言うのも恥ずかしいのですが、口臭がひどい人間だという自覚があります。
先日、転職の面接の際、面接官に顔をしかめられ、実際に面接にも落ちました。
口臭がひどいことは、面接で不合格になる理由になりますか?人事のプロとして、本音で教えてください。
今回のテーマは「口臭がひどいことが面接で不合格になる理由になるかどうか」である。
結論から申し上げると「綺麗事を抜きにすると、口臭がひどいことは面接での不合格理由になる。実際、そういったケースは見かける。そう断言する根拠として、表面的なものから本質的なものまで4つほど理由があるので、本音で解説していく」という内容になっている。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
この記事を読むことで、口臭に対して面接官がどのように感じているのかの実際が分かり、適切な対策をとることが出来るようになるだろう。
結論
まず、本記事の結論を記載しておく。
人を見た目や体質で判断すべきでない、と言われるが、実際にはこういった点が人生において一定の重要性を持つことも事実だろう。
口臭も大きく言えば体質のひとつ(口臭がひどくなりやすい人もいる/病気の方もいる)だと思うが、それでも面接では口臭に注意すべきである。
なぜなら、面接官としての経験上、以下の4つの理由で面接官は口臭に厳しいことが多いからである。箇条書きで記載しているため、詳細は本文中で確認していただきたい。
- 社会人として、口臭・体臭のケアはエチケットだから
- 面接は一緒に働く人を好き嫌い含めて選ぶものだから
- 口臭はメンタル疾患の表出である可能性があるから
- 仕事の出来に口臭や体臭が関係あるから
面接で口臭に注意すべき4つの理由
面接で口臭に注意すべき理由は、大きく分けて4つある。本項では、以下の4つの理由について解説していく。
- 社会人として、口臭・体臭のケアはエチケットだから
- 面接は一緒に働く人を好き嫌い含めて選ぶものだから
- 口臭はメンタル疾患の表出である可能性があるから
- 仕事の出来に口臭や体臭が関係あるから
社会人として、口臭・体臭のケアはエチケットだから
病気などの特殊な場合を除き、社会人として口臭のケアはエチケットだと見なされている。
これができていないということは、ある意味で身だしなみが整っていないと同じ扱いになる。
面接において、身だしなみがある程度重要だということは誰しも分かっている(聞いたことがある)ことだと思う。
最近は(男性であっても)スーツにこだわらない面接が多いと思うが、それでもTシャツにジーパン、金髪の候補者を合格にする会社は少ないだろう。
これと同じとまでは言わないが、口臭がひどいということも「社会人として働く状態になっていない」という意味では同じである。
面接は一緒に働く人を好き嫌い含めて選ぶものだから
前項で、口臭のケアはエチケットだと述べた。
とはいえ、実際には口臭がひどい会社員もたくさんいることを考えると、例えば「金髪」とは異なり、「口臭がひどい」としても会社員として一発退場とは言えないだろう。
しかし、口臭がひどいと嫌われやすいということには同意できるはずである。コミュニケーションをとるたびに嫌な思いをするからである。
そして、面接というものは一緒に働く人を好き嫌いを含めて選ぶものなのである。
面接は仕事のできる人を選んでいると思われがちであるが、それだけが評価項目ではない。実際には、面接官との相性というものも強く影響している。
面接官が将来の上司である場合(入社した場合に上司となる人間が面接官である場合)もよくある。
こういった場合には、人間的にあまり好きではない、相性の悪い部下を雇ってしまうと、(雇われた方も含めて)お互いに不幸になることは自明である。
そういった意味では、好き嫌いで選ぶということには一定の合理性があるものなのである。
いくつかの選択肢がある中で、 コミュニケーションをとるたびに嫌な思いをする(口臭がする)部下や同僚を雇いたいだろうか?
この質問に対して、YESと答える人はあまり多くないだろう。
口臭はメンタル疾患の表出である可能性があるから
ストレスと口臭に関係があるということはよく知られている。
ストレスを感じると、交感神経が優位になります。これは生体の防衛本能にスイッチが入った状態といっていいでしょう。
外からのストレスに対して、身構えるわけです。唾液は粘性を高めて、外から侵入する細菌などの敵を捕獲し、体内への侵入を防ぎます。実際ストレスを受けると、リラックス時よりも唾液は3割ほど減少します。
この唾液の減少が、口臭の原因となります。
筆者は人事として、おそらく数百回以上の単位で面接官をやってきたと思う。
その中で、メンタル疾患(うつ病、適応障害)の既往歴があると分かっている場合や、「この方、すでに精神的に限界なのでは?」という場合に、同時に口臭が気になることが多い。
面接には「デキる人間を採る」という前向きな目的もあるのだが、「すぐに辞める人や、精神的にもろい人を弾く」というリスク回避の目的もある。
よって経験のある面接官は口臭を無視せず、「採用しても、入社時にはすでに精神的に弱っている可能性がある」とみなし、基本的には避ける(不合格にする)。
仕事の出来に口臭や体臭が関係あるから
例えば営業職の場合には、口臭や体臭がひどいと仕事の出来そのものに影響を及ぼす、というのは理解しやすい。
何が理由であれ、顧客(カスタマー/クライアント)に好かれない(もしくは、嫌われる)要素はマイナスに働くからである。
ただし、これは営業職に限ったことではない。 現在、お金を払ってくれる顧客だけを重視する経営者は減ってきている。
従業員も大切な資産のひとつだとみなすのが世の中の流れである。
そして、従業員である「同僚」と関わらない仕事はあまりない。口臭がひどいと、同僚がモチベーション高く仕事しやすい環境を損なう。
これは職場環境への影響として、周囲の仕事の出来に(間接的に)マイナスの影響をもたらしてしまうとも言える。
まとめ
綺麗事を抜きにすれば、口臭がひどい場合には面接での不合格に直結する。
筆者は人事のプロフェッショナルではあるが、口臭外来の医師ではないので口臭対策については詳述しない。ただ、一般的には以下のような対処法があるとだけ述べておく。
- ハブラシやデンタルフロスで歯垢を取り除く
- 舌を清掃し、舌苔を除去する
- マウスウォッシュ用品を使う
- ブレスケア(飲むタイプ)を使う
- 食生活を改善する
- 禁煙する