上司の性格が悪いです。とにかく人間性が嫌いなのです。
上司が最悪な点以外には会社に不満はないのですが、上司を我慢して働き続けるのもしんどく、なんとかならないかと思っています。
性格が悪い上司を持ってしまった場合の対処法を教えていただけますでしょうか。
今回のテーマは「性格が悪い上司の特徴と対処法」である。
結論から申し上げると「性格が悪い上司の特徴は様々だが、対処の方向性は『うまく立ち回る』『離脱する』『正面から戦う』の3つしかないため、これらの対処法を中心に解説していく」という記事になっている。
性格の悪い上司の「特徴」は、読者の共感を呼び溜飲が下がるかもしれませんが、解決には結びつかないためです。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
この記事を読むことで、性格が悪い上司への対処法の全てが分かり、その中から適切な対処法を選択することで、今まで以上に快適な会社員生活を送ることが出来るようになるだろう。
結論
性格が悪い上司対策には、以下の3つの方向性がある。
- うまく立ち回る
- 離脱する
- 正面から戦う
上記の方向性を具体化すると、対処法としては以下の4つが挙げられる。
- 上司の味方につく
- 上司が手出しできない勢力を築く
- 異動する・転職する
- 上司を叩き潰す
性格が悪い上司の特徴
性格の悪い上司は、一般的に以下のような特徴の一部または全部を持っている。
- やる気がない、働かない
- 不機嫌である、精神的に不安定である
- 常に自分が正しいと思っている、間違いを認めない
- 現場を知らず、「~べき」という机上の空論で指示を出す
- マイクロマネジメントをしてくる、もしくは逆に投げっぱなしである
- ハラスメント、もしくはそのボーダーラインの行為をしてくる
- 部下に対して上から目線である、威張る(かつ、上には媚びる)
- 部下をライバル視または恐れており、潰そうとする
- 部下の手柄をとる
- サイコパス上司、クラッシャー上司である
本記事では性格が悪い上司の特徴を解説するのが趣旨ではなく、主に対処法の解説を行う。
よって特徴を細かく解説することはしないが、上記のような性格の悪い上司を持った場合には、自分の心身が不調をきたす前に何らかの対応策が必要であることは明確に述べておきたい。
【前提】性格が悪い上司に対処する上での基本方針
早速だが、本記事のメインである性格が悪い上司への対処法について解説していく。
具体的な対処法に入る前に、その前提となる対処の基本方針(方向性)について説明しておきたい。
まず、性格の悪い上司は治らない。
部下のアクションによって反省するようなまともな上司は、そもそも「性格が悪い上司」だとは思われていないことがほとんどだ。
次に、性格が悪い上司を「性格は最悪だが、自分に対しては無害だから放置」というのは悪手になる可能性がある。
放置した場合、性格が悪い上司の矛先が、いつあなたに向いてくるか分からない。
また、上司が勝手に上層部や周囲のヘイト(憎しみ)を集めた結果、あなたが迷惑をこうむったり、尻拭いをしなければならなくなったりする場合もある。
上記の点を踏まえると、性格が悪い上司対策には、以下の3つの方向性がある。
- うまく立ち回る
- 離脱する
- 正面から戦う
【解決策】性格が悪い上司への具体的な対処法
性格が悪い上司対策には、「うまく立ち回る」「離脱する」「正面から戦う」の3つの方向性があると述べた。
この方向性を具体化すると、以下の4つの対処法が浮かび上がる。
- 上司の味方につく
- 上司が手出しできない勢力を築く
- 異動する・転職する
- 上司を叩き潰す
それぞれ解説していく。
【1】上司の味方につく
初手から「やりたくない」であろうものを紹介して恐縮だが、「上司の味方につく」というのも対処法の一つである。
方向性としては「うまく立ち回る」に該当する。
これは、以下のような場合には有力な選択肢になってくる。
- 上司の性格は悪いものの、自分自身は割と気に入られている
- 上司の性格は悪いものの、能力は高く仕事が出来ることは認める
- 性格が悪いにもかかわらず、上司と、上層部や他部署との関係が良好である
そもそも、ビジネスパーソンが上司と喧嘩した場合、勝てる見込みはそう高くない。
あなたに矛先が向いていない、または上司に(周囲との関係が悪い等の)弱点がない場合には有効である。
とはいえ、不正やハラスメントに加担してはいけません。
【2】上司が手出しできない勢力を築く
上司が簡単には手出しのできない勢力を築くことにより、性格の悪い上司の矛先が自分に向かないようにする手も有力である。
これも、方向性としては「うまく立ち回る」に該当する。
パワー(権力・影響力)には、以下の3種類がある。
- ポジションパワー(肩書や役職の力)
- パーソナルパワー(能力や専門性、人柄の力)
- リレーションパワー(人間関係による影響力)
言うまでもなく、上司はあなたより「ポジションパワー」が大きい。
よって、「パーソナルパワー」または「リレーションパワー」を増やすことで、ポジションパワーだけが大きい上司に手出しをさせないようにする、という方針をとるのである。
- 上司が無能である(=パーソナルパワーが小さい)
- 上司の性格が悪いことが知れ渡っており、上司の味方が少ない(=リレーションパワーが小さい)
- 自分自身のパーソナルパワーまたはリレーションパワーが大きい
仕事が出来るキーパーソンや、多方面と良好な関係を保つキーパーソンと一戦を交えるのは、上司にとってもダメージが大きい。
この図式を利用し、キーパーソンとなることで上司の攻撃を抑止するというのが基本戦術となる。
【3】異動する・転職する
続いては「離脱する」という方向性である。
もうお分かりかと思うが、異動もしくは転職が具体策である。
「上司が嫌だ」と思ったら、まずは異動(配置転換)を考えてみていただきたいと思います。
>>【転職はハイリスク】人事プロが教える、転職より前に検討すべき3つの選択肢
異動であれば、今の労働条件を激変させることなく、上司を変えることが出来ることが多い。
さらに、「もし失敗しても転職という最後の手段が残っている」という安心感もある。
>>異動希望は気まずい。それでも異動希望を出すべき理由を人事プロが解説
とはいえ、自身の専門性を活かせる部署の問題や、異動に関する制度の問題等、異動が適さない場合も多いだろう。
その場合の離脱手段は、やはり転職になる。
>>転職エージェントの選び方の教科書|出会い方、絞り込み方、付き合い方まで
転職は(一定のリスクはあるものの)ほぼ全てのケースで上司対策として最も強力な手である。
基本的に、性格の悪い上司がどんなタイプの人間であっても、会社が変わってしまえば関係ない。
【4】上司を叩き潰す
うまく立ち回るのも、離脱するのも嫌だという場合には、上司と正面から戦う方針を採ることになる。
この場合の具体的な方法論は、以下の8つである。
- 業務を抱え込み、職場における重要性を高める
- 上司の上司を味方に付ける
- 徒党を組み、エンプロイーサーベイ等で対抗する
- 人事に訴える
- 法務等のコンプライアンス部署、社外取締役・監査役等に訴える
- 労働組合を利用する(内部/外部)
- 傷病休職する(退職する)
- 訴訟を起こす・外部メディアに訴える
上記については「嫌な上司を潰す方法(上司と戦う方法)を人事プロが解説」にて詳しく解説しているので、上司と戦う場合には絶対に読んでおいてほしい。
また、上司と戦う場合、以下の条件がそろっていればいるほど有利になってくる。
- 上司が無能である(=パーソナルパワーが小さい)
- 上司の性格が悪いことが知れ渡っており、上司の味方が少ない(=リレーションパワーが小さい)
- 自分自身のパーソナルパワーまたはリレーションパワーが大きい