁量が欲しい人も外資系に向いている。
基本的に外資系では自分の職責を自分の力でこなすことを求められる。
周りの協力が得られないわけではないが、それを得るのも(ネットワーキングを含め)自主的にせねばならず、「周りが助けてくれないのはおかしい」は通用しない。
逆に、成果を出している限り「自分のやり方」を通せるのも外資系である。
そういう人が外資系に行くと、かなり苦労します。
【向く】ほどほどの成果主義がいい人
外資系の多くを占める事業会社やコンサルは、ほどほどの成果主義である。
日本企業よりも成果が考慮され、圧倒的なスピードでの昇給や昇進につながる。しかしながら、「売上の一定の割合をもらえる」等の成果に比例する報酬体系ではない。
一方で、外資系投資銀行や外資系営業職においては、「ほどほどではない、真の成果主義」が採用されている。
【向かない】英語を絶対に活かしたい人、もしくは英語アレルギーの人
企業にもよるが「英語を絶対に活かしたい」という人は外資系日本法人(日本にある外資系企業)にはあまり向かない。
外資系の日本法人では、日本人の顧客向けに、日本人の同僚とコミュニケーションをとりながら行う仕事が多い。
前述したが、そのために日本人を現地で雇っているので当然である。
日系企業のグローバル本社の方が、英語で各国と連携したり、グローバルプロジェクトを進めたりする機会はむしろ多い。
「絶対に英語力を活かして活躍したい」と言う人は、日系グローバル企業を選ぶか、外資系の中でも「日本法人が外国人ばかりの会社」少なくとも「上司が外国人」の環境を選ぼう。
一方で、そうはいっても、外資系では社内資料は英語が多いし、ある程度の外国人社員がいるのも間違いない。
よって、完全に「英語アレルギー」という人も当然ながら向かない。
「英語と関わらないで生きたい」という人以外はあまり気にせずとも良いでしょう。
【向かない】現年収が低い人
外資系では、転職時の年収は現年収を考慮して(ポジションのレンジ内で)設定されることが多い。
つまり、入るときの年収が非常に重要になってくるのである。
外資系に転職するなら、昇進して給料が大きく増えた直後がいいだろう。
その年収を考慮して転職時年収が設定され、実力次第ですぐまた上のポジションに上がることが出来る。
転職前の年収が高かった、という理由だけでそうなります。
【向かない】上司と上手くやる自信がない人
外資系は実力主義なので「人間関係は考慮しなくてもいい」と盛大に勘違いする人がいる。
外資系における実力とは、ネットワーキングの能力や上司から気に入られる能力も込みであると理解してほしい。
外資系では日系より簡単にクビを切る。そして、マネージャーの裁量が大きい外資系では、直属の上司が誰のクビを切るかを決める。
この二つを考え合わせれば、外資系でボス(上司)がいかに絶対なのかが分かるはずだ。
これは、解雇という極限の話だけにとどまらない。
「誰に何をやらせるか」「誰を採用するか」「誰を昇進させるか」「誰をどの程度昇給させるか」の全てについて、外資では上司の裁量で決まる部分が大きい。
一方で、日系の大企業ではそんなことは(ほぼ)あり得ません。
【秘訣】外資転職を成功させるポイント
外資転職を成功させるための主なポイントは、以下の5つである。
- 能動的に動く
- 上司には従いつつも、爪を隠さない
- 英語を勉強し、英語面接のコツを知る
- なるべく高いポジションで入社する
- 転職エージェントと付き合っておく
今まで述べた内容と重複があるため、それぞれ簡単に説明していく。
【1】能動的に動く
外資系企業は実力主義で裁量が大きい、つまり全てが自分次第である。
裁量の中で最大の成果を出す、改善提案を自分から出す、出した成果をアピールする、上司とうまくやる、こういったことが能動的に出来れば転職成功に大きく近づく。
【2】上司には従いつつも、爪を隠さない
これまでにも述べてきた通り、外資系では上司の権限が強い。
よって基本的に上司と仲良くする必要があるが、それだけではダメである。実力主義の外資系でただの太鼓持ちを出世させるわけにもいかない。
よって、上司には従いつつも、仕事が出来ることを見せる(アピールする)ことが重要である。
外資系では「能ある鷹も爪を隠さない」のだ。最近は、日系大企業でもこれらが重要になってきたが、外資系ではその重要度が非常に高まる。
【3】英語を勉強し、英語面接のコツを知る
外資系企業では、全ての社員が多かれ少なかれ英語を用いて仕事をすることになる。
よって、外資転職を成功させるには英語力が欠かせない。もし得意でないならば、英語、特に英会話のトレーニングを続けることが重要である。
>>転職に英語力は必要?必要TOEICスコア、メリット、業種・職種別の必要性を人事プロが解説
それ以前に、そもそも英会話が得意ではなく、英語面接に不安がある人も多いだろう。
こういう人が英語面接の対策本を読むと、流麗で長い例文を見て自信喪失してしまう可能性が高い。
しかしながら、自信喪失する必要はない。
考えてみてほしいのだが、洗練された長文を話せる人間はそもそも英語面接の対策本など買っていない。(よって、無駄とは言わないが、かなり遠回りな対策法である)
英語面接の本当のコツは、実際に話すであろうトピックを予想し、それを英語で話せるように練習しておくことである。
具体的には、面接における日本語の想定問答を作り、それをDeepL翻訳等で英語化して練習しておくのがおすすめだ。
【4】なるべく高いポジションで入社する
前述したが、外資系企業では「入社時のポジションや年収」が日系企業以上に重要である。
年齢で年収(とポジション)が大体決まってしまう日系企業よりも交渉の余地が大きいので、なるべく高いポジションで入社し、大きな裁量や年収を確保したい。
外資系の人事やマネージャーは「数百万単位の年収アップ交渉」にも慣れているし、現職のままの転職活動であれば多少強めに交渉できる。
交渉時には、(次に述べる通り)参謀役、交渉役としての「良い転職エージェント」を確保しておくことが肝要である。
【5】転職エージェントと付き合っておく
外資系転職を成功させるためには、転職エージェントとの付き合いも重要だ。
次の項で述べるが、外資系求人を扱う転職エージェントは限られる。
それらのエージェントと常日頃から緩くつながっておき、あなたの望む求人が出たらすぐに連絡してもらえる体制づくりが重要である。
さらに、既に述べた通り、外資系企業では「入社時のポジションや年収」が日系企業以上にものを言う。
これを交渉できる良いエージェントを確保できているかどうかも、転職の成否を分ける大きな要因である。
>>転職エージェントの選び方の教科書|出会い方、絞り込み方、付き合い方まで
【経路】外資系に転職するための、3つのおすすめルート
外資系企業は外資専門のエージェント(外国人エージェントも多い)や転職SNSを使うことが多い。
それを踏まえ、外資転職をしたい方には以下の3つのルートをおすすめする。
- 外資に強い転職エージェント経由
- Linkedin経由
- 英語力を磨きエージェントと付き合いつつ出世する
【1】外資に強い転職エージェント経由
まず、最も王道だが効果的な方法から。
すでにやっているかと思うが、外資系企業に強い転職エージェントに登録しておくことは必須である。
転職エージェントに登録して放置しておけば、あなたの転職条件に最も適した求人が集まっていく。
外資系に強い転職エージェントとしての筆者のおすすめは以下の4つである。
- JACリクルートメント
- エンワールドジャパン
- ヘイズジャパン
- アクシスコンサルティング(※外資コンサル志望の場合)
外資系に強い転職エージェントについて、詳しくは以下の記事を読んで欲しい。外資系を目指しているのであれば、かならず役立つだろう。
>>外資転職におすすめの転職サイト・エージェント厳選3つ+α
【2】Linkedin経由
世界最大のビジネスSNSであるLinkedinも、外資系転職では欠かせない存在である。
先ほど紹介した3つのサイトと同様にこちらも無料であり、企業やエージェントからのスカウトも頻繁に届く。
世界で使われているSNSだけあり、膨大な外資専門エージェントや外国人エージェントが活動している。
登録しておくだけであなたに合った求人が蓄積されるので、(外資に限らず)転職の可能性があるなら登録しておこう。
【3】英語力を磨き、転職エージェントと付き合いつつ出世する
今すぐではなく、将来的に外資系企業への転職を考えている場合には、英語力を磨き、転職エージェントと付き合いつつ、出世を目指すのも有力な手である。
そうすることで業界内での評判が上がり、転職エージェントの中でも「エグゼクティブサーチ」と呼ばれる本当のスカウト(サーチファーム)から声がかかる場合がある。
これらプロの持つ人脈は膨大で、実力さえあれば、転職サービスを全く使っていなくてもどこからかあなたを見つけ出します。
まとめ
外資転職に興味がありつつも、英語や社風の違いなどで不安を抱く方は多い。
英語も外資系の企業文化理解も、最初から完ぺきに出来るはずはない。よって、まずはチャレンジしてみることをおすすめする。
「事前に全てを完ぺきにする」のではなく、「入ってからキャッチアップしてなんとかやっていく」方針で行こう。
筆者は日系大企業、外資系、ベンチャー企業すべてを経験したが、特に外資系やベンチャーでは「なんとかキャッチアップしてやっていく」マインドが転職成功のカギである。
まずは、外資系に強い転職エージェントに色々と聞いてみると良いだろう。
>>外資転職におすすめの転職サイト・エージェント厳選3つ+α