現在大手企業に在籍し、近々ベンチャー企業への転職を考えている者です。
ベンチャー転職について調べていたところ、「ベンチャー転職におすすめの転職サイト・エージェント比較ランキング」のような記事には根拠のない、信憑性の低いものが多いことに気づきました。
実際にベンチャー転職をされたご経験も踏まえ、データに基づき、厳選された「ベンチャー転職におすすめの転職サイト・エージェント」をご教示いただけないでしょうか?
今回のテーマは「ベンチャー転職におすすめの転職サイト・エージェント(基準やデータによる根拠があり、厳選したものに限る)」である。
結論から申し上げると、本記事は「ベンチャー企業の求人数、エージェントの優秀さ、独自求人や企業とのコネクションの強さ、データで見たベンチャー企業転職者からの評判、データで見た利用ユーザー支持率の5つの要素で比較すると、ベンチャー転職におすすめの転職サイト・転職エージェントは①リクルートエージェント、②ビズリーチ、③doda(デューダ)の3つに厳選できる。その根拠や、+αとして利用すべきサービスを含めて解説していく」という内容になっている。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
この記事を読むことで、転職サイト・転職エージェントのうちベンチャー転職におすすめなのはどれなのかを根拠・データとともに知ることができ、自身が利用すべき転職サービスが明らかになるだろう。
なお、ベンチャー転職向け以外も含めたおすすめの転職サイト・転職エージェントについては、以下の記事を参照していただきたい。
>>おすすめ転職サイト・エージェント|プロ厳選の比較ランキング
【根拠あり】ベンチャー転職におすすめする転職サイト・転職エージェントの基準
本記事において、ベンチャー転職におすすめする転職サイト・転職エージェントの基準は以下の通りである。
- ベンチャー企業の求人数
- エージェントの優秀さ(提案の精度・スピード・年収交渉力)
- 独自求人や企業とのコネクションの強さ
- データで見たベンチャー企業転職者からの評判
- 利用ユーザー支持率(ポジティブな口コミの割合)
本記事では、上記の基準をそれぞれ5段階で採点したレーダーチャートとともに、ベンチャー転職におすすめの転職サイト・転職エージェントをご紹介している。
具体的な転職サイト・転職エージェントをご紹介する前に、上記を基準とした理由をそれぞれ簡単に解説しておく。
ベンチャー企業の求人数
求人数全体と、ベンチャー企業の求人数は全く別である。
例えば、求人数15万件以上を誇るdoda(デューダ)にあるベンチャー求人は、8,000件程度。
逆に、求人数で言えば6万件程度のリクナビNEXTが保有するベンチャー求人は9,000件を超える。
このように、ベンチャー求人数は全体の求人数と単純に比例するわけではないため、ベンチャー転職ではベンチャー求人数を見るのが正解だ。
エージェントの優秀さ(提案の精度・スピード・年収交渉力)
ベンチャー転職ではエージェントを利用することが多いため、エージェントの優秀さは重要だ。
特にベンチャー転職において、この項目は差が激しい。率直に言って、ベンチャー専門のエージェントの平均レベルは低いからである。
ビジネスモデル上、大手や外資専門のエージェントよりも利幅が少なく給与が少ないので、経験の少ない若者しか集まらない傾向がある。
エージェントとしてどうかというより、ビジネスパーソンとしてどうかというレベルの人間もいるため、エージェントを選ぶ際には注意が必要だ。
独自求人や企業とのコネクションの強さ
ベンチャー企業では、リファラル採用(知り合いの紹介による採用)が盛んである。
実際、「長時間労働かつ薄給」になりやすいベンチャー企業は、人のつながりを利用して採用することも多い。
これは、エージェント相手でも同様である。ベンチャー企業は限られたエージェントとのつながりによって採用を目指すことが多く、結果として限られたエージェントが独自求人(独占求人)を持っている世界となる。
よって、ベンチャーに転職したいのであれば、企業とのコネクションが強く、独自求人(独占求人)を持っているエージェントとつながることが重要なのである。
データで見たベンチャー企業転職者からの評判
本項目については、完全にデータに裏付けられている。
「転職サイトの評判を独自アンケートデータからプロが解説」において、ベンチャーおよび中小企業への転職経験者から「最も良かった」とより多く判断された転職サイト・転職エージェントを高得点としている。
具体的には、ベンチャーおよび中小企業への転職経験者から評判の良い転職サイト・転職エージェントは以下の通りであった。
利用ユーザー支持率(ポジティブな口コミの割合)
本項目も、完全にデータに裏付けられている。
各転職サービスの実際の利用者による458件の口コミを分析し、ポジティブ率(ポジティブな口コミの割合)を調査した結果を基に、5段階で得点を付けている。
>>転職サイト・転職エージェントの口コミを458件分析した結果を公開
ポジティブ率(ポジティブな口コミの割合)の具体的な結果は、以下の通りである。
【厳選3つ】ベンチャー転職におすすめの転職サイト・エージェント
本来、転職サイトや転職エージェントは1人の人間が長く使い、転職を繰り返さないと良し悪しが分からないはずである。
他の転職情報サイトでは「31社を比較」「34選」などと謳う記事もあるが、それらには意味も信憑性もないため、本記事においてはデータに基づいた前述の基準から「ベンチャー転職におすすめ」と断言できる、厳選3社をご紹介する。
早速だが、ベンチャー転職におすすめの転職サイト・エージェントだと確実に断言できるのは、以下の3つである。
- リクルートエージェント ※ 最も隙のないスペック。転職者からの支持率・ベンチャー求人数ともにNo.1
- ビズリーチ ※ ややハイクラスだがベンチャー企業の独自(独占)求人が多い
- doda(デューダ) ※ 掲載求人数は日本トップクラスの15万件以上。ベンチャー求人も多数
多くの方にとって、自分に合った3つ~5つの転職サービスを利用するのが転職における費用対効果(労力対効果)が最も高い方法だと思います。
リクルートエージェント
リクルートエージェント 公式サイト:https://www.r-agent.com
リクルートエージェントは公開求人数20万件以上、日本トップクラスの規模を誇る転職エージェントである。
ベンチャー求人数は公開求人だけで約15,000件程度と、数ある転職サービスの中で最も多い。
リクルート社員で構成されたエージェントの評判は概ね良いが、「親身ではない」「放置された」という口コミもあり、当たりはずれはある。
とはいえ、ベンチャー転職ではイマイチなエージェントが多い中、リクルートのエージェントはかなりマシであるという印象である。
結果として、実際の利用者からのポジティブな口コミの割合は66.1%、ベンチャー転職者が「最も良い転職サービス」と評価した率は23.9%と、軒並み高い。
リクルートエージェントは全体的なスペックが高いためベンチャー転職に限ったことではないのだが、リクルートに恨みでもない限りは利用しておくべきエージェントだと思う。
ビズリーチ
ビズリーチ 公式サイト:https://www.bizreach.jp
ビズリーチは、一般的にはハイクラス向けとされる転職サイトである。
実際、①外資系、②日系グローバル、③ベンチャーの役員、など様々なタイプのハイクラス求人が集まっている。
ビズリーチの持つ求人は8万件以上。その中には、ベンチャー企業の求人も多く、役員のみならずマネージャーやスタッフレベルの求人もある。
結果としてビズリーチには7,000件以上のベンチャー求人があり、ベンチャー専門の外部エージェントの持つ求人を合わせると、転職サービスの中でもトップクラスに多いと言える。
量だけでなく、ビズリーチには「他の大手にはないベンチャーの求人が多い」という特長があり、これがビズリーチの大きな強みとなっている。
ビズリーチに登録するためには審査を通過する必要があるのだが、年収200万円台で通過した人もおり、敷居はそこまで高くない。
むしろビズリーチの厄介な点はベンチャー専門の外部エージェントの平均レベルの低さであり、これには筆者も閉口したことがある。
ベンチャー求人の量、また豊富な独自求人(独占求人)から、ビズリーチはベンチャーに転職するのであれば登録しておきたいサイトであると言える。
doda(デューダ)
doda(デューダ) 公式サイト:https://doda.jp
doda(デューダ)はとりたててベンチャー求人数が多い転職サービスではないが、全体の求人数が多いため、一定以上の数のベンチャー求人を持っている。
その数は8,000件以上であり、それだけで言えばビズリーチより多い。(とはいえ、ビズリーチでは外部エージェントのもつベンチャー求人も加わるため、それには劣る)
doda自身がCMで「転職希望者の2人に1人が使っている」と述べている通り、実際にdodaを使って転職したという人は多く、ベンチャー企業への転職者からの評判も良い。
実際に、ベンチャーに転職した人の21.6%がdodaを「最も良かった転職サービス」に選んでいる。
ベンチャー転職におけるdodaの弱点は、エージェントである。
エージェントの優秀さにおける評判自体がもともと良いとは言えない上に、dodaのエージェントにベンチャー転職の専門性があるわけでもない。
まとめると、dodaはベンチャー企業の求人の探索範囲を広げるために登録すべき転職サービスだと言えるだろう。
リクルートエージェントやビズリーチほどベンチャー転職に向いているわけではないが、dodaが抱える求人数はやはり魅力的である。
【+α】ベンチャー転職の志望者の一部におすすめの転職サイト・エージェント
ここまで、ベンチャー転職の志望者全員におすすめ出来る転職サイト・転職エージェントを3つ厳選してご紹介してきた。
基本的には厳選した3つを利用すれば量・質ともに十分であるが、ベンチャー転職では限られたエージェントだけが扱う案件が多いため、数を広げておいて損はない。
よって、アクセスできるベンチャー求人の幅を広げるために、プラスアルファとして利用したい転職サービスをご紹介する。
- リクナビNEXT ※ 求人の量と質のバランスが良く、20代転職経験者からの支持率トップ
リクナビNEXT
リクナビNEXT 公式サイト:https://next.rikunabi.com
リクナビNEXTの抱える求人数は6万件超と、総合型転職サービスの中では多い方ではない。
しかし掲載されたベンチャー求人の割合は多く、9,000件程度もある。また、ビズリーチと同じく外部エージェントも参加できるサービスであるため、ベンチャー専門のエージェントも多い。
エージェントは外部エージェントのみだが、エージェントの質は(ビズリーチ等に比べ)比較的高めである。
ベンチャー企業の独自求人も見られ、数は少ないがベンチャーの役員求人が届くこともある。これらを反映したユーザー支持率は67.3%と高い。
ベンチャー転職におけるリクナビNEXTの弱点は、同じリクルート社のサービスであるため、リクルートエージェントと求人が被る傾向があるという事だ。
すでにリクルートエージェントを使っており、結果が出つつある方は、無理にリクナビNEXTを使う必要はないだろう。逆に言えば、ベンチャー転職においては、リクルートエージェントかリクナビNEXTのどちらかは使っておくべきである。
まとめ
本記事では、ベンチャー転職におすすめの転職サイト・転職エージェントについて解説してきた。
以下のベンチャー転職に向いている転職サービスのうち、自分に合ったものを3つほど選んで使いこなせば、転職成功率は格段に高まる。
- リクルートエージェント ※ 最も隙のないスペック。転職者からの支持率・ベンチャー求人数ともにNo.1
- ビズリーチ ※ ややハイクラスだがベンチャー企業の独自(独占)求人が多い
- doda(デューダ) ※ 掲載求人数は日本トップクラスの15万件以上。ベンチャー求人も多数
- リクナビNEXT ※ 求人の量と質のバランスが良く、20代転職経験者からの支持率トップ