プライベートの出費(結婚および出産)で支出が多く、現在あまり手持ちがないタイミングなので気になっています。
転職に費用はどれくらいかかるのか、教えてください。
今回のテーマは「転職に費用はどれくらいかかるのか」である。
結論から申し上げると「転職活動でかかる費用は人によって異なる。ただし、面接時の交通費程度しかかからないという人も多いため、あまり心配する必要はない」という内容になっている。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
この記事を読むことで、転職活動で必要な費用が網羅的に分かり、自身の場合にはどの程度の金額が必要なのかを算出出来るようになるだろう。
結論
まず、結論から行こう。
転職活動に必要な費用は、大きく分けると以下の3つである。
- 転職活動費
- 入社準備費
- 転職活動による機会損失等
細かい内訳については本文中で解説していくが、上記のうち、ほぼ全員が必要とするであろう費用は転職活動費の中の交通費のみである。
その他の費用は、人によってかかる場合とかからない場合がある。
上記の3つを合計した結果として、多くの方は数千円から1万円程度の費用で転職出来るはずである。
転職活動費
まず、一般的に転職活動費としてかかる費用は、以下の通りである。
- 応募書類やその送付費用
- 被服費
- 交通費
- 転職関連の書籍代
- 転職関連のサービス代
- その他
上記について、それぞれ簡単に解説していく。
応募書類やその送付費用
転職活動では、応募先の企業や転職エージェントに対して履歴書や職務経歴書を送る必要がある。
現在はMicrosoft Wordでファイルを送れば良いケースがほとんどであるが、ごくまれに紙で提出する必要がある場合もある。
この場合、履歴書や職務経歴書のフォーマットの購入や印刷費用、送付費用等がかかる。
被服費
転職活動には、スーツやビジネスカジュアルの服が必要になることがある。
とはいえ、多くの方は既にある程度所持していると思われる。
以下の記事に書いたが、衣服や時計のグレード等で転職活動の成否が変わることはないので、普段使っているものや就活時に使ったもので十分である。
>>【転職・新卒】面接でおすすめの腕時計は?人事面接官が2秒で回答
交通費
コロナ前を前提とすると、唯一ほぼ全員が必要としていた費用が、交通費である。
新卒の就活時とは異なり、転職活動において交通費を出してくれる会社は少なめである。
とはいえ、現在ではコロナ禍によりWeb面接も増えているため、交通費がかからないケースも多くなっている。
例えば東京に住んでいて東京の企業を受ける方であれば、1度の転職活動を通じて数千円~1万円程度で済むかと思います。
転職関連の書籍代
転職活動を始めると、転職活動に関する本を買いたくなる人もいると思う。
こういった本はほとんどのケースでは不要であるが、SPI等の適性検査が苦手な人であれば、その対策本を買うのは良い投資だろう。
また、入りたい業界が決まっているのならば業界研究に関する本を買っても良い。これは面接だけではなく、入社後にも役立つ。
その場合、1,500~3,000円程度がかかることになります
転職関連のサービス代
転職関連サービスにお金を使う人も増えてきているが、これは不要である。
転職関連サービスとは、キャリアコーチングや職務経歴書の添削等である。
こういったサービスが不要な理由は、値段が非常に高い上に、良い転職エージェントと出会えていればその人が無料でやってくれるためだ。
>>転職エージェントの選び方の教科書|出会い方、絞り込み方、付き合い方まで
有料の転職サイトもあるが、無料で利用できる転職サイトがほとんどである中で、わざわざ有料の転職サイトを使う意味はあまりない。
>>有料の転職エージェントの具体例とメリット・デメリットを人事プロが解説
その他
その他、転職情報サイトによっては名刺入れやハンカチ等のアイテムが必要だと書いてあるが、経験上必要ない。
転職で名刺交換をすることはあまりないし、ハンカチを見せることもない。そもそも、それらは既に持っている方がほとんどであると思われる。
入社準備費
転職活動が終わり、内定した後に必要となる、入社準備のための費用もある。
現在の住居からでは内定先に通えない場合の転居費用がそれにあたり、この費用がかかるかどうかは完全に人による。
転居費用とは、より具体的に言えば、敷金・礼金・引っ越し代等である。
企業によってはこれらの費用を負担してくれるところもあるし、そうでなかったとしてもオファー交渉によって出してもらえることもある。
ですので、自身の転職条件として、転居への許容度についてはあらかじめ考えておきましょう。
転職活動による機会損失等
費用とは少し異なるが、以下の様な転職活動による機会損失等についても考えておきたい。
- 残業代の減少
- 現職を辞めている場合の生活費
上記について、それぞれ簡単に解説していく。
残業代の減少
多くの場合、転職活動は平日の業務が終わった後に行うことが多い。
人によっては、今までは残業していた時間を削って転職活動をすることとなり、その場合には残業代が減少することになる。
これは厳密には費用ではないが、得られるはずだったお金が得られなくなるという意味で機会損失ではあるので、これも考慮しておくべきである。
現職を辞めている場合の生活費
すでに現職を辞めている場合、転職活動中に生活費がかかってくる。
これは「転職活動をしているから発生する費用」ではないのだが、その大きさから考慮しておくべき費用である。
すでに辞めてしまっているのであれば仕方がないが、転職活動は基本的に在職中にやるべきものであり、ブランク期間(空白期間)を作るのは得策ではない。
>>転職のブランク期間はヤバい?その真偽と対処法5つを人事プロが教える
まとめ
転居を伴わない転職の場合、最低限必要となる費用は交通費くらいであるし、コロナ禍によるWeb面接の急増により、それさえも減っている。
結果として、多くの方は数千円から1万円程度の費用で転職出来るだろう。