辞めた方がいい会社

今すぐ辞めた方がいい会社の5つのパターンとその辞め方【プロが伝授】

悩めるビジネスウーマン
現在、会社を辞めたいと考えています。
しかし、その会社は別に「ブラック企業」というわけではなく、私がその会社でのキャリアの展望が描けないだけなのです。
毎日何をやっているんだろう…と思ってしまうのに耐えられなくなりました。
これって甘いでしょうか?「辞めた方がいい会社」とはどんな会社なのでしょう?その辞め方も知りたいです。

 

今回のテーマは「辞めた方がいい会社とその辞め方」である。

結論から申し上げると「キャリアプラン上すぐにでも辞めるべき会社は5つほどあるため、そのパターンと対処法を解説していく」という内容になっている。

 

初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。

筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。

  • 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
  • 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
  • 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
  • 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験

 

この記事を読むことで、客観的に見てもすぐに脱出すべき状況なのかどうかが分かるとともに、すぐに脱出する方法もあわせて知ることが出来る

 

辞めた方がいい会社の5つのパターンとは

まず、本来であれば「辞めた方がいいのかどうか」は個々人の価値観による。

好きなこと、嫌いなこと、耐えられること、耐えられないこと、目指している方向性、現在のライフステージ等はすべて、人によって異なる。

 

なので、今回の記事は「たとえ誰であっても、キャリアプラン(またはライフプラン)上、合理的に考えて辞めた方がいい会社」を挙げることとする。

早速だが、上記に当てはまる「辞めた方がいい会社」は以下の5パターンである。

  1. ブラック企業である
  2. キャリアの展望が描けない
  3. お金が貯まらない
  4. 仕事のせいで毎日が嫌になる
  5. ネガティブなレッテルが張られている

 

それぞれ解説していく。

 

【1】ブラック企業である

当然であるが、いわゆるブラック企業は価値観に関わらず「辞めた方がいい会社」である。

 

倫理的なところを除けば、ブラック企業にも「激務により成長する」「理不尽に強くなる」というプラスの点はなくもないのかもしれない。

しかしながら、それはしかるべき会社で行えばキャリア的にも、報酬的にも報われる。

 

齋藤
インセンティブの割合が高い営業会社(外資系の生命保険会社など)や、コンサルティング会社は激務ですが、キャリアや報酬的に報われる典型ですね。

 

自分の勤める企業がブラック企業なのかどうか分からないという方もいるだろう。

ブラック企業は、一般的に以下のような特徴を持つ。

  1. 職場において、怒号が飛び交うまたは暴力がある
  2. 人間関係が悪く、悪口・陰口が日常的になされている
  3. 上司の言ったことは絶対であり、合理的な反論も許されない
  4. 最低賃金未満の給与しかもらえない
  5. サービス残業が存在する
  6. 法定休憩や有給休暇をとれない
  7. 人の入れ替わりが激しく「辞めては採用」を毎月繰り返している
  8. 著しく非合理的な業務または業務フローが存在し、誰も改めない
  9. 公式なレポートライン(上司と部下の関係等)ではなく、人間関係で動いている
  10. 何らかの罰金や自腹買い取りなどの制度・慣習がある

 

詳しくは解説しないが、上記のうち、5つ以上当てはまれば立派なブラック企業と言えるだろう。

 

齋藤
暴露しますが、私がいた戦略コンサルティングファームにも出勤簿を出さなかった時のペナルティ(月額3,000円)がありました。
私の退職後に労基署に指導されてやめたようですが、お粗末です。そもそも、その出勤簿に本当の労働時間は書いていないですしね。

 

【2】キャリアの展望が描けない

あなたの中でその会社におけるキャリアの展望が描けないのであれば、それも辞めた方がいい会社であろう。

 

目指すキャリアは、個人によって異なる。

よって、「その会社に在籍し続けては、自分の目指す姿にはなれない」と感じる場合、例えば以下のような場合には辞めるべきだろう。

  • 古い体質の日本企業に勤務。出産・育休を経験して「ママ用ののキャリア」に乗ってしまい出世が見込めないが、自分はバリバリ上を目指したい場合
  • 大企業の子会社に勤務。プロパー(子会社入社の社員)はせいぜい係長どまりにしかなれないが、自分はそれでは満足できない場合
  • 大手SIerに勤務。プログラミングのプロとしてのキャリアを歩みたいのだが、今の企業ではそれは下請けに出す業務である場合

 

ある程度キャリアプランを持っており、今の会社が全くそれに沿っていないのであれば、辞めるべきである。

>>キャリアアップするには?キャリアアップに必要な全プロセスを人事プロが解説

 

【3】お金が貯まらない

一時期話題になった、「老後2,000万円問題」を覚えているだろうか?

「65歳までに夫婦で2,000万円貯めなければいけない」という報告書に対し、世間が「それは無理。何のために年金があるのか」と総バッシングした問題である。

 

夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ20~30年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で1,300万円~2,000万円になる。

出典:金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」

 

しかし、バッシングしたところで「ある程度まとまった老後資金が必要である」という事実は変わらない。

多くのビジネスパーソンはそれを「毎月の給与やボーナス」から貯めていく必要があるので、実は働いてもお金が貯まらないということは死活問題なのだ。

 

もし、「まったくお金が貯まらない」という会社に勤務しているのであれば、それは辞めた方がいい会社である可能性が高い。

 

齋藤
単純に「給与が低くて貯まらない」という会社はもちろん、「給与は良いがストレスが大きく、ストレス解消のための費用がかさんで貯まらない」という会社も含みます。

 

【4】仕事のせいで毎日が嫌になる

1日8時間働いている方は、週休二日制だとすると、一週間に40時間働いている。

一週間は168時間なので、ざっと週の4分の1は働いているわけだ。

 

齋藤
残業や睡眠時間まで考えると、起きている時間の3分の1くらい(=人生の3分の1くらい)働いている方も多いのではないでしょうか。

 

これだけの割合を占める時間を、「嫌だ」と思いながら過ごしているとしたら、それは地獄である。

そういう日本人は多いかもしれないが、客観的に見て痛ましい状況であることは間違いない。

 

それをずっと続けていたら、うつ病をはじめとするメンタル疾患にもなりかねない。

一度メンタル疾患になってしまうと、その後のキャリアに深刻な影響があることは言うまでもない。

 

仕事のせいで毎日が嫌になるのだとしたら、「辞めた方がいい会社」にいる可能性がある。

特定の職場または現在の職種が嫌なのであれば異動すればよいが、異動できない場合や、会社自体が嫌だという場合には辞めるべきだ。

 

【5】ネガティブなレッテルが張られている

既にその会社において、ネガティブなレッテルが貼られている人も辞めた方がいいかもしれない。

ネガティブなレッテルは無数にあるが、例えば

  • 「無能(仕事が出来ない)」
  • 「元気だけが取り柄で、思慮が足りない」
  • 「パワハラ上司」
  • 「口だけのお調子者」
  • 「冷たくて感情がない、サイコパス」

のようなものである。

 

こういったレッテルは、事実か否かは別として簡単には剥がせず、かつ、その「貼られたレッテル通りになりやすくなる」という性質を持つことが多い。

 

仕事が出来ない」というレッテルを例にとろう。

「仕事が出来ない人」と周囲に決めつけられてしまうと、「発言力」「頼まれる仕事の量」「入ってくる情報の量」などが総じて減り、そのせいで実際に成果が出にくくなる

さらには「自信」さえも失ってしまい、モチベーションもゼロになり実際に「仕事が出来ない」人になっていく

 

齋藤

ネガティブなレッテルを貼られている場所にいることは、キャリアというより人生そのものにマイナスです。
場合によっては、大きな精神的ダメージを受けてしまうかもしれません。

 

歯を食いしばってでも、大切な何かのために今はその会社にしがみつく、という事情があるのであれば止めはしない。

しかし、そうでなければ退職してあなたの評判をリセットすべきであると強く言いたい。

>>仕事でミスばかりの方必見!全ての理由と対策を人事プロが解説

 

【辞め方】辞めた方がいい会社だと確信した際の対処法

ここまでの内容から、勤務先が「辞めた方がいい会社」なのかどうかが分かってきたかと思う。

本項では、辞めた方がいい会社だと確信した場合の辞め方(対処法)を記載する。

 

辞めた方がいい会社だと確信した場合の辞め方

辞めた方がいい会社でも、別に辞めなくてもいい会社でも、辞め方は変わらない。

 

退職届を出せばいいだけである。

通常、フォーマットが会社ごとにあるので、それを印刷し記載・押印して上司に渡せば終了だ。

 

ただし、ブラック企業であるなどの理由により、出社して印刷したり、直接提出したくないときもあるだろう。

その場合には、自作して送付すればよい。退職代行が流行っているようだが、不要である。

 

内容は、退職届であることの記載、提出日、会社及び社長名、「一身上の都合により~」の定型文と退職日付、そして自分の所属部署と名前、押印。

これで全てである。以下の内容を、〇〇部分を埋めて配置しなおせばOKだ。

退職届

令和〇〇年 〇〇月 〇〇日

株式会社○○ 代表取締役社長 ○○様

一身上の理由により〇○月〇○日をもって退職したく、ここにお願い申し上げます。

○○部 ○○課 (名前および押印)

 

ブラック企業であり、相手が退職を認めない可能性がある場合は、これを「内容証明郵便」で送付する。

封筒は何でもよいし、中の紙も無地のコピー用紙を使えばよい。

 

齋藤
内容証明郵便を出したことがない方は多いと思いますが、郵便局に行けば懇切丁寧に教えてくれます。

 

なお、あなたの会社の就業規則に「退職は退職日の〇か月前に申し出ること」等とあるかもしれないが、これは関係ない。

その規則は無効(出来ればそうしてね、程度の意味しか持たない)であり、実際には

  • 会社の言うとおりの期日で退職を申し出る法的根拠は全くない
  • 実際には「合意がなく2週間を過ぎたら退職」出来る

のである。送り付けて2週間たったら自然に退職成立である。

送り付けて「絶対に認めません」という「退職を認めない旨」を明示した(脅迫めいた)手紙が届いたとしても、送り付けて2週間たったら自然に退職成立である。

 

もちろん、会社から貸与されたパソコン等が(リモートワーク等の事情で)自宅にあれば元払いで返却する必要はある。だが、それ以外にはない。

 

その2週間は何をしていれば良いのか?」と思うかもしれない。

厳密には働かねばならないが、ことここに至っては働かなくても良いだろう。

 

出勤し働いた場合(リモートワークした場合を含む)には給与が出る。

働かなかった場合には、「不就業」となり給与が出ないというだけのことである。

 

なお、有給休暇が残っているのであれば、不就業ではなく有給休暇の充当が可能だ。

その場合、給与を出さなかったら違法なので会社を訴えることもできる。その場合、外部労働組合などの活用も手である。

 

齋藤
なお、どういう退職の仕方であっても、雇用保険の失業給付のための離職票や、源泉徴収票の発行は会社の義務です。
発行してくれなかったら行政に指導されるのは会社なので、人事部等に普通に請求しましょう。話したくなければ内容証明郵便を使いましょう。

 

辞めると決めたらすぐにすべきこと

最後である。

辞めた方がいい会社だと確信し、辞めると決めたのであれば、転職サイトや転職エージェント、転職SNS(Linkedin等)への登録が最優先事項である。

 

良い求人と良い転職エージェントというものは、転職活動を開始してすぐに集まってくるものではない。

ある程度「待ち時間」がかかってしまうし、転職活動期間のほとんどはそこに費やすことになる。

 

ただし、「転職しようかな」レベルの段階で転職サイトに登録し、職務経歴部分を埋めていたのであれば話は別だ。

そうであれば圧倒的に時間を短縮でき、かつ「何かあったらこの会社に行けばいい」というのが見えてくるので、精神的安定度が増す

 

まとめ

繰り返す。以下に当てはまる会社にお勤めであれば、キャリアプラン上、または精神衛生上よろしくない状態にある。

筆者としては一刻も早く辞めた方がいい会社だと思う。

  1. ブラック企業である
  2. キャリアの展望が描けない
  3. お金が貯まらない
  4. 仕事のせいで毎日が嫌になる
  5. ネガティブなレッテルが張られている

 

転職サイトや転職エージェントは無数にあるが、それらを紹介するランキングやおすすめサイトの信憑性は低く、どのサイトに登録すべきか悩む方は多い。

迷ったら、年代でも性別でもなく、シンプルに年収で決めるのがおすすめである。

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