基本的には上手く行った気がするのですが、一つだけ気になることがあります。
それは、面接がすぐ終わったことです。具体的に言うと、60分の予定だったはずが25分くらいで終了しました。
これは不合格、ということなのでしょうか?人事の方が面接をすぐに終わらせるのはどういうケースですか?
本音の理由を教えてください。
今回のテーマは「面接がすぐ終わった場合の本音の理由」である。
結論から申し上げると「面接がすぐ終わったことからは合格とも不合格とも確定できない。ただし、面接がすぐ終わるパターンはいくつかあり、どのパターンに該当するかによって合否をある程度は推測できる」という内容の記事になっている。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
この記事を読むことで、面接がすぐ終わった場合の人事側(面接官側)の本音の理由が分かり、面接の合否を推測することが出来るようになるだろう。
結論
結論からいこう。
面接がすぐ終わるケースは以下の3つであるが、それぞれ結果は合格、合否不明、不合格、となっている。特に②と③は説明が必要だと思うので、全て本記事で解説していく。
- 合格なので早めに逆質問タイムに入ったが、質問があまりなかったケース
- 人事担当が面接の延長まで見越した時間を伝えており、実際には延長がなかったケース
- ダメ企業もしくはダメ面接官だったケース
これも後ほど説明するが、①なのかどうかは面接の感触、③なのかどうかは企業の評判や面接官のレベル、面接の時間等で推測が出来るが、②なのかどうかは推測が出来ない。
よって、自分の場合は上記のどのケースにあたるのかを確定させることは出来ず、ある程度の推測までが限界である。
【前提】まともな企業の面接官なら、NG判定でも面接をすぐ終了させることはない
まず、面接がすぐ終わった場合に多くの候補者が感じるのは、「すぐ終わったということは、不合格だとすぐに見切りを付けられたということなのでは?」という不安だろう。
しかし、まともな企業のまともな面接官を前提にすると、それはない。
人事もしくは現場マネージャー等の面接官は、企業を代表して採用業務をしており、「企業の顔」としての自覚がある。
少なくとも、採用という意味では外部の候補者と接するので、自分が自社の評判を左右すると認識している。
そんな中、「すぐにダメだと見切り、面接を即終了する」という対応をとることはあり得ない。
そのような仕打ちを受けた候補者は、その企業のことが嫌いになり、「自分の良さを探そうともしなかった」「まだあまり話せていないうちに落とされた」と怒りを感じるだろう。
以上より、面接中の面接官の判断と、面接終了時間の関係は以下のようになる。
- 合格と判断できた場合:いつ終わらせてもいい(基本はちょうどに終わるが、早めに終わらせるのもあり)
- 不合格と判断できた場合:あらかじめ決めた時間まではにこやかに対応し、レピュテーションリスクを最小化(ちょうどに終わる)
- 合否が判断できない場合:質問を続行し、なんとか見極めようとする(むしろ長引く)
早く終わるのは、むしろ合格のケースだけだと分かっていただけるだろうか。
不合格にする場合、面接官は(好感を持たれないのは仕方ないとして)自社の評判を少しでも守れるよう「お客様対応」をするので、すぐ終わらせる等のリスクのある行動はとらない。
「すぐ終わったから合格」のパターン以外に、2つのパターンがあるからです。次項で解説します。
【人事の本音】面接がすぐ終わる3つのケース
前項で話したケースを含め、面接がすぐ終わるのは以下の3つのケースである。
- 合格なので早めに逆質問タイムに入ったが、質問があまりなかったケース
- 人事担当が面接の延長まで見越した時間を伝えており、実際には延長がなかったケース
- ダメ企業もしくはダメ面接官だったケース
それぞれ解説していく。
【1】合格なので早めに逆質問タイムに入ったが、質問があまりなかったケース
まず、合格なので早めに逆質問タイムに入ったものの質問があまりなかったケースである。
このケースについては前項で触れたが、もう少し詳しく解説しておく。
筆者の経験上、このケースは割と頻繁に起こる。具体例で言うと、以下のようなケースである。
- 30分間の予定の面接だったが、15分前後で理想的な候補者だということが確信できた
- そのため面接官からの質問は早めに切り上げ、疑問解消・志望度アップに努めるべく逆質問タイムに入った
- 質問は1問あったが、割と簡潔に答えられる質問だったため、5分で終了してしまった
- 結果として、30分のはずが20分で終わった
言うまでもないが、このケースでは合格している。
面接での全体としての感触は良かったのに、すぐ終わったことだけが気がかりだという場合にはこのケースである可能性があるだろう。
【2】人事担当が面接の延長まで見越した時間を伝えており、実際には延長がなかったケース
次に、人事担当が面接の延長まで見越した時間を伝えており、実際には延長がなかったケースである。
このケースについては説明が必要だと思うが、まずは以下の具体例を見てほしい。
- 面接の規定時間は18:00~18:30の30分だが、採用担当者が時間オーバーのリスクを考慮し、18:00~19:00と最大時間をエージェントに通知
- エージェントからは18:00~19:00と候補者に通知
- 当日、面接官(採用担当者ではない)は規定時間の30分を守り、27分程度で面接を終了。面接官としては、延長も短縮もしていない認識
- 候補者は「1時間のはずの面接が27分ですぐ終わった」と認識
一言で言えば、「採用担当が面接の延長を見越して時間枠を広めに設定したが、実際には延長が起こらず、候補者本人だけが『広めに設定された時間と実際の時間』のギャップを感じている」ケースである。
このケースも割と頻繁に起こる。
このケースでは、合格なのか不合格なのかは分からない。かつ、面接の様子等から推測することも出来ない。
合否不明かつ推測も出来ないこのケースの存在が、「面接がすぐ終わったからといって合格とも不合格とも言えず、推測も難しい」状況を招いている元凶であるとも言える。
【3】ダメ企業もしくはダメ人事(ダメ面接官)だったケース
本記事の前提において、「まともな企業の面接官なら、NG判定でも面接をすぐ終了させることはない」と書いた。
つまり、まともな企業やまともな面接官でなかった場合には、「NGだから面接の残り時間がもったいない。すぐ終わらせよう」という判断をする可能性がある。
筆者は4回転職し、長く人事をしてきたが、このケースを実際に見たことは一度もない。
しかし、時には驚くべき程にレベルが低い企業や人物はいるものである。
非常識なレベルで時間が短かった場合、例えば「5分や10分で終わった」等であればこのケースである可能性が高いだろう。
また、OpenWork等で企業自体の評判が悪かったり、面接で面接官が普通でないと感じた場合には、このケースがあり得るかもしれない。
まとめ
面接がすぐ終わった場合でも、不合格とは限らない。
それどころか、筆者の経験上では以下の①(合格)もしくは②(合否不明)が大多数であることからすると、合格の可能性の方が高いとも言えるかもしれない。
- 合格なので早めに逆質問タイムに入ったが、質問があまりなかったケース
- 人事担当が面接の延長まで見越した時間を伝えており、実際には延長がなかったケース
- ダメ企業もしくはダメ面接官だったケース
ただし、冒頭に述べた通り、結果を確定させることは出来ない。
どうしても「すぐ終わってしまった面接の結果」が気になって仕方がないという場合には、志望企業を増やすことで執着を分散させ、精神を安定させるのも手である。