正直、しつこいです。対処法を教えていただけると助かります。
今回のテーマは「転職エージェントからのしつこい電話と、その対処法」である。
筆者自身、そもそも(転職に限らず)電話をかけてこられること自体が嫌いな人間である。そのため、しつこい転職エージェントへの嫌悪感は非常に良く分かる。
初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。
筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。
- 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
- 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
- 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
- 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験
今回は「人事執行役員や人事マネージャーとしての経験」というよりも「4回転職した経験」をベースに、転職エージェントのしつこい電話への対処法をご紹介していく。
転職エージェントのしつこい電話に腹が立つ理由と、5つの対処法
転職活動を行う以上、転職エージェントとコミュニケーションをとることは必須である。
企業の公式ホームページ(=「企業への直接応募」)以外では、求人を持っているのは転職エージェントなので、これは仕方がないことである。
しかしながら、それを踏まえても以下のような場合は「しつこい」と感じられ、人によっては「腹が立つ」レベルに至るのではないだろうか。
- 要件が短いのにわざわざ電話をかけてくる(メールで十分な要件)
- 就業時間中に電話をかけてくる(在職中と分かっているはず)
- 何度も電話をかけてくる(脅迫電話レベルに達することも)
- 不要不急の要件で電話をかけてくる(「求人を紹介してくれれば十分」という人に細かくアドバイスしようとする等)
- 様々なエージェント、アドバイザーが入れ替わり立ち代わり電話をかけてくる
「相手の都合も考えろよ」とか「メールで十分なのに」と感じられる場合が多い。
特に「電話よりも、メールやLINE、スカイプ等の文字でのコミュニケーションの方が心地よい」というスタイルの方は、より強くデメリットとして感じてしまうだろう。
特に「doda(デューダ)」や「マイナビエージェント」に対し「しつこい」と感じている方が多いことが、Googleでの検索数から分かっています。
本日は、この対処法として以下の5つをご紹介する。
- 「しつこい」とはっきり相手に伝える
- エージェント型ではなく、求人掲載型の転職サイトを選ぶ
- 電話をかけて来にくい超大型の転職サイトを選ぶ
- 付き合う転職エージェントを選別し、絞り込む
- 転職エージェントとLinkedin経由で知り合うようにする
それぞれご紹介していく。
【1】「しつこい」とはっきり相手に伝える
まず単純ながら有効なのは、「電話をしつこくかけてくるのは辞めてほしい」とはっきり伝えることである。
相手も(電話で営業するという)仕事のスタイルを180度変えることは難しいだろうが、少なくとも抑制効果は見込める。
合わせて「メールでのコミュニケーションを好む」と伝え、そちらへの変更を促すと効果的である。
日本人の中には「相手に直接、しつこいとは言いづらい」という方も多いだろうし、やはり多少は電話でのコミュニケーションは発生するので、完璧な対処法ではない。
それでも、まず最初にとるべき基礎的な対応だと言えるだろう。
【2】エージェント型ではなく、求人掲載型の転職サイトを選ぶ
転職サイトには大きく2つある。
エージェント型(主にサイト所属または外部のエージェントと話し、求人を紹介する)のものと、求人掲載型(主に掲載された求人を自分で検索する)のものである。
このうち、エージェント型のサイトが「しつこい電話の温床」となっている。
実際に、特に「しつこい」というネット上の評判が多いのはdoda(デューダ)とマイナビエージェントである。
doda(デューダ)は「求人掲載型とエージェント型の混合」なので、登録すると自動的にエージェントから電話が来る。
マイナビエージェントは、その名の通りエージェント型である。
それでは、求人掲載型の転職サイトというのはどのサイトなのだろうか?
最も有名、かつ評判が良いのは、リクルートキャリアが運営するリクナビNEXTであろう。
「リクナビNEXTを用いて、自分で検索して探す」のがしつこい電話を避けるための一案である。
【3】電話をかけて来にくい超大型の転職サイトを選ぶ
doda(デューダ)とマイナビエージェントの他、ビズリーチも登録時に「困っていませんか?」のような電話をかけて来ることがある。
一方、そういった評判が極端に少ないのが、最大手リクルートキャリア(リクナビNEXTやリクルートエージェントを運営)である。
最大手であるリクルート系列はとにかく登録者数が多く、リクナビNEXTに限っては日本の転職者の8割が登録している。
リクルートの営業人員は多いのだが、全ての登録者に電話フォローするような手が回るわけがないのである。
リクルートキャリア社は様々なサービスを展開しているが、前述の求人掲載型であることも加味すると、今回のケースでおすすめ出来るのはリクナビNEXTである。
【4】付き合う転職エージェントを選別し、絞り込む
基本的に、転職エージェントのコミュニケーションスタイルは「電話で求人内容や選考状況について話し、メールでフォローや求人票の送付を行う」というものだ。
よって、たとえリクナビNEXTであっても、求人に問い合わせたり応募したりする段階で、その求人をもつエージェントとコミュニケーションをとる必要が出て来る。
なので、「サポートはしてもらうが電話コミュニケーションは不要」というのは難しい。
そう考えていくと、電話がしつこいという問題の真の解消のためには、付き合うエージェントを絞り込むというのが最重要であることが分かる。
リクナビNEXTのようなサイトで、求人を絞り込んでアプローチし、限られたエージェントと付き合うのがお勧めだ。
エージェントの絞り込み方については、以下の5点が重要だと考えている。
- 早い段階で(できれば最初に)興味の湧く求人を出してくるか
- 面談(電話面談)の前にあなたの職務経歴書を読んでいるか
- 自分のキャリアをプラスに評価してくれているか
- コミュニケーションスタイル(電話・メール等)が合っているか
- 転職ありきで求人をおすすめして来ないか
一度は話さないと分からない部分も多いが、これらを念頭にエージェントを評価し、当てはまらないエージェントは素早く切るのが重要である。
>>転職エージェントの選び方の教科書|出会い方、絞り込み方、付き合い方まで
【5】転職エージェントとLinkedin経由で知り合うようにする
最も重要なのは一つ前の項目、つまり「付き合う転職エージェントを選別し、絞り込む」ことだろう。
よって、最後の項目は補足に近いものである。
(しかしながら、個人的にはかなり「しつこい電話が嫌いな人」に有効なものだと思う)
それは、Linkedinにキャリアレジュメを掲載し、そこで転職エージェントと知り合うというものである。
たとえLinkedinで知り合ったとしても、求人を紹介してもらう時には電話等で話す必要がある。
しかしながら、Linkedinで活動するエージェントは、日常の連絡は(LINEに近い感覚で使える)Linkedinで済ませる方が多い。
以下が一般的なプロセスかと思うが、Linkedin経由の場合には3番のみで電話が使われる程度であり、他は全てLinkedin内のメッセージで済まされることが多い。
- Linkedinに掲載したあなたのキャリアを読んだエージェントが求人を紹介して来る
- 興味があった場合のみ、あなたから求人について問い合わせたり、興味がある旨を伝える
- 興味のあった求人について一度電話が出来ないかとエージェントから言われて話す
- 求人に応募することになり、職務経歴書や履歴書を送る
- 選考の日程や選考結果等についてやり取りをする
その理由としては、Linkedinのインターフェースはコミュニケーションがしやすく、エージェントもそれに慣れていることが大きいと思います。
転職エージェントからのしつこい電話から解放されるため、是非一度Linkedinを試してみていただければと思う。
ただし、外資系の求人が多めなので、外資に興味がない場合には向かない。
>>外資転職におすすめの転職サイト・エージェント厳選3つ+α
まとめ
本記事をまとめよう。
転職エージェントからのしつこい電話が嫌だという方は、以下の手順をお試しいただきたい。
- 最大手かつ求人掲載型のサイト(要はリクナビNEXT)やLinkedinを使う
- 興味のある求人を持っているか等、いくつかの要件でエージェントを絞り込む
- 途中で不要と感じたエージェントには「電話で連絡してほしくない」旨をはっきり伝えて切る
率直に申し上げて、「転職エージェントの電話がしつこい」という悩みの9割は「リクナビNEXTもしくはLinkedinを利用」し、「エージェントの絞り込みという考え方を持つ」ことで解決するかと思う。
>>転職エージェントの選び方の教科書|出会い方、絞り込み方、付き合い方まで