「女性におすすめの転職サイト・エージェント比較ランキング」等を見ているのですが、女性専門の転職サービスは求人数が少なかったり、年収が低かったりするものが多いような気がします。
女性におすすめな理由としても「女性エージェント在籍」と書いてあるだけで根拠や基準、データがないことも多いため、信憑性がないと感じてしまいます。
きちんと根拠を示したうえで、厳選された「女性におすすめの転職サイト・エージェント」をご教示いただけないでしょうか?
今回のテーマは「女性におすすめの転職サイト・エージェント(基準やデータによる根拠があり、厳選したものに限る)」である。
結論から申し上げると、本記事は「女性向け求人数、外資・日系グローバル企業の求人数、女性向け機能の充実、エージェントの事情理解度、データで見た利用ユーザー支持率の5つの要素で比較すると、女性におすすめの転職サイト・転職エージェントは①マイナビエージェント、②リクナビNEXT、③とらばーゆの3つに厳選できる。その根拠や、+αとして利用すべきサービスを含めて解説していく」という内容になっている。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
この記事を読むことで、転職サイト・転職エージェントのうち女性におすすめなのはどれなのかを根拠・データとともに知ることができ、自身が利用すべき転職サービスが明らかになるだろう。
なお、女性向け以外も含めたおすすめの転職サイト・転職エージェントについては、以下の記事を参照していただきたい。
>>おすすめ転職サイト・エージェント|プロ厳選の比較ランキング
【根拠あり】女性におすすめする転職サイト・転職エージェントの基準
本記事において、女性におすすめする転職サイト・転職エージェントの基準は以下の通りである。
- 女性向け求人数(事務・美容・アパレル系等)
- 外資・グローバル日系企業の求人数
- 女性向け機能等の充実(働き方への配慮を含む)
- エージェントの事情理解度(寄り添い度合い)
- 利用ユーザー支持率(ポジティブな口コミの割合)
本記事では、上記の基準をそれぞれ5段階で採点したレーダーチャートとともに、女性におすすめの転職サイト・転職エージェントをご紹介している。
具体的な転職サイト・転職エージェントをご紹介する前に、上記を基準とした理由をそれぞれ簡単に解説しておく。
女性向け求人数(事務・美容・アパレル系等)
女性特有の特徴として、特定の職種の方が多いということが挙げられる。
特定の職種とは、各種事務・美容・アパレル・歯科助手・秘書・庶務等である。
これらの職種は年収としてはあまり高くはない傾向にあり、女性向け求人だけに偏っていることが女性のために良いのかは一概には言えないが、これらの職種の方が多いことは事実である。
以上のことから、女性に多い職種の求人が多いかどうかは、女性におすすめ出来る転職サービスなのかどうかの1つの要素にはなるだろう。
外資・グローバル日系企業の求人数
筆者は4回の転職の中で日系大手・外資系・ベンチャーと様々な会社を経験するとともに、人事として組織風土やダイバーシティの推進度合いについて把握してきた。
その中で言えることは、セクシャルハラスメントや男女差別のない環境の構築というのは、欧米化していればしているほど進んでいる傾向にあるということである。
端的に言えば、外資系企業や、(日系であっても)大手グローバル企業であるほどに女性が働く環境は改善する傾向にある。
(出世や評価、アサインにおける)女性差別やハラスメントの少ない外資・グローバル日系企業の求人数をどれだけ揃えているかも、女性におすすめする転職サイト・エージェントを考える上では重要である。
女性向け機能等の充実(働き方への配慮を含む)
女性向け機能が充実しているかどうかも重要である。
女性向け機能とは、例えば女性のエージェントを選べることや、女性向け転職ノウハウの充実などである。
また、働き方への配慮や産休・育休取得実績などでフィルタリングして求人を検索できることも、女性向け機能の一つと言えるだろう。
エージェントの事情理解度(寄り添い度合い)
女性ならではのライフイベントや働き方等についての悩みをエージェントが理解しているかどうかも重要だ。
転職における口コミを数百件単位で分析してきた経験から言うと、女性ユーザーはエージェントの傾聴姿勢や寄り添い度合い(共感度合い)を相対的に重視する傾向にあるからである。
利用ユーザー支持率(ポジティブな口コミの割合)
本項目は、完全にデータに裏付けられている。
各転職サービスの実際の利用者の458件の口コミを分析し、ポジティブ率(ポジティブな口コミの割合)を調査した結果を基に、5段階で得点を付けている。
>>転職サイト・転職エージェントの口コミを458件分析した結果を公開
ポジティブ率(ポジティブな口コミの割合)の具体的な結果は、以下の通りである。
【厳選3つ】女性におすすめの転職サイト・エージェント
本来、転職サイトや転職エージェントは1人の人間が長く使い、転職を繰り返さないと良し悪しが分からないはずである。
他の転職情報サイトでは「31社を比較」「34選」などと謳う記事もあるが、それらには意味も信憑性もないため、本記事においてはデータに基づいた前述の基準から「女性におすすめ」と断言できる、厳選3社をご紹介する。
早速だが、女性におすすめの転職サイト・エージェントだと確実に断言できるのは、以下の3つである。
- マイナビエージェント ※ 若手および女性に力点を置いたエージェント。女性の転職に特化したチーム有
- リクナビNEXT ※ 求人の量と質のバランスが良く、20代転職経験者からの支持率トップ
- 女性のための転職サイト『とらばーゆ』 ※ リクルートの運営する、大手女性向け転職サイト
多くの方にとって、自分に合った3つ~5つの転職サービスを利用するのが最も転職における費用対効果(労力対効果)が高い方法だと思います。
マイナビエージェント
マイナビエージェント 公式サイト:https://mynavi-agent.jp
マイナビエージェントは、エージェントの中でも「若手」および「女性」に力を入れているエージェントである。
レーダーチャートを見ていただくと分かると思うが、女性の転職に関する限り、マイナビエージェントは非常にバランスがとれたスペックを持つ。
まず、マイナビエージェントは以前「WomanWill(ウーマンウィル)」というブランド名で、女性専門の転職サービスを提供していた。
これは現在ではマイナビエージェントに統合されており、女性向け転職の強さは、女性の転職に特化したチームを編成している点として今でも残っている。
大手転職エージェントの中では唯一「女性向け」の要素が充実したエージェントだと言えるだろう。
また、マイナビエージェントは女性専門ではなく総合型の大手エージェントである。
そのため、そもそもの求人数が多い上に、求人が過度に女性向けに偏っておらず、美容・接客・事務・受付等の女性専用の求人以外も含めて多数そろえていることも強みだ。
以上のことから、女性の転職に使うのであれば、マイナビエージェントは利用する転職サービス候補の筆頭に挙がるエージェントであると言えるだろう。
リクナビNEXT
リクナビNEXT 公式サイト:https://next.rikunabi.com
リクナビNEXTは、求人掲載型の転職サイトである。
求人数は6万件強と総合型転職サイト・エージェントの中では特別多いわけではないが、最大手リクルートの運営だけあって求人の質が相対的に良い。
結果として、男女差別等が少ない大手企業の求人が多く、女性におすすめ出来る求人も多い。
女性特化型だとやや平均年収が低めの求人が多く、男女の賃金格差を助長している面もあるが、リクナビNEXTではそれはないため、年収アップを重視する女性にもおすすめ出来る。
さらに、利用ユーザーからポジティブに評価される率は67.3%と、転職サービス全体でも3番目に高い。
リクナビNEXTの弱点を挙げるとするならば、あくまで通常の求人サイトであるため、女性に特化した機能やエージェントがないことくらいだろうか。
以上のことから、リクナビNEXTは女性に限らず、日本で転職活動をする方なら誰にでもおすすめ出来る、数少ない求人サイトである。
とらばーゆ
とらばーゆ 公式サイト:https://toranet.jp
とらばーゆはリクルートが運営する女性向け転職サイトである。
とらばーゆに掲載された求人は2,000件余りと少ないのだが、その全てが女性向けに集められたものである。
とらばーゆの強みは、何といっても女性専門の転職サービスであることである。
女性が多い職種や業種、例えば事務(一般事務・営業事務・医療事務等)、受付、秘書、販売、経理、歯科助手、コールセンター、美容、アパレル、介護等の求人をピンポイントで集めている。
とらばーゆは転職エージェントではないが、「とらばーゆに求人を出している」という時点で企業側の事情理解度も高い。
とらばーゆの弱点は、強みの裏返しである。つまり、女性が多い職種・業種の求人がほとんどであるため、①職種や業種が限られる、また②年収としては高くないものが多いことである。
何度か申し上げているが、女性向けの(明らかに女性が多い)職種や業種というのは賃金が高くないことが多く、ミドルクラス~ハイクラスの女性や、年収アップしたいという女性には向いていない。
以上より、とらばーゆは年収500万円くらいまでの女性であれば登録しておいて損はない転職サービスであると言えるだろう。
【+α】女性の一部におすすめの転職サイト・エージェント
ここまで、女性の求職者(転職希望者)全員におすすめ出来る転職サイト・転職エージェントを3つ厳選してご紹介してきた。
ここからは、女性の一部におすすめ出来る転職サービスをご紹介しておく。
まだ正社員としての実績が少ない方のために第二新卒・既卒等から正社員として就職(転職)するために就職Shopを、また、年収で見てややハイクラスな女性のためにJACリクルートメントをご紹介する。
- 就職Shop ※ リクルートの運営する、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けの最大手。未経験就職(転職)にも
- JACリクルートメント ※ 日系グローバル企業と外資系企業を中心に、日本最大級の非公開求人を保持
就職Shop
就職Shop 公式サイト:https://www.ss-shop.jp
就職Shopは、リクルート社の運営する第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けの就職・転職サービス(エージェント)である。
リクルートによる訪問会社数は11,000社を超えており、結果として就職Shopは未経験可の求人、かつ書類選考なしの求人を大量に保持している。
そのため、第二新卒・既卒・フリーター・ニートという属性に限らず、正社員の経験が少ない(ない)女性や職種を変えたい女性にもおすすめ出来る。
就職Shopは第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けのサービスなので、女性専用の機能等はない。
しかしながら利用ユーザーからの支持率は61.8%と高めであり、男女問わず満足度の高いサービスとしてその利用価値は高い。
以上より、女性の中でも、これから正社員としてのキャリアを築いていこうとしている方には強くおすすめ出来るエージェントである。
JACリクルートメント
JACリクルートメント 公式サイト:https://www.jac-recruitment.jp
JACリクルートメントは、日系グローバル企業や外資系企業を得意とする転職エージェントである。
知名度こそリクルート社やマイナビ社には及ばないが、実はホワイトカラー(≒通常の会社員)の転職での売上は日本一を誇る。
結論から言うと、ハイクラスな女性であれば、JACリクルートメントへの登録は強くおすすめ出来る。
育児休職等を含めて福利厚生が充実し、ハラスメントが少なく、出世や評価における女性の不利がなく、子育て等に周囲も協力的。
こういった女性にとって理想的とも言える職場の多くは、外資系もしくは日系グローバル企業で占められている。そして、JACリクルートメントは外資系と日系グローバル企業に特化したエージェントなのである。
JACリクルートメントの弱点は、基本的に500万円以上の求人しかないこと。
実は第二新卒からの評判も良いのだが、基本的にはミドルクラス~ハイクラス向けの転職エージェントであるため、保有する求人の多くもその年収帯にある。
とはいえ、JACリクルートメントはユーザーからの支持率は83.0%と転職サービス全体でダントツの1位である。
年収400万円以上の女性であれば、チャレンジも含めて登録しておく価値は十分にあると思う。筆者自身も何度もお世話になった、イチオシのエージェントである。
まとめ
本記事では、女性におすすめの転職サイト・転職エージェントについて解説してきた。
以下の女性向けの転職サービスのうち、自分に合ったものを3つほど選んで使いこなせば、転職成功率は格段に高まる。
- マイナビエージェント ※ 若手および女性に力点を置いたエージェント。女性の転職に特化したチーム有
- リクナビNEXT ※ 求人の量と質のバランスが良く、20代転職経験者からの支持率トップ
- 女性のための転職サイト『とらばーゆ』 ※ リクルートの運営する、大手女性向け転職サイト
- 就職Shop ※ リクルートの運営する、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けの最大手。未経験就職(転職)にも
- JACリクルートメント ※ 日系グローバル企業と外資系企業を中心に、日本最大級の非公開求人を保持