両面型とは、どういったエージェントのことなのでしょうか?両面型ではないエージェントとの違いを教えてください。
また、両面型のエージェントはおすすめできるのでしょうか?両面型の中でも、おすすめのエージェントはありますか?
今回のテーマは「両面型の転職エージェント」である。
結論から申し上げると「両面型のエージェントとは、1人のエージェントが企業とも候補者(転職活動中の方)ともコミュニケーションをとるエージェントのこと。両面型のエージェントは利用価値が高いので、メリットからおすすめの両面型エージェントまで解説する」という内容になっている。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
この記事を読むことで、両面型のエージェントとは何かからそのメリット、具体的なおすすめまでが分かり、より深いレベルで転職エージェントを活用できるようになるだろう。
結論
まず結論からいこう。
両面型と片手型(分業型)のエージェントで言えば、両面型の方がおすすめだ。
これは定義から明らかであり、両面型ではあなたと話しているエージェントが企業ともつながっており、ニーズの把握や売り込み力が強いためである。
対して、片手型ではミスマッチが起こりやすく、企業担当のエージェントはあなたのことを書類上・コメント上でしか知らないため、当然ながらあなたを売り込む力も弱い。
両面型のエージェントは数が少ないため、両面型のエージェントでの筆者のおすすめは一つしかなく、それはJACリクルートメントである。
以上の結論となった理由は本文で解説していく。
両面型の転職エージェントとは?その具体例は?
冒頭にも述べた通り、両面型の転職エージェントとは、一人のエージェントが企業の担当者(人事)と候補者(転職活動中の方)の両方とコミュニケーションをとるタイプのエージェントである。
具体例を出すと、転職エージェントのAさんがソニーの人事とも、ソニーに入りたい候補者とも「両方」コミュニケーションをとっているということである。
転職エージェントの業界用語では、これを両面型という。
両面型は法人・個人ともにエージェント1人で対処する必要があるため、エージェント側に力量が求められ、手間がかかるため、両面型を採用している会社は少ない。
代表的な両面型のエージェントは、JACリクルートメントである。
逆に、リクルートエージェントやマイナビエージェント、dodaなどの大手エージェントは全て両面型ではない(片手型の)エージェントである。
両面型のエージェントと片手型(分業型)のエージェントの違いとメリット・デメリット
両面型のエージェントと対になる概念が、片手型(分業型)のエージェントである。
片手型のエージェントでは、「法人チーム(ソニーなどの企業に求人ニーズを聞くチーム)」と「求職者チーム(転職活動中の方を探し、求人を紹介するチーム)」に分かれる。
転職活動中の方(求職者)から見た違い、およびメリット・デメリットは以下である。
両面型のエージェント | 片手型(分業型)のエージェント | |
エージェントのレベル | 高い。法人・個人対応を全て1人でこなす必要がある | 人による。分業なのでイマイチなエージェントでもなんとかこなせる |
企業ニーズを把握しているか | 把握している。実際に企業ニーズを聞いたエージェントが対応してくれる | 把握はしているが、求職者に伝えにくい。企業のニーズを把握する人とそれを求職者に伝える人が別 |
メリット |
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デメリット |
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具体的なエージェント企業名 | JACリクルートメント、Spring転職エージェント、パソナキャリア | リクルートエージェント、マイナビエージェント、doda |
(※ 上記の表は左右にスクロール可能)
どちらがいいのかと言えば、転職活動中の方(求職者)の視点で言えば間違いなく両面型の方が良いだろう。
片手(分業)型のメリットは、「分業によりイマイチな人でも戦力化しやすい」「分業によりオペレーションを効率化しやすい」など、求職者ではなく「エージェント企業側のメリット」が多い。
転職エージェントは無料で利用できる、つまり価格がもともとゼロであることから、ユーザー(求職者)から見たメリットはありません。
両面型は(法人営業と個人対応の両方が強いられるため)エージェントにとってはキツいが、ユーザーによってはいいことばかりの形態である。
両面型のおすすめエージェント
両面型のエージェントが良いとは言っても、おすすめのエージェントは少ない。
なぜなら、そもそも両面型のエージェント自体が少なく、ほとんどが片手型(分業型)だからである。
数少ない両面型のエージェントの中で筆者がおすすめできるのが、JACリクルートメントである。
理由は「JACリクルートメントの転職エージェントの特徴を人事プロが解説」に記載したとおり、以下のような特徴を持つためだ。
- 国内最大の転職エージェントである
- 非公開求人(転職サイトに掲載されていない求人)が多い
- 外資系・グローバル日系大企業に強いが、ベンチャー企業に弱い
- ハイクラス・ミドルクラスに強いが、意外に第二新卒レベルの求人も豊富
- 「両面型」のエージェントであり、企業のニーズに詳しい
- 誠実である。イマイチなエージェントもいるが、すぐいなくなる
上記のうち、⑤(両面型のエージェントであること)以外はすべて、両面型・片手型とはあまり関係のないメリットである。
仮にJACリクルートメントが片手型であったとしても、国内最大級の非公開求人を持つ転職エージェントを利用することにはメリットがある。
年収のクラスは実質あまり問われず、ベンチャー企業以外であれば豊富な求人を揃える。
>>JACリクルートメントとビズリーチは比較するのではなく複数利用すべき理由をプロが解説
両面型を採用していることからも分かるとおり、JACリクルートメントは所属するエージェントのレベルも高い。
リクルートやマイナビほどの知名度はないのだが、プロとしておすすめできるエージェントである。
まとめ
ユーザー(転職活動中の方)の視点では、両面型エージェントのほうがおすすめだ。
両面型のエージェントは、あなたと話しているエージェント自身が企業のリアルなニーズを聞き取っている。
そのため、企業にとっても求職者にとってもマッチングミスが少なく、企業の担当者(人事)に候補者を売り込む力も強いのである。
両面型エージェントで最もおすすめできるのが、JACリクルートメントである。
その理由についてはすでに述べたので繰り返さないが、両面型であることを除いても「日本最大の転職エージェント企業」であるため、利用のメリットは多い。