出来るだけ早く転職をしたいのですが、最短で転職活動をするとどれくらいかかるものなのでしょうか?
その期間と理由、そして方法を教えていただきたいと思います。
今回のテーマは「最短で転職活動をするとどれくらいかかるのか、その期間と理由、方法について」である。
結論から申し上げると「転職活動は、最短のケースでも1~2週間はかかる。とはいえこれは運が良い場合の最短であり、通常は最短で進めても1か月程度はかかる。この理由と最短で進めるための方法について、本文中で解説していく」という内容になっている。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
この記事を読むことで、最短で転職活動をするとどれくらいかかるのかとその理由が分かり、迅速に転職活動を進められるようになるだろう。
【結論】最短で転職活動を進めた場合の、内定までにかかる期間は1~2週間
まず、結論から行こう。
最短で転職活動を進めた場合、内定までにかかる期間は1~2週間である。
この内訳については次項で解説していくが、上記の最短の期間で転職活動を進めるためには、運も必要である。
一般的に言えば、転職活動にかかる期間は2~3か月程度と見積もっておいた方が良い、ということも同時に覚えておいていただきたい。
【理論的には】転職には最短でも1~2週間かかる理由
転職に最短でも1~2週間かかる理由は、転職活動のプロセスを考えてみていただければ分かる。
すでに履歴書や職務経歴書等は完成しており、応募したい求人も見つかっているという前提での転職活動のプロセスは、以下の通りである。
- 求人に応募する
- 応募先で書類選考が行われる(①から最短で1~2日程度)
- 書類選考に合格した場合、あなたと採用担当者または転職エージェントとの間で面接の日程調整を行う(②から最短で1~2日程度)
- 一次面接が行われる(③から最短で1~3日程度)
- 一次面接に合格した場合、合格の連絡があり、再度の日程調整が行われる(④から最短で1~2日程度)
- 二次面接(最終面接)が行われる(⑤から最短で1~3日程度)
- 最終面接に合格した場合、内定の連絡がある(⑥から最短で0~1日程度)
上記のプロセスにかかる期間を全て足すと、応募から内定までに最短でも1週間~2週間程度がかかることが分かるはずである。
ただし、1~2週間で転職活動が終わるというのは、あくまで理論値としての最短である。
まず、上記のプロセスでは二次面接までで内定しているが、実際には三次面接があることも多い。当然ながら、その場合にはさらに余分な時間がかかる。
次に、忙しい面接官が書類選考を1~2日で済ませることは、実際には稀である。
何よりも、上記のプロセスに関わる全員(面接官や採用担当者、転職エージェント、あなた自身)がすべての事項を即日処理(判断や連絡、確認等)してくれるというのはほぼあり得ない。
以上のことから、率直に言って、1~2週間で転職活動が終わるというのは「理論的にはそういうこともある」というだけであって、あまり現実的ではない。
【実際には】現実的な転職活動の最短は1か月程度
1~2週間は理論的な最短であって、現実的ではないと書いた。
それでは、現実的な転職活動の最短はどのくらいなのかというと、それは1か月程度である。あくまでイメージではあるが、以下のような時間のかかり方をする場合が多い。
- 求人に応募する
- 応募先で書類選考が行われる(①から5~7日程度)
- 書類選考に合格した場合、あなたと採用担当者または転職エージェントとの間で面接の日程調整を行う(②から2~3日程度)
- 一次面接が行われる(③から3~7日程度)
- 一次面接に合格した場合、合格の連絡があり、再度の日程調整が行われる(④から2~3日程度)
- 二次面接が行われる(⑤から3~7日程度)
- 二次面接に合格した場合、合格の連絡があり、再度の日程調整が行われる(⑥から2~3日程度)
- 三次面接(最終面接)が行われる(⑦から3~7日程度)
- 最終面接に合格した場合、内定の連絡がある(⑧から1~3日程度)
上記のプロセスにかかる期間を合計すると、大体1ヶ月程度であることが分かるはずである。
忙しい面接官が、若干業務が落ち着いた時にまとめてやっていることが多いからです。
ただし、上記のプロセスは不合格になる可能性を考慮していない。不合格になった場合には、別の企業でまた同じプロセスを踏む必要が出てくる。
さらに言えば、仮に内定したとしても年収交渉等で揉めることがある。揉めた結果、お互いが合意できない場合にも、同様に別の企業への応募から再度始める必要がある。
様々なケースを考えると、転職活動には最低でも2~3ヶ月はかかるという前提で臨んだ方が良い。
最短で転職する方法
最後に、最短で転職する方法について述べておく。
まず、前項までに説明した転職活動のプロセスの最初(①)を見てほしい。どれも、以下のようになっているはずである。
- 求人に応募する
最初のプロセスである「求人への応募」が始まらない限り、転職プロセスは始まらない。
また、開始した転職プロセスが全てうまくいくわけではない。途中で不合格になってしまうこともあるし、プロセスが遅いのかサイレントお祈りなのかの判断に困るケースもある。
>>面接結果が遅い場合は80%落ちている!その理由を人事面接官が本音で解説
つまり、最短で転職するためには、最初のプロセスである「求人への応募」をいかに増やせるかが鍵なのである。
求人への応募が多数あれば、不合格にならず内定までたどり着くケースが増え、その中にはかなり早く選考が進むものも出てくるのである。
転職サイトや転職エージェントに多数登録して応募数を増やすことが、結果として最短での転職に繋がる。
これが、最短で転職するための本質である。
>>転職エージェントは複数利用すべきか、注意点と選び方【プロが端的に解説】
上記の本質以外にも、早く転職するためのテクニックは存在する。これについては別の記事で紹介しているが、再掲しておく。
- 現職の仕事量を意図的に抑える
- エージェントに急いでいると伝える
- 企業のWebサイト(中途採用ページ)からも申し込む
- 面接で他社と迷っていると伝える
- 人手不足の会社を狙う
- 【注意】ブラック企業に気を付ける
上記のテクニックについて詳しく知りたい場合には、以下の記事を参考にしてほしい。
>>早く転職したい!早く転職するたった一つの方法を人事プロが解説
まとめ
転職活動は、最短1~2週間で終わることがあり得る。
ただし、これは理論的な最短であって、通常は最短でも1ヶ月程度かかるため、期間の見積もりをしたいのならば2~3ヶ月は見ておくべきである。