20代後半の男です。
現在、新しい職種へのチャレンジ(いわゆる未経験転職)を考えているのですが、20代後半で未経験転職はまずいでしょうか?
男性が20代後半で未経験転職をすることについての是非についてお伺いしたいです。
今回のテーマは「男性が20代後半で未経験転職(異職種転職)をすることについての是非」である。
結論から申し上げると「20代後半という年代は、男性にとって未経験転職(異職種転職)に最も向いた年代であると言える。その理由は5つほどあるため、本文中で解説していく」という内容になっている。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
この記事を読むことで男性が20代後半で未経験転職(異職種転職)をするメリットが分かり、迷うことなく未経験転職に踏み出せるようになるだろう。
結論
まず本記事の結論を記載しておく。
箇条書きで記載しているため、詳細は本文中で確認していただきたい。
男性の未経験転職(異職種転職)は20代後半に行うのがおすすめな理由は、以下の通りである。
- 「新卒就活くじ引き」の結果を冷静に分析できる年代だから
- 数年の社会人経験を踏まえ、今後伸びる業界や職種を選んでキャリアチェンジ出来るから
- 20代後半の男性であれば生え抜き男性にもキャッチアップできるから
- 男性は結局大黒柱、30代では給料を下げられず、出世する必要があるから
- 20代後半は前職の経験を活かしつつも、遅すぎないキャリアチェンジが出来る唯一の年代だから
男性の未経験転職(異職種転職)は20代後半がベストな理由5つ
男性の未経験転職(異職種転職)は20代後半に行うのがおすすめな理由は、以下の通りである。
- 「新卒就活くじ引き」の結果を冷静に分析できる年代だから
- 数年の社会人経験を踏まえ、今後伸びる業界や職種を選んでキャリアチェンジ出来るから
- 20代後半の男性であれば生え抜き男性にもキャッチアップできるから
- 男性は結局大黒柱、30代では給料を下げられず、出世する必要があるから
- 20代後半は前職の経験を活かしつつも、遅すぎないキャリアチェンジが出来る唯一の年代だから
「新卒就活くじ引き」の結果を冷静に分析できる年代だから
当サイト「転職参謀」ではよく引用させてもらうのだが、ドラッカーが最初の仕事はくじ引きであると言っている。
最初の仕事はくじ引きである。最初から適した仕事につく確率は高くない。
しかも、得るべきところを知り、向いた仕事に移れるようになるには数年を要する。P.F.ドラッカー「非営利組織の経営」
実際、社会人経験のない大学3年生や大学院1年生(M1)が、自分に最も向いた仕事先を探せる可能性は低い。
ただし、20代後半ともなれば話は別である。人にもよるが3~5年以上の社会人経験を積んだことで、自分のやりたいことややりたくないこと、得意なこと、苦手なこと等が分かってきているはずである。
筆者は総合商社や外資系戦略コンサルティングファーム等、20代でも1000万~2000万円ほど稼げる仕事に就いている人達を多く見てきた。
しかしながら、人は年収以外にも多くのものを秤にかけて生きている。どんなに素晴らしそうな仕事であっても、実際に自分にとって素晴らしくなければ意味がない。
自分にとって素晴らしいとはどういうことなのか、少しずつわかってきている年代が20代後半である。
言い換えれば、20代後半というのは、新卒就活でのくじ引きの結果を冷静に分析し、今後の戦略を固めつつある年代であると言えるのである。
よって、この時期に「未経験でも飛び込もう」と思った業界や職種というものは、今の仕事よりも自分に向いている可能性が高い。
数年の社会人経験を踏まえ、今後伸びる業界や職種を選んでキャリアチェンジ出来るから
社会人経験を積むことで分かってくるのは、自分の向き不向きや好き嫌いだけではない。
業務の中で、また社会人として必要な情報収集の中で、少しずつビジネスのことが分かってきているのである。
現在、世の中でどのようなビジネスが儲かっているのか、逆にどの業界が終わりつつあるのか、こういったことが分かってくるのも20代後半の頃だろう。
自分軸(得意不得意・好き嫌い)だけではなく、ビジネスの先行き(今後伸びる業界や職種)という視点も踏まえながら、現実的なキャリアチェンジを行えるのが、20代後半なのである。
20代後半の男性であれば生え抜き男性にもキャッチアップできるから
転職というものは、転職自体が終われば(=会社が変われば)成功というものではない。
転職後に活躍出来て、はじめて成功と言えるのである。
20代後半の男性が未経験転職をした後のライバルが、生え抜き社員(特に同じ男性)である。
未経験転職をするからには、一定の期間は新卒からずっとその仕事をやっている人に負けてしまうことは覚悟しているだろう。(経験の差があるため、これは避けられない)
だからといって、生え抜き社員に一生負け続けるつもりもないはずだ。
生え抜き社員に負けず劣らず、もしくは生え抜き社員以上に活躍するためには、仕事上のキャッチアップ(努力し、追いつくこと)が必要だ。
20代後半であれば、キャッチアップに必要なラーニングアジリティー(適応能力)がまだ高く保たれているため、未経験転職に向いている。逆に言えば、以下の記事に書いた通り、30代以降での未経験転職は厳しくなってくるのである。
>>30代での未経験職種の転職で絶対におさえておきたいことを人事プロが解説
男性は結局大黒柱、30代では給料を下げられず、出世する必要があるから
本記事は20代後半の男性が未経験転職をする際のメリットについて書いている。
すでに男女平等の世の中であるし、筆者は人事としてダイバーシティにも関わってきたので、あまり男女を分けたくはない。
しかし、現実は違う。平均給与の男女差や女性の出世意識・上方婚志向のデータを見ると、現実的には「多くの女性は男性が大黒柱を担うことを望んでいる」という事実が浮かび上がる。
これは人事として女性マネージャーを増やそうとする活動の中で、嫌というほど見てきた。
ただしその人たちはいずれも年収1,000万円以上で、数値の面からも平均的とは言えません。あくまで、ここでは「平均的な」女性のことを言っています。
少しずつ変わり始めてはいるが、世の中の平均としては、男性はまだまだ(経済的な)大黒柱であることを期待されている。
家庭を持つのであれば、今後(30代以降)は給与が下がる未経験転職を簡単にはできない。また、給与を上げるために今後(30代以降)はある程度の出世を目指す必要もあるだろう。
だからこそ、20代後半において未経験転職を済ませてしまい、高く保たれたラーニングアジリティーを活かして30代以降に生え抜き社員に追いつき出世できるようにしておくことが重要なのである。
20代後半は前職の経験を活かしつつも、遅すぎないキャリアチェンジが出来る唯一の年代だから
キャッチアップ力(ラーニングアジリティー、適応能力)だけで見ると、20代後半よりも20代前半の方が高い。
それでも20代後半の方が未経験転職におすすめな理由は、前職の経験を一定程度活かせる点である。
20代後半であれば、基本的なビジネス知識や、職種ごとの専門性の基礎的な部分を既に学んでいる。
これが20代前半となってしまうと、いわゆる「第二新卒」と呼ばれる括りに入ってしまうことが多く、前職の経験はあまり評価されないことが多い。
逆に、30代前半になってしまうと前の職種での動きを7~10年以上ずっとやってきているため、そこから抜け出して新しい動き方を学ぶのに多大な労力が発生する。
つまり、キャッチアップ力が下がってきてしまっている年代なのである。率直に言えば、未経験転職には少し遅いのだ。
以上より、20代後半は(20代前半とは違い)前職の経験を活かしつつも、(30代前半とは違い)遅すぎないキャリアチェンジが出来る唯一の年代だと言えるのである。
まとめ
男性ビジネスパーソンが未経験転職をするのであれば、20代後半はおすすめである。
以下でおすすめする20代向けの転職サイト・エージェントを使えば、さらに成功確率は高まると思うので参考にしてみてほしい。