転職 成功体験

転職面接で成功体験を聞く理由、答える際の注意点、答え方の具体例を解説

悩めるビジネスウーマン
中途採用面接において成功体験を聞かれることがよくあるのですが、成功体験に関する質問への適切な答え方がわかりません。
転職で成功体験を聞く理由は何なのでしょうか?
答える際の注意点や、答え方の具体例を含めて教えていただけると大変助かります。

 

今回のテーマは「転職面接で成功体験を聞く理由、答える際の注意点、答え方の具体例」である。

結論から申し上げると「成功体験を聞く理由は価値観やレベル感を知るため、または深掘りのきっかけとするためである。本記事では成功体験について答える際の注意点や答え方の具体例を含めて解説していく」という内容になっている。

 

初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。

筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。

  • 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
  • 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
  • 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
  • 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験

 

この記事を読むことで、転職面接で成功体験について聞かれても動じないようになり、むしろプラスアルファの点数を稼ぐことが出来るようになるだろう。

 

結論

まず本記事の結論を記載しておく。

箇条書きで記載しているため、詳細は本文中で確認していただきたい。

 

転職面接で成功体験を聞く理由は、以下の通りである。

  1. 何を成功と捉えるのかの価値観を知りたい
  2. どのレベルで成功と捉えるのかのレベル感を知りたい
  3. 深掘りのきっかけが欲しい(就活時のガクチカと同じ)

 

成功体験を伝える際の注意点・ポイントは、以下の通りである。

  1. 志望先企業で求められる役割に役立ちそうな能力発揮のエピソードを答える
  2. 出来るだけ大きな成果が出たエピソードを答える
  3. 自分自身が実際にやったことが多いエピソードを答える

 

転職面接で成功体験を聞く理由

転職面接で成功体験を聞く理由は、以下の通りである。

  1. 何を成功と捉えるのかの価値観を知りたい
  2. どのレベルで成功と捉えるのかのレベル感を知りたい
  3. 深掘りのきっかけが欲しい(就活時のガクチカと同じ)

 

上記の理由について、それぞれ解説していく。

 

何を成功と捉えるのかの価値観を知りたい

まず、何を成功と捉えているのかを知ることによって、あなたの価値観を知ることができる。

出世を成功と捉えている人は同期内で最速の出世をした事を話すかもしれないし、チームワークを成功と捉えている人は最も人に信頼されたエピソードを話すかもしれない。

 

何を成功と捉えるのかに、正解はない。

正解はないが、面接官が自分の会社や自分のチームに合っているかどうかを判断することは出来る。転職の面接は、優秀さだけではなく相性で決まるからである。

>>転職面接における相性とその対策【面接官に嫌われる?】

 

どのレベルで成功と捉えるのかのレベル感を知りたい

面接では時間が限られているため、成功体験といっても一つのエピソードしか披露できないことがほとんどである。

これは、面接官側も受験者側もある程度は分かっていることである。

 

何が言いたいかと言うと、「成功体験を教えてください」という質問には「一番自信のある成功体験を教えてください」というニュアンスが含まれているのである。

 

成功体験は大小様々であるはずだが、一番の成功体験はある程度のレベルを持っているべきである。

嫌なことを言っているように聞こえるかもしれないが、一番自信のある成功体験のレベルによって、受験者自身のレベル感も大体分かってしまう

 

齋藤
例えばチームワークをアピールしたい場合、「あまり仲が良くなかった人とちょっとしたきっかけで仲良くなれた」というほっこりエピソードは求められていません。
「社会人生活で得た最高の成功体験がそれなのか」という意味で、人柄の良さや正直さと同時に、ある種の愚鈍さも示してしまいます。

 

深掘りのきっかけが欲しい(就活時のガクチカと同じ)

成功体験と言うと大袈裟だが、要は「社会人として最も実績をあげたこと、頑張ったこと」を聞きたいだけである。

日経新聞の「私の履歴書」に出てくるような(後々日本を代表する企業の社長となる人物のような)破天荒なエピソードを期待しているわけではない。

 

誰しも就職活動時には「学生時代に最も力を入れたこと(いわゆるガクチカ)」をきっかけにエピソードを深掘りされた経験があるだろう。

それと同じで、成功体験という質問をきっかけにして、あなたという人間を知りたいだけなのである。

 

成功体験を答える際の注意点・ポイント

成功体験を伝える際の注意点・ポイントは、以下の通りである。

  1. 志望先企業で求められる役割に役立ちそうな能力発揮のエピソードを答える
  2. 出来るだけ大きな成果が出たエピソードを答える
  3. 自分自身が実際にやったことが多いエピソードを答える

 

上記の注意点について、それぞれ解説していく。

 

志望先企業で求められる役割に役立ちそうな能力発揮のエピソードを答える

人が何を成功と捉えるのか、その価値観はさまざまであるし、本来は正解はないものだ。

しかし、自分の会社に合うかどうか、想定するポジションに合うかどうかを判断するために面接官がこの質問をしていることもまた事実である。

 

つまり、この場に限っては正解があるのだ。

この場での正解は、「志望先企業で求められる役割に役立ちそうな能力発揮のエピソードを答える」というものである。

 

有能さや地頭が何より重視される企業もあれば、共感力や波風を立てないことが重視される企業もある。

時には破天荒なほどの企画力や行動力が評価されるポジションもあれば、地道にひたすら単純なルーティーンをこなし続ける忍耐力が求められるポジションもある。

 

現在では、転職口コミサイト(OpenWork、転職会議等)によって事前に志望先企業の社風が分かる。

転職エージェントから、志望先のポジションではどういった人間が求められているかを事前に聞くことも出来るはずである。

 

事前に収集した情報をもとに、志望先で求められる役割に近い内容での成功体験を語るのが正解である。

成功体験の引き出しは、企画特化型業務での活躍、ひたすら地道に作業した話、プロジェクトに参加してチームワークを発揮したエピソード、マネジメントとしての成功など、ジャンルごとに複数持っておくのが最も望ましい。

 

齋藤
①企業の社風②ポジションの性質に加え、第3の要素として③面接官がどういう性格なのかも重要です。
面接官がどういう人間かについての情報は事前に仕入れられないため、この点だけはアドリブ力が求められます。

 

出来るだけ大きな成果が出たエピソードを答える

成功体験を披露することにより、どのレベルを成功と捉えているのかが分かってしまう。

想像してみてもらえれば分かると思うが、あなたのいる会社のエース級の社員に仕事の成功体験を聞いた場合と、 お荷物社員に成功体験を聞いた場合とでは、その内容は全く異なってしまうだろう。

 

成功体験を聞かれた場合には、出来るだけ大きな成果が出たエピソードを答えることである。

成果が大きいことも重要だが、その仕事を任される事自体が「高い専門性」や「職場内の高い立ち位置」を示す仕事や、始めてから完了させるまでに自身が飛躍的に成長した仕事でも良いだろう。

 

自分自身が実際にやったことが多いエピソードを答える

大きな成果が出たエピソードと言われると、部門や部単位、またはその横断で行った「一大プロジェクト」を話そうとする人がいる。

結論から言うとそれでも良いのだが、その場合には自分が実際にやったことがよほど重要か、よほど多くなければならない

 

「あなたの会社や上司、チームが達成したすごいこと」を聞きたい面接官はあまりいない。

あなた自身がどのような人間なのかが知りたいのである。よって面接官は、大きすぎる成果の場合にはかなり詳細に深掘りを行う。

 

面接官として断言するが、STARフレームワークを適切に使って深掘りした場合には、やったこと・やっていないことは大体バレる。

STARフレームワークとは、「再現性のある行動事実」を把握するために面接でよく使われているフレームワークで、Situation / Task / Action / Resultの頭文字をとったもの

 

転職活動における成功体験や実績は、就職活動でいうガクチカである。

深堀りされることを前提に、自分自身がやったことが豊富に話せるエピソードを選ぶべきである。

 

成功体験の答え方の具体例

前項の内容をまとめると、成功体験の質問では以下に当てはまる内容を話すべきである。

  1. 自分自身が実際にやったことが豊富にある業務・プロジェクトのうち、
  2. 今回応募している会社およびポジションでアピールできる要素が多く、
  3. 成果自体も大きいもの(誤解を恐れずに言えば「すごそうなもの」)

 

簡単に具体例を出そう。

例えば筆者が日系大企業での人事・組織変革のマネージャーポジションに応募しているのであれば、

  1. 日系大企業における人事制度改革プロジェクト
  2. 企画リーダーとして、人事制度内容の企画、労働組合との交渉、経営層へのインプット、従業員説明会等において、すべて最前線の当事者だった
  3. 従業員10万人以上、売上10兆円以上の日系大企業の人事制度を刷新。○○としては日本初、日経新聞にも掲載。コスト効果○○億にもかかわらず訴訟なし

というようなことを話すイメージである。

 

まとめ

転職活動における成功体験や最大の実績は、就職活動における「学生時代に最も力を入れたこと」と同じで、深堀りのきっかけである。

「大きな成功体験を言う」ことも重要だが、深掘りに耐えうるほど「自分でやったことが多い」ことも重視したほうが良い。

 

転職サイトや転職エージェントは無数にあるが、それらを紹介するランキングやおすすめサイトの信憑性は低く、どのサイトに登録すべきか悩む方は多い。

迷ったら、年代でも性別でもなく、シンプルに年収で決めるのがおすすめである。

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