コネクシオ株式会社で家電量販店へのスマホの卸売をしています。
スマホの普及に伴い、スマホの一次代理店(ドコモショップやヨドバシカメラ内ショップの運営など)をしているコネクシオも増収増益を続けてきました。
しかしながら、誰もがスマホを持つ時代になったことで、携帯キャリアのショップはこれ以上の拡大が望めません。
事業の将来性があまりないのではないかと思っており、実際に給与もあまり上がらないため、転職を考えています。
とはいえ、コネクシオで得たスキルが何の役に立つのか分かっておらず、迷いが生じています。
コネクシオを辞めたい人に対して、人事のプロとして何かアドバイスをいただけないでしょうか?
本記事では、携帯電話の一次代理店の大手、コネクシオ株式会社について扱う。
本記事を読んでいる人は知っていると思うが、最初に念のため、コネクシオとはどんな会社かについて記載しておく。
- コネクシオ株式会社は、伊藤忠商事系列の携帯電話・スマートフォンの一次代理店
- 一般ユーザー向けにdocomo、au、楽天モバイルショップの運営やヨドバシカメラへのスマホ卸売をしているほか、企業向けに法人契約スマートフォン端末の提供やその設定業務も取り扱う
- 携帯電話・スマートフォンの一次代理店としては、ティーガイアに次ぎ、日本でシェア2位
「コネクシオを辞めたい方の教科書」と題して、元・コネクシオ社員の退職理由や辞めた後の後悔、市場価値までを記載していく。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
この記事を読むことで、コネクシオを本当に辞めても良いのかどうかの決断が容易になり、退職後のキャリアが明確化することを約束する。
コネクシオは小売業の中ではホワイトだが、給与が低いことと事業の将来性から辞める人が多い
まず、コネクシオを辞めたい人は多いのかどうかについて記載する。
結論から言えば、給与が低いことと事業の将来性から「将来の不安」で辞める人が多い会社である。
まずはOpenWork(旧・Vorkers)の口コミから分かるコネクシオの組織風土を見てみよう。主に「辞めたい」につながるネガティブなコメントを抽出している。
- 残業が抑制される中で給与がどんどん減っていく
- 大企業にありがちなヒエラルキーがあり、給与もピラミッド型
- 携帯キャリアショップ事業は、典型的な斜陽産業になってきている
- 通信キャリアからの支援費が打ち切られ派遣切りが始まる等、事業環境は良くない
- 通信キャリアに言われたとおりにやるのが基本で自由度が低いので、自分で考えるのが苦手な人には向いている
- ノルマはないと言われながらも、実態としてはノルマがある
例を挙げると、「コンプライアンス・法令順守意識は非常に高い」「有給がとりやすく、ワークライフバランスは良い」「中途が多く、複数の母体から出来た会社のため、風通しが良い」等です。
後ほど述べるが、実はGoogleやYahoo検索における「コネクシオ 辞めたい」での検索数は多い。しかしながら、組織風土としてはネガティブなコメントよりポジティブなコメントの方が多かったように思う。
その中でもみられたネガティブコメントとしては、給与および事業の将来性に関するものが多かった。
次に、コネクシオについて、OpenWork(旧・Vorkers)やリクナビ等のデータから分かることを見てみよう。
- OpenWorkによると、平均残業時間が23.3h、有給休暇消化率が65.5%と、ブラック企業が多い小売業界の中ではかなりホワイトな労働環境
- OpenWorkの組織風土スコアによると、小売業界の平均と比べ、全ての数値が高い。ただし、「待遇面の満足度」「社員の士気」「20代成長環境」「人材の長期育成」「人事評価の適正感」は5段階で2.9~3.0と低め
- 有価証券報告書によるとコネクシオの平均年齢は33.3歳、平均勤続年数は6.7年である。平均年齢が低く、平均勤続年数も短い
- 実際に、Google検索における「コネクシオ 辞めたい」の検索数は多い(月あたりで数百回検索されている)
労働環境の数値や組織風土スコアから見た、コネクシオの特徴は以下の二つである。
- ブラック企業が多い小売業界の中では、ホワイト
- とはいえ小売業である。小売業は、平均年齢が低く、平均勤続年数も短く、給与も低い、「キャリアが積み上がりにくい」業界
②について、平均年齢が低く、平均勤続年数も短いので、「働かないおじさんがいる」等の不満は貯まりにくい。
その一方で、「家族を養う必要のある年代まで長く働けるような人事制度を用意していない」という意味でもあり、キャリアやスキルが積みあがりにくい業界となっている。
以上より、コネクシオは悪い会社ではないが、キャリアやスキルが積みあがりにくく給与が低いこと、そして携帯キャリア事業の将来性から、「将来の不安」で辞める人が多い会社であると言えるだろう。
OpenWork(旧・Vorkers)から見るコネクシオの退職理由
各企業の退職者による口コミ情報サイトであるOpenWork(旧・Vorkers)には、現時点で294件のコネクシオの退職理由が記載されていた。
ここからサンプル抽出して分析してみると、多い順に以下の退職理由となった。
- 給料(年収)が低い
- クレームやノルマが辛い
- 事業の将来性に不安(斜陽産業)
- 残業が多い
- スキルアップ・キャリアアップできない
組織風土に関するコメントにより分かっていた通り、給料と事業の将来性を退職の理由として挙げている方は多かった。
特に給与を挙げた人は最も多く、以下のようにバリエーションも多かった。
- 給与制度の改定で給与が下がった
- 基本給が上がらない
- 手取りが安すぎる
- 接客のストレスに見合わない給与額
また、給料および事業の将来性と同じくらい多かったのが、クレームやノルマが辛いという理由である。
コネクシオ自体は従業員5,685名(2021年12月31日時点)の大企業なのだが、小売という業態から、接客に起因するストレスが大きい。
結論として、コネクシオでは、給与の安さとキャリア事業の将来性のなさ、また「小売業」ということに起因する対人ストレスやスキルのつかない環境で退職している人が多いと言えそうである。
コネクシオを辞めたら後悔するか
コネクシオを辞めたいという方の中には「辞めたら後悔するのか?」が気になる方もいるだろう。
結論を一言で言えば、「異業種転職であれば、後悔しない可能性が高い」になるだろう。
異業種転職であれば辞めても後悔しないという根拠は以下の3つである。
- 大企業としては給与が低い(OpenWorkによる平均年収は432万円)
- 小売業というビジネスモデル自体、スキルがつきにくく、給与が安くなりやすい業種である
- 事業の将来性が怪しい
- 平均年齢が低いため、転職しやすい年齢の方が多いと思われる
辞めても後悔しない理由を一言でまとめると、業界自体が「スキルがつきにくく、給与が低くなりやすい」構造のため、異業種転職ならば後悔しない可能性が高いからである。
なお、異業種転職について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてほしい。
>>異業種転職の教科書|成功率やメリット、失敗しないための対策、おすすめの業界まで
元・コネクシオ社員の市場価値
さて、次は元・コネクシオ社員の市場価値についてである。
実は市場価値というものは、現在の在籍会社だけで判定するのは難しい。
「【ミイダス診断は嘘】転職の市場価値はエージェントの求人で判断すべき理由」にも記載したが、本当の市場価値は、転職エージェントに登録し、エージェントが持ってくる求人で判断するしかない。
とはいえ、目安としての市場価値を、平均年収等から考えておこう。
まず、コネクシオの平均年収はOpenworkで432万円である。
先ほども述べたが、一般的な大企業の平均年収が705万円程度であることを考えると、これはかなり低い年収レンジである。
実際に書類選考や面接選考をしている身からすると、コネクシオは以下のランクで見た場合の「ランク1と2の間」の社格である。
- ランク3:就職人気ランキング常連の日系大手および外資系大手(日立、トヨタ、三菱UFJ銀行、マイクロソフト、ジョンソンエンドジョンソン、等)
- ランク2:ランク3企業の子会社、日系大手、多くの外資系、ベンチャー企業(日立システムズ、アイリスオーヤマ、グラクソ・スミスクライン、ぐるなび、等)
- ランク1:中小企業を中心とした、上記に入らない全ての企業
社格だけで言えば、いわゆる最大手企業(ソニーやトヨタなど)を受けると書類選考で落ちてしまう可能性が高い。
よって、ステップアップ転職をしたい場合には、まずは上記の「ランク2」の企業に入るか、以下のような企業・ポジションを経るテクニックを用いるのがよいだろう。
- 外資系企業
- ベンチャー企業
- 万年募集中の一流企業(の下っ端ポジション)
- 花形職種が決まっている企業(コンサルや投資銀行等)の非主流職種
- 一流企業の非総合職・契約社員等
上記のようなキャリアアップのテクニックについては、以下の記事に詳しく書いているので必要に応じて参考にしてほしい。
>>キャリアアップするには?キャリアアップに必要な全プロセスを人事プロが解説
コネクシオ社員の方が選ぶべき転職エージェント・転職サイト
コネクシオ社員に限ったことではないが、希望する進路によって、選ぶべき転職エージェントや転職サイトは異なる。
例えば、「コネクシオの社員だからこのエージェント」ではなく、「大手企業に入りたい人なら、大手企業を得意とするこのエージェント」のように決まります。
転職エージェント選びを軽視している人も多いが、彼ら・彼女らは転職が成功するか失敗するかを決める重要なパートナーである。
それはつまり、人生が変わるということです。
良い転職エージェントの条件や出会い方については、「転職エージェントの選び方の教科書|出会い方、絞り込み方、付き合い方まで」に全て書いたので参考にしていただければと思う。
大きくは以下の4つに分かれるであろう転職希望先別に解説しているので、参考になるだろう。
- 大企業への転職を希望
- 中小企業への転職を希望
- ベンチャー企業への転職を希望
- 外資系企業への転職を希望
まとめ
給与や事業の将来性、接客ストレスから、コネクシオを辞めたいという方は多い。
実際、コネクシオの給与は大企業としては安く、しかも上がりにくい。
これでも小売業という業種の中ではホワイトな部類なので、若いうちに異業種転職をするのが、コネクシオの最も良い辞め方だと思われる。
>>異業種転職の教科書|成功率やメリット、失敗しないための対策、おすすめの業界まで
コネクシオに限らず若手が経験を積めない会社では、辞めるなら早いほどいい。
また、辞めたいと考えている方がすぐにするべきことは、転職サイトへの登録である。あなたの望む最高の求人は、あなたが転職活動を始めてすぐに入ってくるものではない。
そこで、「転職サイトに登録し、あとは放置して良い求人や良いエージェントがストックされるのを待つ」転職活動の手法が効果を発揮する。
未来の自分のために、「今」行動してはいかがだろうか。