転職で面接に落ちる人の特徴を教えてください。
齋藤さんの書いた「面接で実際に不採用にした理由」の記事は読みました。
面接官の方の見ているポイントは分かったのですが、もう少し抽象的な「こういうやつは落ちる」という特徴はありますか?
志望動機が言えない等の論理的な回答ではなく、例えば「暗いやつ」とかそういうレベルで構いませんので教えてください。
今回のテーマは「転職で面接に落ちる人の特徴」である。
結論から申し上げると「この質問を受けて思い返してみたが、面接で落ちる人の特徴は確かに5つほどあるため、本文中で網羅的に解説していく」という内容になっている。
今回は「面接に落ちる人にはどういったタイプの人が多いか」という、もう少し抽象的な話になります。
>>面接官が不採用にした理由と対策7選【転職面接で見ているポイント】
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
この記事を読むことで、面接に落ちる人の特徴が分かり、その特徴に当てはまると面接官から思われることを避けることが出来るだろう。
【前提】面接官が不採用にした理由
本記事をご覧になっている方の中には、面接に落ちる「人の特徴」というよりは、面接に落ちる「理由」が知りたいという方もいるだろう。
そういった方は、筆者が以前に書いた以下の記事を参考にしてほしい。
>>面接官が不採用にした理由と対策7選【転職面接で見ているポイント】
転職面接において、面接官として実際に不採用にした理由(面接で見ているポイント)は、以下の7つである。
- 再現性のある行動事実(実績や経験)
- コミュニケーション能力
- 論理的思考力
- 組織および職務への性格適性
- キャリア観(人生観を含む)
- チャーム(人間的魅力/見た目含む)
- 禁忌選択肢(地雷)
詳しい内容については、先ほど挙げた記事を見ていただきたい。
上記の7つの項目において全て合格点が取れた場合には、どんな会社であっても合格することが出来るはずである。
そのため、上記の理由の中でも②の「コミュニケーション能力」および⑥の「チャーム(魅力)」と重複する部分が大きいです。
面接に落ちる人の特徴5つ
次に、本記事のテーマである面接に落ちる人の特徴について述べていく。
面接に落ちる人の特徴は、以下の通りである。
- 全体的にフワッとした回答をする
- 笑顔や頷きがない
- 体調が悪そう
- 入りたい意欲があり過ぎる
- 前職の悪口を言い過ぎる
上記の特徴について、それぞれ解説していく。
全体的にフワッとした回答をする
まず、全体的に具体性のない、フワッとした回答をする人は落ちる。
面接において、正解にはならないが、不正解にもならない抽象的な回答ばかりを連発する人がいる。
こういった人は、減点法で採点する会社、つまり「ヤバい奴でない限りは採る」という人気のない会社には入りやすい。
しかしながら、「良い人でなければ採らない」という加点法の面接をする会社では採用されない。
加点法の面接をする会社では、採りたいと思える特徴や、何か光るもの(チャームやキャラクター性等)がないと落ちる。
これを避けるためには、数字を盛り込んだり、具体的に自分が何をしたのかを語ったりすることが重要である。
5W1Hを盛り込んで話したり、(目標設定でよく使われる)SMARTのフレームワークに従って話したりする練習をすることも対策になる。
- Specific(具体的な)
- Measurable(測定可能な)
- Achievable(達成可能な)
- Related(経営目標に関連した)
- Time-bound(期限のある)
笑顔や頷き(うなずき)がない
笑顔や頷きがない人は落ちやすい。
最大限に大雑把に言ってしまうと、面接とはコミュニケーション能力を測る場である。
世界標準のビジネス・コミュニケーションにおいて、笑顔や頷きは(必須ではないものの)潤滑油として重要だと考えられている。
初対面の人間とにこやかなコミュニケーションが出来ないというのは、ビジネスパーソンとしては厳しいと捉えられてしまう。
筆者の経験上、エンジニアや経理等の職種、かつスタッフレベルであれば、専門性だけである程度の仕事がこなせるため、そこまで気にされないことも多いです。
体調が悪そう
体調が悪そうな人も面接に落ちやすい。
体調が悪そうな人間などほとんどいないのではないかと思う人もいるかもしれないが、それはあなたがまともだからである。
体調が悪そうな場合、それは一時的な状態なのか、常にそういう方なのかの判断は難しい。
企業にとって採用は(失敗したときのダメージが大きいという意味で)重要な決断であるため、一時的な状態であるとはみなさずに不採用にする場合が多い。
日本においては肉体労働が減ったので忘れられがちであるが、健康であるということは、労働者を採用する際に最も重要な要素の一つなのである。
具体的に、筆者が今まで体調が悪そうであったために落としたケースは以下の通りである。
- 口臭がひどく、ストレスで胃が荒れているのではないかと予想できた。 話していくうちに、実際にうつ病歴があることがわかった
- 肌荒れがひどく、生来の体質なのかストレスによりこうなってしまっているのか分かり辛かった。自社の悪口もひどかったため、後者と判断した
- かなり具合が悪そう(高熱がありそう)であり、シンプルに面接に来ている場合ではないのではないかと思った
特に上記の2番目のケースのように、体調不良だとも捉えられかねない生来の状態がある場合には、自分から話題にしておくとよい。
入りたい意欲があり過ぎる
面接官にもよるが、入社したいという意欲があり過ぎるというのも、実は落ちやすい。
入りたい意欲を出しすぎると、(実際にはそんなことがなくても)ウチに入りたいだけの人というレッテルを貼られやすい。
志望度が高いことは良いことではないかと思うかもしれないが、志望度が高いことばかりを強調されると、話は別である。
コミュニケーション能力はどうだったか、実績はどうだったか、論理的思考力はどうだったか。
本来面接で測っているこういった要素よりも、強烈にアピールされたことばかりが面接官の記憶(悪い場合には、記録)に残ってしまう。
入りたいという意欲があり過ぎて(結構いい人だったのに)落ちた、というケースは何度か見ているため、気を付けた方が良いだろう。
過ぎたるは猶及ばざるが如しである。
前職の悪口を言い過ぎる
前職の悪口を言い過ぎるというのも、面接に落ちる人の特徴である。
これは分かりやすいのではないか。
面接官も人間である。現職に対して恨みを抱いて転職してきた人よりも、キャリアアップのために転職してきた人の方が望ましいと思っている。
さらに、執拗に前職の悪口を言う人だとすると、その人自身の特徴として不満を持ちやすく、採用してもすぐ辞めてしまうのではないかという想像が働く。
先ほど述べた通り面接官も人間なので、多くの求職者は、現職に何らかのネガティブな思いを抱えているということは理解している。
だから、多少の悪口であれば見逃されるだろう。むしろ、率直な転職動機を語ってくれたと思われる可能性すらある。
まとめ
本記事に記載したような特徴に踊らされ、面接官は優秀な人を見逃しているのではないかと思う人もいるかもしれない。
優秀であることももちろん重要なのだが、転職の面接においては、最後は社風や面接官との相性(マッチング)が重要である。
合わない人を採っても、内部不和を起こして辞めてしまうからである。よって、面接官が一緒に働きたくないと思う人は落ちてしまうのである。
今回述べた特徴が自身に当てはまってしまっている場合には 、改善しよう。
「全体的にフワッとした回答をする」以外の特徴であれば、改善はそこまで難しくないはずである。
全体的にフワッとした回答をしてしまう人は、面接選考の対策不足が原因だと思うので、以下の記事群を参考にしていただきたい。