そこで、転職を成功させた友人に聞くと「転職エージェントから紹介してもらった」と言われました。
転職エージェントの方とは、どこで知り合えばいいのでしょうか?知り合う方法だけではなく、選び方やお付き合いの仕方等も知りたいです。
今回のテーマは、「転職エージェントの選び方」である。
筆者自身、転職の度に多くのエージェントに出会い、お付き合いを重ね、サポートしていただいた。
その結果、何年にもわたり「常に良い求人を紹介してくれる転職エージェント」も複数でき、転職によって30代前半で東証一部上場企業の執行役員に就任し、年収にして1,800万を達成することもできた。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
今回は、転職エージェントの選び方はもちろん、出会い方、絞り込み方、付き合い方、そして今すぐやるべきことまで含め、転職エージェントを選ぶときに必要な全てを記載した。
これさえ読んで実践していただければ、最高の転職エージェントと出会えると言い切れる内容になっている。
結論
まず本記事の結論を記載しておく。
箇条書きで記載しているため、詳細は本文中で確認していただきたい。
転職エージェントとの出会い方は、以下の通りである。
- 大手転職サイトに登録し、エージェントからのスカウトを待つ
- 転職エージェント会社に登録する
- 転職SNSに登録する
付き合う転職エージェントの絞り込み方(基準)は、以下の通りである。
- 早い段階で(できれば最初に)興味の湧く求人を出してくるか
- 面談(電話面談)の前にあなたの職務経歴書を読んでいるか
- 自分のキャリアをプラスに評価してくれているか
- コミュニケーションスタイル(電話・メール等)が合っているか
- 転職ありきで求人をおすすめして来ないか
転職エージェントとの付き合い方のコツは、以下の通りである。
- 自分のペースで付き合う
- 相性が悪ければ「切る」
- 良いエージェントは10年単位で大切にする
【簡潔にまとめ】転職エージェントと転職サイトの違いと、付き合うメリット
転職エージェントと転職サイトは混同されがちである。まず最初に、その違いについて記載しておく。
説明 | 具体例 | |
①転職サイト | 求人が掲載されているタイプの通常の転職サイト | リクナビNext、ビズリーチ、キャリアカーバー、doda、パソナキャリア、等 |
②転職エージェント(会社) | 企業(リクルート等)の社員が、エージェントとして登録者と話し、求人を紹介するタイプの転職サイト | リクナビエージェント、マイナビエージェント、JAC Recruitment、等 |
③転職エージェント(個人) | 上記のサイトや転職SNSで活動している、転職エージェント個人。その多くが転職エージェント(会社)に属していることが多い | 松本さん、高橋さん、山上さん、Adamさん(全て筆者の知り合い) |
④転職SNS | 主にLinkedinのこと。(ちなみにTwitterでも転職は可能) |
(※ 上記の表は左右にスクロール可能)
本記事は、主に②番「転職エージェント(会社)」および③番「転職エージェント(個人)」について扱っている。
つまり、「転職エージェントとの知り合い方、選び方、絞り込み方、付き合い方」について完全に網羅した内容になっている。
本記事の内容について知っていただくと、以下のような「なじみの」転職エージェントが出来てくる。
- あなたの経歴や強みを知っている
- あなたの弱みや性格まで知っている
- あなたが転職で重視しているポイントについて熟知している
- どんな仕事や社風、上司が好き(嫌い)なのかも理解している
- 以上の要素から、あなたにぴったりの求人を定期的に紹介してくれる
筆者自身の例で言えば、望む求人が出た時だけ、数か月に一度連絡をくれる転職エージェントが複数いる。
どれもこれも興味深い求人ばかりであり、話を聞いてみることも多い。
こうなってくると、「労力をかけず、常に転職活動をしている」状態になってくる。
これは最高のメリットである。
常に「別の良い会社に行くチャンスもある」と認識出来るので、会社生活において精神が安定する。
さらに、求人探しやエージェント探しの手間がないため、「しんどさ」「めんどくささ」から解放された転職活動が出来る。
転職エージェントとの出会い方【3つ】
早速だが、転職エージェントとの出会い方について記載する。主な方法は以下の3つである。
- 大手転職サイトに登録し、エージェントからのスカウトを待つ
- 転職エージェント会社に登録する
- 転職SNSに登録する
それぞれ解説していく。
【1】大手転職サイトに登録し、エージェントからのスカウトを待つ
王道かつ最も有効なのが、大手転職サイトに登録し、その中で活動するエージェントからのスカウトを待つという方法だ。
なお、サイト内で職務経歴書をきちんと埋めておかないとスカウトは来ないので注意しましょう。
大手の転職サイト内では無数の転職エージェントが活動している。
この方法を用いれば、あなたと相性が良く、有能なエージェントにいつか必ず巡り合える。
ただし、この方法には難点(デメリット)が2つある。
- 登録してすぐにエージェントから連絡があるわけではなく、時間がかかること
- 学歴や職歴が良くないと、あまりスカウトが来ないこと
①番目については、出来る限り早く登録して待つしか対処法がない。②番目については、次の項目で解決しよう。
【2】転職エージェント会社に登録する
大手転職サイトに登録しても、エージェントからスカウトが来ず、掲載された求人を眺めているだけになってしまう方もいると思う。
その場合、自分から転職エージェント会社(大手転職サイトではなく、エージェントサービス)に登録してしまえばいい。
大手転職サイトへの登録者の「大勢の中のひとり」だと連絡が来ないかもしれないが、自社のサービスに直接登録されたのであれば話は別だ。
かなりの高確率で、転職エージェントから連絡が入る。
【3】転職SNSに登録する
大手転職サイトへの登録と同じくらいに効果的なのが、転職SNS(ビジネスSNS)への登録である。
具体的には「転職SNS=Linkedin」である。
そう言い切ってしまって構わないほど、Linkedinの一強状態なのである。
採用側の企業から高い利用料金を取るビジネスモデルになっているためです。私自身もずっと無料で使っています。
Linkedinに登録し、きちんと職務経歴書を埋めておくと、Linkedinで活動する転職エージェントから連絡が届く。
その多くが大手転職サイトに掲載されていない案件なので、ぜひ登録しておこう。
転職エージェントの絞り込み方【5つ】
転職エージェントは非常に多い。
転職活動において、連絡をくれたエージェント全員と付き合っていたら、いくら時間があっても足りない。ある程度絞り込む必要がある。
プロの世界では、自分の力不足により切られてしまうことは当たり前ですので、エージェントを絞り込むことに躊躇する必要はありません。
ここでは転職エージェントの絞り込み方について述べていく。
以下が、筆者自身の5つの絞り込み基準である。
- 早い段階で(できれば最初に)興味の湧く求人を出してくるか
- 面談(電話面談)の前にあなたの職務経歴書を読んでいるか
- 自分のキャリアをプラスに評価してくれているか
- コミュニケーションスタイル(電話・メール等)が合っているか
- 転職ありきで求人をおすすめして来ないか
【1】早い段階で(できれば最初に)興味の湧く求人を出してくるか
あなたに的確な求人を提示するスキルは、転職エージェントとして最も重要な能力である。
これが出来るのかどうかは、エージェントが有能かどうかのスクリーニングになる。
【2】面談(電話面談)の前にあなたの職務経歴書を読んでいるか
初回の面談の前に、履歴書や職務経歴書を読みこんできているかも重要だ。
とりあえず書類を提出だけさせておいて、読んでいないという残念なエージェントも多い。
この項目も、相手が有能であるかどうか、熱心であるかどうかのスクリーニングになる。
事前に職務経歴書を読みこみ、こちらのキャリア、レベル感と紹介できそうな求人を把握してから面談に臨むエージェントで、ダメな人を見たことがない。
事前に企業から手数料(フィー)をとって希少人材をスカウトする、いわゆる本当の「エグゼクティブサーチ」は、職務経歴書を100%徹底的に読みこんできます。
【3】自分のキャリアをプラスに評価してくれているか
あなたのキャリアをプラスに評価し、今後のキャリアプランを尊重してくれているかどうかも大切な要素である。
上から目線のエージェントや、自分の意見を押し付けるエージェントもたまに見かけます。
基本的に、エージェントの仕事はあなたのサポートである。あなたの話をよく聞かないエージェントが、あなたの向かいたい方向性へのサポートなど出来るはずはない。
あなたのキャリアプランを尊重していないエージェントがおすすめする求人は、「手数料が大きい」というだけで選ばれた案件である可能性が高い。
【4】コミュニケーションスタイル(電話・メール等)が合っているか
コミュニケーションスタイル(連絡手段や、頻度等)が合っているかどうかも重要である。
特に、エージェントからのしつこい電話に嫌気がさしている人は多い。
電話やメールなど、あなたの心地よい連絡手段を、適切な頻度で用いるエージェントだと安心だ。
もし「良いエージェントなのだが、コミュニケーションスタイルが合わない」と思うのであれば、一度指摘すると変えてくれることが多いです。
【5】転職ありきで求人をおすすめして来ないか
転職ありきで、合わない案件を「おすすめ」してくるエージェントは論外だ。
あなたにぴったりのポジションが出てきたときにだけ、しっかりと教えてくれるエージェントが理想である。
転職エージェントとの付き合い方【3つ】
さて、ここまで転職エージェントとの出会い方と絞り込み方を解説してきた。
彼ら・彼女らとの付き合い方のポイントを3つご紹介しよう。
- 自分のペースで付き合う
- 相性が悪ければ「切る」
- 良いエージェントは10年単位で大切にする
【1】自分のペースで付き合う
転職活動の主役は、転職エージェントではなくあなたである。
転職エージェントとの付き合いによってあなたが消耗してしまっては本末転倒である。
状況にもよるだろうが、本来、転職活動は急いでやらないといけないものではない。
転職活動は常にマイペースに行い、そのペースに付いてきてくれるエージェントを大切にしよう。
しかしながら、それをあなたが気にする必要は全くありません。
【2】相性が悪ければ「切る」
すでに述べた通りだが、相性が悪い転職エージェントは切るべきである。
転職エージェントは、転職活動において非常に重要だからだ。
以下のような役目を全て負っているのが転職エージェントなのである。
少し長いが、流し読みするだけで転職エージェントの重要性が分かっていただけるのではないだろうか。
- あなたの話をしっかりと聞き、ぴったりの仕事を探し、提案するカウンセラーであり、リサーチャーであり、プレゼンターである
- あなたの転職活動における書類選考対策や面接戦術を指導する教官(メンター)である
- 転職における様々な「めんどくさいこと(日程調整や要望の伝達、本音の引き出し等)」を調整してくれるコーディネーターである
- あなたに代わって給与交渉をする代理人(交渉人、ネゴシエーター)である
- 多くの人が時々自信を失いがちな転職活動において、あなたを励まして成功に導く伴走者であり、モチベーターである
ここまで重要な役目を、仕事が出来ない人や、あなたとの相性が悪い人に頼んではいけないのである。
【3】良いエージェントは10年単位で大切にする
良い転職エージェントとは長い付き合いになる。
彼ら・彼女らもプロフェッショナルとして、リスペクトされたいと思っている。
単に「求人を紹介してくれる人」としてではなく、「いつもサポートしてくれるパートナー」として扱おう。「相手が自分をどう見ているか」は、メールや電話でも相手に伝わるものである。
そういった場合でも、彼・彼女の顔を立てて、少し話を聞いてみることも大切です。
転職エージェントとの出会い方と、プロのおすすめ
最後に、最高の転職エージェントと出会うために今すぐやるべきことを一つだけ書いておく。
それは、転職エージェントとの出会いを開始することである。
転職エージェントと出会うためには、(冒頭で既にご紹介したとおり)転職サイトや転職エージェント会社、転職SNSを利用する必要がある。
- 大手転職サイトでエージェントからのスカウトを待つ
- 転職エージェント会社に登録する
- 転職SNSに登録する
とはいえ、「あとは自分で検索してください」では不親切であろう。
筆者自身が使っており、かつ有用だったものを紹介して終わることにする。(なお、全て無料である)
エージェントと出会うためにおすすめの転職サイト
まず①の大手転職サイトである。
これは、ビズリーチとリクナビNEXTに登録しておけば十分である。
これらのサイトに登録しておけば、転職エージェントからのスカウトが集まり始める。
ビズリーチは転職エージェントや企業からのスカウト型転職サイトの中で最大級であり、リクナビNEXTは求人掲載型のサイトの中で最大級である。
あなたがどんなに優秀であっても、転職サイトや転職SNSに登録されていなければ見つけられないのです。
登録すべきおすすめの転職エージェント
次に、②の転職エージェント会社である。
この中でも、JACリクルートメントは特におすすめである。
JACリクルートメントは大手企業や外資系に少し集中しているし、リクルートやビズリーチより知名度は落ちるが、実は国内最大級の独占求人数を誇るサイトである。
ハイクラス・ミドルクラスを専門としているが、実はミドルクラス未満や第二新卒の非公開求人も保持しており、広くお勧めできる。
リクルートエージェントおよびマイナビエージェントは、誰もが知る大手エージェントだと思う。
ただし、なぜか同じくリクルートやマイナビが運営する「リクナビNEXT」や「マイナビ転職」に比べて使っている人が少ないので、意外と穴場である。
おすすめの転職SNS
最後に、③の転職SNS(Linkedin)についてである。これは、以下のLinkedin公式サイトから登録できる。
まとめ
転職エージェントは、あなたの転職活動を強力にサポートしてくれるパートナーである。
本記事の内容を用いて最高のパートナーを見つけ、最高の転職に結び付けてほしい。